【しのごの】と【つべこべ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「しのごの」と「つべこべ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「しのごの」と「つべこべ」という言葉は、どちらも文句を言うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「しのごの」と「つべこべ」の違い

「しのごの」と「つべこべ」の意味の違い

「しのごの」と「つべこべ」の違いを分かりやすく言うと、「しのごの」とは理屈をこねるなというニュアンスが強い、「つべこべ」とはうるさいというニュアンスが強いという違いです。

「しのごの」と「つべこべ」の使い方の違い

一つ目の「しのごの」を使った分かりやすい例としては、「彼がしのごの言って言うことをききません」「面倒くさいとかしのごの言わずにきちんとやりなさい」「しのごの言わず私についてこい」などがあります。

二つ目の「つべこべ」を使った分かりやすい例としては、「つべこべ言わずに黙ってついてきなさい」「つべこべ言うよりまずは行動すべきです」「文句をつべこべ言うな」などがあります。

「しのごの」と「つべこべ」の使い分け方

「しのごと」と「つべこべ」はどちらも文句を言うという似た言意味を持つ言葉です。あえて違いを挙げるならば、「しのごの」とは理屈をこねるなというニュアンスが強く、「つべこべ」とはうるさいというニュアンスが強いというのが違いになります。

「しのごの」と「つべこべ」の英語表記の違い

例えば上記の「しのごの言わず私についてこい」を英語にすると「Just shut up and follow me」となります。一方、上記の「文句をつべこべ言うな」を英語にすると「Stop complaining about every little thing」となります。

「しのごの」の意味

「しのごの」とは

「しのごの」とは、あれこれ面倒なことを言うことを意味しています。

表現方法は「しのごの言う」「しのごの言わず」「しのごの言うな」

「しのごの言う」「しのごの言わず」「しのごの言うな」「しのごの言わせない」などが、「しのごの」を使った一般的な言い回しになります。

「しのごの」の使い方

「しのごの」を使った分かりやすい例としては、「彼はしのごの言ってたけれど彼女のことをまだ好きみたいです」「今はしのごの言ってる場合ではありませんでした」「他人からしのごの言われる筋合いはありません」などがあります。

「しのごの」の語源

「しのごの」の語源は、サイコロ賭博から来ています。「しのごの」は元々賭博用語で、サイコロの四の目と五の目が似ていたことから、丁と半のどちらを選ぶか迷っている様子を表す言葉です。

これが転じて現代では、あれこれ面倒なことを言うことや、なんのかのと文句を言うことの意味で使われるようになりました。また、マイナスなイメージでしか使わない言葉になります。

「しのごの」は相手の発言を軽んじる言い方なので、ビジネスシーンにおいて目上の人に使わないようにしましょう。

「しのごの」の漢字表記

「しのごの」を漢字にすると、「四の五の」と表記することができます。

「しのごの」の類語

「しのごの」の類語・類義語としては、相手に対する言い分や苦情を言うことを意味する「文句を言う」、言ってもしかたのないことを言って嘆くことを意味する「愚痴」、くどくどと不平や小言を言うことを意味する「ぶつくさ」などがあります。

「つべこべ」の意味

「つべこべ」とは

「つべこべ」とは、あれこれとうるさく理屈を言うことを意味しています。

表現方法は「つべこべ言うな」「つべこべ言わず」「つべこべ言う」

「つべこべ言うな」「つべこべ言わず」「つべこべ言う」などが、「つべこべ」を使った一般的な言い回しになります。

「つべこべ」の使い方

「つべこべ」を使った分かりやすい例としては、「つべこべ言わずにここから出してください」「つべこべ言わず言われた通りにしてください」「私は幸せなのでもうつべこべ言いません」「こんなことをつべこべ言っても仕方ありません」などがあります。

「つべこべ」はあれこれとうるさく理屈を言うことや出しゃばって喋りたてることを意味するマイナスなイメージで使う言葉です。

「つべこべ」の語源

「つべこべ」の語源は二通りの説があり、定説がないと言われています。

一つ目は「つべらかべら」が変化した説です。ぶつぶつ言うことを意味する「あれや、これや」を、昔は「つべやら、かべやら」と表現していました。それが時代が経つにつれて略されていき、「つべら、かべら」→「つべらこべら」→「つべこべ」と変化していきました。

