似た意味を持つ「株式会社」(読み方:かぶしきがいしゃ)と「有限会社」(読み方:ゆうげんがいしゃ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「株式会社」と「有限会社」という言葉は、どちらも「商法上の会社の形態」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
株式会社と有限会社の違い
株式会社と有限会社の意味の違い
株式会社と有限会社の違いを分かりやすく言うと、株式会社とは株式を発行して株主で組織される会社、有限会社とは有限責任の社員で組織される会社という違いです。
株式会社と有限会社の使い方の違い
一つ目の株式会社を使った分かりやすい例としては、「株式会社を設立する際には発起人が必要です」「兄は株式会社の検査役をやっています」「株式会社が解散したあと清算手続に入ります」などがあります。
二つ目の有限会社を使った分かりやすい例としては、「有限会社の面接を受ける予定です」「有限会社で働くのはやめた方がいいですか」「有限会社は年々減少しています」「特例有限会社を株式会社に移行する」などがあります。
株式会社と有限会社の使い分け方
株式会社と有限会社という言葉は、どちらも営利事業を営むための会社形態の一種を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
株式会社とは、簡単にわかりやすく言うと、株式を発行することで資金を調達している会社を意味します。株式を保有する者を「株主」と呼び、株式会社は株主から委任を受けた経営者が事業を行います。
有限会社とは、有限会社法によって設立された社団法人を意味します。株式会社の特色を中小企業むけに簡素化した企業形態で、有限責任の社員だけで組織されるものでしたが、2006年の会社法施行に伴い有限会社制度は廃止されました。
会社法施行前の株式会社と有限会社の大きな違いは、資本金と役員数です。株式会社の資本金は最低1,000万円ですが、有限会社は最低300万円です。役員については、株式会社は取締役3名以上と監査役1名以上ですが、有限会社は取締役1名以上です。
しかし、2006年に会社法が施行されたことで、現在の株式会社は資本金が1円以上、取締役が1名以上で設立できるようになりました。このような条件の見直しから、株式会社と有限会社を区別する意義がなくなり、有限会社は廃止されたのです。
株式会社と有限会社の英語表記の違い
株式会社を英語にすると「company limited」「business corporation」「Co.」「Ltd.」となり、例えば上記の「株式会社を設立する」を英語にすると「establish a company limited」となります。
一方、有限会社を英語にすると「limited liability company」「LLC」となり、例えば上記の「有限会社を設立する」を英語にすると「establish a limited liability company」となります。
株式会社の意味
株式会社とは
株式会社とは、企業形態の一つで、合名会社・合資会社・合同会社における持ち分にあたるものを株式の形式にし、株主は株式の引受価額を限度とする有限の出資義務を負うだけとなるものを意味しています。
株式会社の読み方
株式会社の読み方は「かぶしきがいしゃ」です。「かぶしきかいしゃ」と読むこともありますが、一般的には「かいしゃ」は「がいしゃ」と濁音になります。
株式会社の使い方
株式会社を使った分かりやすい例としては、「株式会社設立の手順を調べています」「株式会社は定款の作成が不可欠です」「株式会社の登記時に必要な書類は何ですか」「すべての株式会社は事業報告書を作成する義務がある」などがあります。
その他にも、「トヨタ自動車株式会社の本社はどこですか」「株式会社ポケモンの株価は上場来高値を更新しました」「破産手続は株式会社以外の法人も利用できます」「株式会社の解散から清算までの手続きについて教えてください」などがあります。
株式会社とは、商法上の会社形態の一種です。株主会社は、株式を発行して投資家から資金を調達し、その代金で事業活動を行ないます。最低資本金制度が撤廃され、現在は1円からでも株式会社を設立することができるようになっています。
株式会社の設立方法
株式会社の設立には、発起設立と募集設立の二つの方法があります。発起設立は、発起人が設立に際して発行する株式の全部を引き受けて会社を設立する方法です。一方の募集設立は、発起人が設立に際に株式の一部だけを引き受け、残りを公募などの方法で発起人以外の者に引き受けてもらう方法です。
株式会社の対義語
株式会社の対義語・反対語としては、出資者と経営者が同一な会社形態を意味する「合同会社」などがあります。
株式会社の類語
株式会社の類語・類義語としては、営利を目的として経済活動を営む組織体を意味する「企業」、一定の目的のために結合した人の集団を意味する「法人」、政策的公共事業を目的として設立される特殊法人を意味する「事業団」、株式会社の略号を意味する「KK」などがあります。
有限会社の意味
有限会社とは
有限会社とは、商行為その他の営利行為を目的として、有限会社法によって設立された社団法人を意味しています。
有限会社の読み方
有限会社の読み方は「ゆうげんがいしゃ」です。「ゆうげんかいしゃ」と読まれることもありますが、普通は「会社」の「か」の音を濁らせて「がいしゃ」と読みます。
有限会社の使い方
有限会社を使った分かりやすい例としては、「ボーナス支給なしの有限会社に勤めていました」「有限会社のメリットとデメリットは何ですか」「亡くなった父は有限会社の代表取締役でした」などがあります。
その他にも、「有限会社に対応できる税理士を探しています」「会社法により有限会社は廃止されました」「有限会社はブラックだなんて偏見です」「解散した有限会社は法務局に申請しなければなりません」などがあります。
有限会社とは、商行為や営利行為を目的として、昭和13年の有限会社法によって設立された社団法人を意味します。株式会社の特色を中小企業むけに簡素化した企業形態で、資本金300万円以上、社員数50人以下と定められています。
有限会社は基本的に廃止されている
有限会社は、平成18年の会社法施行によって廃止され、法律上、従来の有限会社は株式会社となりました。ただし、会社法施行以前から存続している有限会社については、「特例有限会社」として存続することができます。
有限会社の対義語
有限会社の対義語・反対語としては、法人を設立せず個人で事業を営んでいる人を意味する「個人事業主」などがあります。
有限会社の類語
有限会社の類語・類義語としては、有限会社法によって設立された会社を意味する「有限責任会社」、相対的に小規模な企業を意味する「中小企業」、ドイツ語で有限責任会社を意味する「GmbH」(読み方:じーえむべーはー)などがあります。
株式会社の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、株式会社という言葉は、主にビジネスシーンで使用されています。
有限会社の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、有限会社法によって設立された会社を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、有限会社という言葉は、ビジネスシーンで用いられることがほとんどです。
株式会社と有限会社という言葉は、どちらも「会社の種別」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、株式を発行して株主で組織される会社を表現したい時は「株式会社」を、有限責任の社員だけで組織される会社を表現したい時は「有限会社」を使うようにしましょう。