【満足】と【感動】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「満足」(読み方:まんぞく)と「感動」(読み方:かんどう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「満足」と「感動」という言葉は、どちらも「ポジティブな感情」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




満足と感動の違い

満足と感動の意味の違い

満足と感動の違いを分かりやすく言うと、満足とは期待どおりで心が満たされることことを表し、感動とは期待以上で心を揺さぶられることを表すという違いです。

満足と感動の意味の違い

一つ目の満足を使った分かりやすい例としては、「子どもは遊びを通して充実感や満足感を味わう」「接客の顧客満足度を上げる」「現状に満足することなく精進します」「通っている英語教室の満足度は高い」などがあります。

二つ目の感動を使った分かりやすい例としては、「大自然の営みに深く感動する」「心温まるスピーチに感動しました」「愛と感動の物語に心をうたれる」「おすすめの感動恋愛アニメはありますか」「質のいいサービスで顧客を感動させたい」などがあります。

満足と感動の使い分け方

満足と感動という言葉は、どちらも喜びや嬉しさなど気分がよいとされる感情を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

満足とは、心が満ち足りて不平不満がないことを意味します。マーケティング用語である「顧客満足」とは、商品やサービスに対する顧客の満足感のことです。顧客の期待にかなった商品やサービスを提供できれば、顧客満足度は高くなります。

感動とは、ある物事に触れて深く心を動かされることを意味します。最近のマーケティング用語である「顧客感動」とは、顧客の期待を超える商品やサービスを提供することで、予想外の驚きや喜びを与えることです。顧客感動は顧客満足の更に上をいく概念と言えます。

つまり、満足とは期待にかなっており心が満たされていることであり、感動とは期待を超えて心を揺さぶられることを意味する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使い分けるようにしましょう。

満足と感動の英語表記の違い

満足を英語にすると「satisfaction」「gratification」となり、例えば上記の「満足感」を英語にすると「a feeling of satisfaction」となります。

一方、感動を英語にすると「impression」「affection」「emotion」となり、例えば上記の「深く感動する」を英語にすると「be deeply impressed」となります。

満足の意味

満足とは

満足とは、心にかなって不平不満のないこと、心が満ち足りることを意味しています。

その他にも、「十分であること、申し分のないこと」「数学で、ある条件を満たしていること」の意味も持っています。

満足の使い方

「満足度調査のアンケート項目を検討する」「仕事で満足感を得る方法をみつける」「お腹いっぱいに食べて満足気な様子でした」「自己満足で迷惑な贈り物をもらった」などの文中で使われている満足は、「不平不満のないこと、心が満ち足りること」の意味で使われています。

一方、「掃除も満足にできないのか」「彼の答えに満足いかなかった」などの文中で使われている満足は「十分であること」の意味で、「この解は条件を満足する」「複数の不等式を満足する領域」などの文中で使われている満足は「数学で条件を満たしていること」の意味で使われています。

満足という言葉は、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているので、文脈により意味を捉える必要があります。満足の「満」は訓読みで「みちる」と読み、十分に足りて欠けたところがないことを表し、「足」は「たりる」と読み、十分にあることを表す漢字です。

「満足感」の意味

満足を用いた日本語には「満足感」があります。満足感とは、自分の思いどおりに事が運んで満ち足りた感じを意味し、文句なしの気持ちを表します。「満足感を得る」「満足感を味わう」「満足感に浸る」「満足感が高い」「満足感がすごい」などと表現します。

満足の対義語

満足の対義語・反対語としては、もの足りなく満足しないことを意味する「不満」、足りないところのあることを意味する「不十分」などがあります。

満足の類語

満足の類語・類義語としては、心が満ち足りてよろこぶことを意味する「満悦」、満ち足りることを意味する「充足」、望みを達成して満足であることを意味する「本望」、自分自身に満足することを意味する「自己満足」などがあります。

感動の意味

感動とは

感動とは、ある物事に深い感銘を受けて強く心を動かされることを意味しています。

感動の使い方

感動を使った分かりやすい例としては、「感動する映画を観て涙を流す」「世界の感動する話を集めました」「感動する歌ランキングを発表します」「感動の肉料理をぜひご賞味ください」「感動的な曲をBGMに選びました」などがあります。

その他にも、「感動するアニメを観て泣いてしまいました」「感動のどうぶつ物語に涙する」「英語のテストの物語文に感動した」「素敵なイラストをプレゼントされて感動する」「旅先で感動的な出会いがありました」などがあります。

感動の「感」は物事に触れて心が動くことを表します。心に変化が生じることを表す「動」と結びつき、感動とは、心が物事を受けとめて深く動かされることを意味します。愉快な喜びの気持ちを表すプラスイメージの言葉です。

「感動文」の意味

感動を用いた日本語には「感動文」があります。感動文とは、「感嘆文」とも言い、感動した気持ちを表す文章を意味します。日本語では感嘆詞や感嘆の助詞を使って表すことが多く、英語では感嘆符「!」を文末に付けます。

感動の対義語

感動の対義語・反対語としては、期待や希望どおりにならずがっかりすることを意味する「落胆」、期待がはずれてがっかりすることを意味する「失望」などがあります。

感動の類語

感動の類語・類義語としては、強く心に感じて気持ちがたかぶることを意味する「感激」、忘れられないほど深く感じることを意味する「感銘」、立派な行為などに心を動かされることを意味する「感心」、感慨がはかり知れないほど大きいことを意味する「感慨無量」などがあります。

満足の例文

1.顧客満足度を向上させる目的で、お得意様を対象にアンケートを実施しました。
2.顧客の満足度を高めるために、満足とはどのような状態か話し合うことから始めました。
3.公立小学校の英語教育に満足している保護者は、どれぐらいいるのだろうか。
4.このストッキングは多少割高ですが、快適なはき心地なので満足しています。
5.お腹にいる赤ちゃんが、五体満足で無事に生まれてくることを願っています。

この言葉がよく使われる場面としては、希望が満ち足りて不平がなくなること、十分であると感じること、完全無欠であること、数学で対象が与えられた条件にかなっていることを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「五体満足」(読み方:ごたいまんぞく)とは、身体のどの部分にも欠け損じている部分がないことを意味します。

感動の例文

1.留学先から帰国した息子の英語力よりも、人としての成長にいたく感動しました。
2.オペラグラスは正しい使い方をすると、観ている舞台を更に感動することができるでしょう。
3.嬉しいのか悲しいのか、はたまた感動したのか、彼女の涙はいったい何を意味していたのだろう。
4.植物の芽が出ただけでこんなにも感動するとは、孫の純粋な心を愛おしく感じました。
5.年をとるにつれ感動することが少なくなるというが、本当なのだろうか。

この言葉がよく使われる場面としては、強い感銘を受けて深く心を動かすことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、感動という言葉は心の動きを表し、日常会話でよく使用されています。

満足と感動という言葉は、どちらも「気分がよいとされる感情」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、期待どおりであることを表現したい時は「満足」を、期待を上まわることを表現したい時は「感動」を使うようにしましょう。

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