二つ目は「つべすべ」が変化した説です。

「つべすべ」とはぶつぶつ文句を言うことを意味する「つべつべ」と、油ぎってぬるぬるつるつるしていることを意味する「すべすべ」が合わさった言葉になります。

これが転じて、滑らかにとどまることなくうるさく言うことを「つべすべ」と言うようになりました。この「つべすべ」がさらに変化したのが「つべこべ」になります。

「つべこべ」は相手の発言を軽んじる言い方なので、ビジネスシーンにおいて目上の人に使わないようにしましょう。

「つべこべ」の類語

「つべこべ」の類語・類義語としては、しつこく繰り返して言うことを意味する「くどくど」、取るに足らないことをいつまでも言うことを意味する「うだうだ」、 ぶつぶつ不平を言うことを意味する「ぐずぐず」などがあります。

「しのごの」の例文

1.チーフがしのごの言って派遣社員を困らせるので、派遣社員は数か月で辞めてしまうことが多いです。
2.彼女はしのごの言っていたけど、なんだかんだであの会社が好きみたいです。
3.暑いやだるいなどしのごの言わずに、きちんと業務をこなしてください。
4.彼はしのごの言ってばかりなので、社員みんなから嫌われています。
5.これでも妥協に妥協を重ねているので、しのごの言わずに従ってください。
6.仕事でミスした後輩に訳を聞くとしのごの言い出したので、まずはその態度を改めるようアドバイスした。
7.精神論を押し付ける部活の顧問からしのごの言わずにやれと言われたが、わたしはひるまずに理屈が通ってないとやらないと突っぱねた。
8.会社のリストラの噂はたちどころに広まったが、しのごの言ってもしょうがないのだから、いまは目の前の仕事をやるだけだと気合を入れた。
9.女はこれでもわたしは妥協に妥協を重ねているのだからもうこれ以上しのごの言わずに私の言うことに従いなさいと激高していた。
10.SNSで他人のことをしのごの言うのであれば、まずは自分の生活態度を見直したらどうだと思うのだが、そんな連中にこの言葉は響かないようだ。

この言葉がよく使われる場面としては、あれこれ面倒なことを言うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「しのごの」はマイナスなイメージ使うのが一般的です。

「つべこべ」の例文

1.つべこべ言うのは、それだけ目の前のことに集中していない証拠です。
2.つべこべ言っている暇があれば、勧誘の電話一本でもかけて来いと、先輩から怒られてしまいました。
3.済んでしまったことをつべこべ言っても仕方ないので、諦めることにしました。
4.このことを報告したらつべこべ言われると思ったので、だんまりを決め込む。
5.つべこべ言わずに出されたものを食べなさいと、母親から怒られてしまった。
6.小学生の息子が宿題をやろうとせずに悪態をついていたので、わたしはつべこべ言わずにさっさとやりなさい!と大声を張り上げた。
7.上の兄弟たちは資産相続でもめていたが、わたしはいまのままの生活でも十分幸せなのでそれについてはつべこべ言いません。
8.男はへそ曲がりであったので、つべこべ言わずに言われたとおりにやりなさいといわれて、それに従うような性格ではなかったのである。
9.わたしの母親はあの人との結婚は絶対に許しませんとつべこべ文句を言っていたくせに、子供が生まれると嘘のようにいいおばあちゃんになってしまったのだ。
10.無駄な会議の撤廃が叫ばれている世の中であるのに、わたしの会社はそれについて説いても、つべこべ言わずに会議に参加しなさいと言ってくるだけである。

この言葉がよく使われる場面としては、あれこれとうるさく理屈を言うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「つべこべ」はマイナスなイメージ使うのが一般的です。

「しのごの」と「つべこべ」はどちらも文句を言うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、理屈をこねるなというニュアンスが強い時は「しのごの」を、うるさいというニュアンスが強い時は「つべこべ」を使うと覚えておきましょう。

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