【臭い】と【匂い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「におい」という読み方、似た意味を持つ「臭い」と「匂い」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「臭い」と「匂い」という言葉は同音の言葉で、どちらも香りに関する意味を持ちますが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。

臭いと匂いの違い

臭いと匂いの違いを分かりやすく言うと、不快に思う香りを感じているか、心地よく思う香りを感じているかの違いです。

臭いという字は、主に不快に感じる香りを表現する際に使われる漢字です。香りを消すために存在する商品である「消臭剤」という字を見るとわかりやすいでしょう。嫌な臭いを消すための薬剤のことを消臭剤と言います。

一方で、匂いというのは、主に心地よく思う香りや多くの人が良いと感じる香りを表現する際に使われる漢字です。「匂い袋」などを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。良い匂いを衣類などに移す際に使われるのが匂い袋です。

「におい」という言葉に関しては、2010年まで「臭い」という字しか常用漢字表に載っていませんでした。加えて、「臭い」という字は「におい」とは読まずに「くさい」または「臭」という一字で「シュウ」という読み方をしていました。

しかし、2010年の常用漢字表改訂の際、「匂い」という字が新しく常用漢字に追加されることになり、それと同時に「臭い」については「におい」や「におう」という読み方が追加されることになりました。

また、「臭い」という言葉は中国から伝来した昔からある漢字ですが、「匂い」に関しては、日本でつくられた国字と呼ばれる漢字です。

漢字の成り立ちを見てみると、「匂い」という字は本来「おもむきのある空気や、その余韻などを楽しむ」という意味を持っていました。この「余韻」の「韻」の字は、旧字で「韵」と書きます。

この「韵」という漢字の右側の「匀」という字が変形して、今の「匂い」という漢字が出来たと言われています。そういった漢字の成り立ちを考えてみると、「匂い」が良い香りを示すものであるとわかりやすくなります。

新聞や雑誌、報道などにおいては「におい」という言葉は、様々に使い分けをされます。例えば「タバコのにおい」や「香水のにおい」などは、人によって不快に思う人もいれば、気にならない人や、そのにおいが好きな人もいます。

このように、良いにおいだと感じる人もいれば、悪いにおいだと感じる人もいるような場合は「におい」とひらがなで書くことが通例となっています。

つまり、一般的に不快だと思われるにおいは「臭い」、一般的に心地よいと思われるにおいは「匂い」、人によって判断が異なるにおいは「におい」と表記するようにすると間違いがありません。

どちらの漢字を使ったら良いのか迷った際には、そのにおいが人に与える印象について考えてみましょう。考えてみた上で、どちらかわからなかった場合は「におい」と表記するのが確実です。

臭いの意味

臭いとは、一般的に不快であるとされる香りを意味しています。嫌な香りや、くさいと感じるものについて使うと考えるとわかりやすいでしょう。

臭いという字の元々の読み方は「くさい」や「シュウ」であり、「におい」と読むのが常用とされたのは2010年以降です。

臭いという漢字が嫌な香り、くさいと感じるものについて使われるものだということは、「臭」という字を使った言葉を考えてみても明らかです。

「臭」という字を使った単語には、嫌で不快なにおいを意味する「悪臭」、鼻をつくようなくさいにおいを意味する「臭気」、酷くくさいにおいがすることを意味する「汚臭」などがあります。

匂いの意味

匂いとは、一般的に心地よく好感の持てる香りを意味しています。リラックス出来る香りや、食欲をそそる香りなどについて使うと考えるとわかりやすいでしょう。

匂いという字は2010年に常用漢字表に登録されました。もともとは良いものに対する「余韻」を楽しむという言葉から作られた漢字で、余韻の「韻」の字が転じて「匂」という漢字になりました。

匂いという字は日本で独自につくられた国字であり、日本人特有の「おもむき」や「風情」などを楽しむ感性から生まれた漢字です。

そういった漢字の成り立ちを考えると、匂いというのが、良い香りについて表現する際に使われるものだとわかりやすくなります。

「匂」という字を使った単語には、香りのある花をつける桜を意味する「匂桜」、香料などの匂いをつけた化粧紙を意味する「匂い紙」、着物の重ねを上から下へ紅をしだいに濃いものから薄いものとする「紅匂」などがあります。

臭いの例文と使い方

1.忙しくてゴミ出しが出来ないせいで、生ごみが臭ってしまっている。
2.この部屋からは、魚の腐ったような臭いがしている。
3.公衆トイレは臭いがこもりがちである。
4.排水溝が臭っていて、大変不快だ。
5.この消臭剤は、どんな酷い臭いも消してくれるので、気に入っている。

この言葉がよく使われる場面としては、一般的に嫌だなと感じられるにおいがしているような時が挙げられます。下水道や排水溝、ゴミやトイレなどのにおいについて表現する際に使われることが多いです。

ほとんどの人が不快だと思うようなにおいについて、「臭い」と使うようにします。ただし、人によっては不快感を覚えないかもしれないという場合には「におい」とひらがなで表記するようにすると、誤解がなくて良いでしょう。

臭いというのは、マイナスの意味を含む言葉です。使う際には、他人を傷つけるような使い方をしていないか、注意をするようにしましょう。プラスの意味を含ませたい時には臭いではなく、匂いを使います。

小説などの文学作品では、そのにおいが嫌いだということをあえて示すために、一般的には良いとされるにおいについて「臭い」と使う場合もあります。臭いという漢字の持つ意味が不快でくさいとされるにおいであることを覚えておくようにしましょう。

匂いの例文と使い方

1.パン屋さんの前を通りと良い匂いがして、ついつい買ってしまう。
2.友達の香水がとても良い匂いなので、どこの商品なのか聞いてみたい。
3.秋になると、どこからともなく金木犀の良い匂いが漂ってくる。
4.お日様にあてた布団は、どことなく良い匂いがする。
5.京都の美しい庭園を訪れると、静寂の中に凛とした匂いが感じられた。

この言葉がよく使われる場面としては、心地よいと感じる香りがしている時や、風情などを感じ取っている時などが挙げられます。

例文1のように食欲をそそる香りであったり、例文2のような香水などのにおいについて表現する時に使われることが多いです。

また、例文3や4は自然の香りを良いと感じている時の使われ方です。例文5に関しては、日本人特有の風情などを感じている場面での使い方です。

このように、プラスの意味で感じ取られる香りについて「匂い」という字を使うと覚えておくと良いでしょう。

人によって、良いと感じるか、悪いと感じるかがわからないような香りの場合は「におい」とひらがなで表記するのが確実です。匂いはプラスの意味を持ちますが、臭いはマイナスの意味を含む言葉なので、使い分けには注意をするようにします。