【見い出す】と【見出す】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「みいだす」という読み方の「見い出す」と「見出す」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「見い出す」と「見出す」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「見い出す」と「見出す」の違い

「見い出す」は「見出す」の間違い

「見い出す」と「見出す」の違いを分かりやすく言うと、「見い出す」とは「見出す」の間違った使い方、「見出す」とは多くの中から価値あるものを見つけ出すことです。

「見い出す」は誤字

一般的には「見い出す」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が同じなことから、「見出す」のことを間違えて「見い出す」を使っている人がほとんどです。

「見出す」は正しい日本語

正しい言葉である「見出す」を使った分かりやすい例としては、「ホラーゲームをプレイすることに楽しみを見出す人もいます」「妥協点を見出すこともたまには必要だろう」「彼女は彼の顔に不安の色を見出した」などがあります。

「見出す」という言葉はあっても、「見い出す」という言葉は存在しません。同時に「見出す」という単語の意味について「多くの中から価値あるものを見つけ出すこと」と覚えておきましょう。

「見出す」の英語表記

「見出す」を英語にすると「discover」「detect」「find」となり、例えば上記の「彼女は彼の顔に不安の色を見出した」を英語にすると「She detected uneasiness in his look」となります。

「見い出す」の意味

「見い出す」とは

「見い出す」とは、「見出す」の間違った使われ方です。

「見い出す」が間違っている理由

「見い出す」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「見出す」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「見い出す」と「見出す」を間違ってしまう理由としては、「見い出す」と「見出す」の読み方が同じなので、勘違いして覚えてしまっているのが原因です。正しい日本語は「見出す」なので間違えないように注意しましょう。

ではなぜ「見い出す」が間違った言葉かというと、「見い出す」は「見い」に「出す」が合わさった言葉なのではなく、「見」に「出す(いだす)」が合わさった言葉なというのが理由です。したがって、「見出す」が正しい日本語になります。

また、「見い出す」は「思い出す」や「洗い出す」と混同して「い」を加えそうになりますが、「思い出す」は「思い」と「出す」、「洗い出す」は「洗い」と「出す」なので、「見い出す」とは異なった表現であると覚えておきましょう。

間違った言葉である「見い出す」の「出す」を使った別の例としては、「小鳥を鳥籠から出す」「競技大会に選手を出す」「車のスピードを出す」「燃えるゴミの日なのでゴミを出す」「お客さんを呼ぶために大声を出す」などがあります。

「見出す」の意味

「見出す」とは

「見出す」とは、多くの中から価値あるものを見つけ出すことを意味しています。

「見出す」の使い方

「見出す」を使った分かりやすい例としては、「最高の人材を見出すのがスカウトマンの仕事です」「色々なものに触れることによって人生の生き甲斐を見出すことができました」「この事態を回避する方法を見出す」などがあります。

「見出す」は見ることを意味する「見」に、その動作によって結果が外に現れることを意味する「出だす」が合わさり、多くの中から価値あるものを見つけ出すことの意味で使われている言葉です。

「見出す」は隠れているものを見つけた場合やあるものを見つけ出した場合など、日常生活だけはなく、ビジネスシーンなどの幅広い場面で使うことができます。

「見出す」の注意点

「見出す」を使う上で注意しなければならないのは、「出だす」は常用漢字表に載っていない言葉なので、公的な文章では使えないという点です。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。

常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。

そのため、「見出す」を公用文で使用する場合は、「見いだす」や「みいだす」を使用すると覚えておきましょう。

「見出す」の類語

「見出す」の類語・類義語としては、まだ知られていなかったものを見つけ出すことを意味する「発見」、探して見つけることを意味する「見つけ出す」、色々と探したり調べたりして目当てのものを見つけ出すことを意味する「探り当てる」などがあります。

「見い出す」の例文

1.「見い出す」という言葉は存在しないので、おそらく「見出す」の言い間違いだろう。
2.「見出す」という言葉は多くの中から価値あるものを見つけ出すことで、「見い出す」という言葉はない。
3.「見い出す」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.可愛い動物の動画に慰めを見い出すという言葉を使う人はいるが、正しくは可愛い動物の動画に慰めを見出すです。
5.コスト削減の解決策を見出すことが大切だろうという言葉はあるが、コスト削減の解決策を見い出すことが大切だろうという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「見出す」という言葉を間違えて「見い出す」と表現している時などが挙げられます。

「見い出す」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「見出す」を間違えて使っている可能性が高いです。

「見い出す」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「見い出す」ではなく、「見出す」と表現するのが正しい使い方になります。

「見出す」の例文

1.毎月の食費が多くかかっているので、削減する解決策を見出す必要があります。
2.彼は大勢のユース選手の中から見出され、プロサッカー選手になりました。
3.夫とは教育に対する考え方が異なるので、お互いの妥協点を見出す必要がありそうです。
4.とあるバンドのライブに人生の生き甲斐を見出すことができたので、欠かさず参加するようにしています。
5.危機的状況を回避する方法を見出すことができたので、大損しなくてすみました。

この言葉がよく使われる場面としては、多くの中から価値あるものを見つけ出すことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「見出す」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「見い出す」と「見出す」どちらを使うか迷った場合は、「見い出す」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「見出す」を使うようにしましょう。

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