似た意味を持つ「難点」(読み方:なんてん)と「欠点」(読み方:けってん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「難点」と「欠点」という言葉は、どちらも「悪いところ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
難点と欠点の違い
難点と欠点の意味の違い
難点と欠点の違いを分かりやすく言うと、難点とは改善すべき良くないところ、欠点とは補うべき足りないところという違いです。
難点と欠点の使い方の違い
一つ目の難点を使った分かりやすい例としては、「天動説には数多くの難点がありました」「便利な圧力鍋はとても重いのが難点です」「このゴム製品は耐久性に難点がある」「AI画像生成ツールの利点と難点を示す」などがあります。
二つ目の欠点を使った分かりやすい例としては、「欠点のない人間なんているのだろうか」「欠点を補うために工夫を施す」「あのイラストレーターの欠点は締切りを守らないことだ」「苦手な英語で欠点を取ってしまいそうです」などがあります。
難点と欠点の使い分け方
難点と欠点という言葉は、どちらも評価を悪くするようなところを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
難点とは、「圧力鍋は重いのが難点です」のような使い方で、扱うのに難しいところを意味します。また、「耐久性に難点がある」のような使い方で、「非難すべきところ」の意味でも使用されています。どちらかというと主観的な判断に基づいて、改善が必要だと感じる箇所に対して使用される言葉です。
欠点とは、「欠点のない人間」のような使い方で、足りないところや短所を意味します。また、「英語で欠点を取る」のような使い方で、必要な点数に足りないことも意味します。他と比較して劣っているポイントや、足りないので補うべきとされることに使用される言葉です。
つまり、難点とは改善が必要な良くない点であり、欠点とは補った方がよい足りない点を意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
難点と欠点の英語表記の違い
難点を英語にすると「difficult point」「objection」「crux」となり、例えば上記の「many difficulties」を英語にすると「数多くの難点」となります。
一方、欠点を英語にすると「disadvantage」「defect」「fault」となり、例えば上記の「欠点のない」を英語にすると「faultless」となります。
難点の意味
難点とは
難点とは、難しいところ、処理などの困難な点を意味しています。
その他にも、「非難すべきところ、欠点」の意味でも用いられています。
難点の読み方
難点の読み方は「なんてん」です。同じ読み方をする熟語に「何点」や「南天」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。
表現方法は「難点がある」「難点を挙げる」
「難点がある」「難点を挙げる」などが、難点を使った一般的な言い回しです。
難点の使い方
「操作性の難点は若干あります」「かぼちゃは硬くて切りづらいのが難点です」「難点の払拭は容易ではありません」「中国語発音の難点を克復するよう猛練習しています」などの文中で使われている難点は、「難しいところ」の意味で使われています。
一方、「誰しも弱点や難点があるものです」「彼女は優しいのですがお金の使い方に難点があります」「日本は英語力の測定に難点があると思います」などの文中で使われている難点は、「非難すべきところ」の意味で使われています。
難点とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。難点の「難」は訓読みで「むずかしい」と読み、たやすく処理できないことや欠点をせめ立てるこをを表す漢字です。
難点の特徴
難点という言葉は、物事や事柄の欠点や問題点を表し、改善が必要だと主観的に判断された事柄に対して使用されることが多くあります。そのため、ビジネスシーンよりも日常会話で使用される傾向にある言葉です。
難点の対義語
難点の対義語・反対語としては、良いところや長所を意味する「美点」、有利な点や好都合な点を意味する「利点」などがあります。
難点の類語
難点の類語・類義語としては、欠けて足りないことや不備な点を意味する「欠陥」、不完全な部分や好ましくない点を意味する「傷」、劣っていることや見劣りを意味する「遜色」、立場を不利にする条件を意味する「ハンディキャップ」などがあります。
欠点の意味
欠点とは
欠点とは、不十分なところ、足りないところ、短所、あらを意味しています。
その他にも、「学校の成績で必要な点数に足りないこと、落第点」の意味も持っています。
欠点の読み方
欠点の読み方は「けってん」です。誤って「けつてん」「けんてん」などと読まないようにしましょう。
欠点の使い方
「SNSの欠点は真偽の見分けが困難なことです」「彼は欠点だらけの男だが刑事としては優秀です」「コーヒーの欠点豆は甘味が全くありません」「実のところは欠点のある恋人たちばかりです」などの文中で使われている欠点は、「不十分なところ」の意味で使われています。
一方、「高校で欠点を取ったら留年になりますか」「数学が欠点科目にならないようにする」「テストの赤点と欠点の違いを説明してもらった」などの文中で使われている欠点は、「必要な点数に足りないこと」の意味で使われています。
欠点とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「不十分なところ」の意味で用いられています。欠点の「欠」は、あるべきものが足りないこと、こわれ落ちて足りなくなることを表す漢字です。
「欠点豆」の意味
欠点を用いた日本語には「欠点豆」があります。欠点豆とは、生豆に混入している質の劣った豆を意味し、未熟であったりカビが発生している豆などを指します。欠点豆は味に悪影響があるので、生産国では出荷前に選別して除去作業を行っています。
欠点の対義語
欠点の対義語・反対語としては、すぐれているところを意味する「長所」、利点や価値を意味する「メリット」などがあります。
欠点の類語
欠点の類語・類義語としては、不完全で不十分な箇所を意味する「弱点」、劣っているところや性格のよくない点を意味する「短所」、欠点や短所を意味する「デメリット」、弱点や弱みを意味する「ウィークポイント」などがあります。
難点の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、難しい点、扱いにくい箇所、非難すべき欠点を表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2にある難点は、「難しい点、扱いにくい箇所」の意味で用いられています。例文3から例文5の難点は、「非難すべき欠点」の意味で使用されています。
欠点の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、不完全で非難の対象となるような点、合格点に達しない点数を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある欠点は、「不完全で非難の対象となるような点」の意味で、例文5の欠点は「合格点に達しない点数」の意味で用いられています。
難点と欠点という言葉は、どちらも「悪いところ」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、改善すべきところを表現したい時は「難点」を、補うべきところを表現したい時は「欠点」を使うようにしましょう。