【以前より】と【以前から】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「以前より」(読み方:いぜんより)と「以前から」(読み方:いぜんから)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「以前より」と「以前から」という言葉は、どちらもその時よりも前からのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「以前より」と「以前から」の違い

「以前より」と「以前から」の意味の違い

「以前より」と「以前から」の違いを分かりやすく言うと、「以前より」は比較を示す場合に使う、「以前から」は時および場所の起点を示す場合に使うという違いです。

「以前より」と「以前から」の使い方の違い

一つ目の「以前より」を使った分かりやすい例としては、「この商品は以前よりも安くなっています」「以前よりお噂は伺っております」「こちらの事業に以前より大変興味を持っておりました」「私は以前より犬が好きになりました」などがあります。

二つ目の「以前から」を使った分かりやすい例としては、「以前からこの会社に憧れていました」「この件でしたら以前から申し上げていました」「以前から問題になってはいるものの全く改善されなくて困っている」などがあります。

「以前より」と「以前から」の使い分け方

「以前より」と「以前から」はどちらもその時よりも前からのことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「以前より」は比較を示す場合に使います。一方、「以前から」は時および場所の起点を示す場合に使うというのが違いです。また、どちらも使うことができる場合には、「以前から」を使うのが一般的と覚えておきましょう。

「以前より」と「以前から」の英語表記の違い

「以前より」も「以前から」も英語にすると「compared to before」となり、例えば上記の「私は以前より犬が好きになりました」を英語にすると「I like cats now compared to before」となります。

「以前より」の意味

「以前より」とは

「以前より」とは、その時よりも前からのことを意味しています。

「以前より」の使い方

「以前より」を使った分かりやすい例としては、「購入する人が以前よりも増えています」「体調は以前よりもよくなっています」「彼は以前よりも活動的になっています」「以前よりも安くなっていたので購入しました」などがあります。

「以前より」はその時よりも前のことを意味する「以前」に、 比較の標準や基準を表すことを意味する「より」が合わさった言葉です。そのため、「以前より」は比較を示す場合に使うのが一般的になっています。

「以前より」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。ただし、「以前より」自体は敬語表現ではないので、上司や取引先などの目上の人に対して使いたいのであれば、前後の文章を敬語表現にするようにしましょう。

また、「以前より」でも目上の人に対して使うことが可能ですが、「かねてより」を使うことによってさらに丁寧な表現にすることができます。

「以前より」の期間

「以前より」はどれくらいの期間だろうと思う方もいるはずですが、明確な期間は決まっていません。それよりも前であれば使うことができると覚えておきましょう。

また、「以前より」は「入学以前より」のように、特定の時点を指すことによって、それよりも前からという表現にすることも可能です。

「以前より」の類語

「以前より」の類語・類義語としては、前からのことを意味する「かねてより」、昔からのことを意味する「旧来より」、今より前のことを意味する「従前より」などがあります。

「以前から」の意味

「以前から」とは

「以前から」とは、その時よりも前からのことを意味しています。

「以前から」の使い方

「以前から」を使った分かりやすい例としては、「以前から噂は聞いておりましたが未だに信じることができません」「転職の件ですが以前から考えておりました」「以前からこの会社に憧れていました」「以前から彼のことが好きでした」などがあります。

「以前から」はその時よりも前のことを意味する「以前」に、 動作や作用の起点を表すことを意味する「から」が合わさった言葉です。そのため、「以前から」は時および場所の起点を示す場合に使うのが一般的になっています。

「以前から」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。ただし、「以前から」自体は敬語表現ではないので、上司や取引先などの目上の人に対して使いたいのであれば、前後の文章を敬語表現にするようにしましょう。

また、「以前から」でも目上の人に対して使うことが可能ですが、「かねてから」を使うことによってさらに丁寧な表現にすることができます。

「以前から」の期間

「以前から」はどれくらいの期間だろうと思う方いるはずですが、明確な期間は決まっていません。それよりも前であれば使うことができると覚えておきましょう。

「以前から」は「結婚以前から」のように、特定の時点を指すことによって、それよりも前からという表現にすることも可能です。

「以前から」の類語

「以前から」の類語・類義語としては、ずっと前からのことを意味する「前々から」、以前から今までのことを意味する「従来から」、昔から今までのことを意味する「古来から」、前もってのことを意味する「予め」などがあります。

「以前より」の例文

1.以前よりお伺いしていた件ですが、進歩状況はいかがでしょうか。
2.以前より交際していた彼女とこの度結婚することになりましたので、ご報告申し上げます。
3.以前より恐れていた価格競争が始まったが、弊社は品質で勝負していくつもりです。
4.業界で有名な山本様には、以前よりお会いしたいと願っておりました。
5.以前よりお世話になっていた大谷さんに、新規プロジェクトのご依頼をさせていただきたいです。

この言葉がよく使われる場面としては、その時よりも前からのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「以前より」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「以前から」の例文

1.以前から彼女のことが好きだったので、彼氏ができたと聞いた時は少しショックでした。
2.以前からお知らせしておりました件について、お話ししたいことがございます。
3.以前から計画してまいりました新サービスが、ようやく開始の見込みとなりました。
4.以前から仮想通貨に興味があったので、ボーナスは資産運用に使用しています。
5.以前からご提案させていただいている件ですが、ご検討の方はいかがでしょうか。

この言葉がよく使われる場面としては、その時よりも前からのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「以前から」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「以前より」と「以前から」はどちらもその時よりも前からのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、比較を示す場合に使うのが「以前より」、時および場所の起点を示す場合に使うのが「以前から」と覚えておきましょう。

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