【結構です】と【構いません】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「結構です」(読み方:けっこうです)と「構いません」(読み方:かまいません)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「結構です」と「構いません」という言葉は、どちらも肯定することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「結構です」と「構いません」の違い

「結構です」と「構いません」の意味の違い

「結構です」と「構いません」の違いを分かりやすく言うと、「結構です」とは肯定でも否定の意味でも使える、「構いません」とは肯定の意味でしか使えないという違いです。

「結構です」と「構いません」の使い方の違い

一つ目の「結構です」を使った分かりやすい例としては、「この作品が気に入っているのでお値段はいくらでも結構です」「印鑑がないのでしたらサインで結構です」「もうこれ以上は結構です」「お腹いっぱいになったので結構です」などがあります。

二つ目の「構いません」を使った分かりやすい例としては、「いくらかかっても構いませんので修理をお願いします」「先に帰ってしまっても構いません」「くつろいでもらって構いません」「それはフランス語で書かれていも構いません」などがあります。

「結構です」と「構いません」の使い分け方

「結構です」と「構いません」はどちらも肯定する意味で使える言葉ですが、使い方に少し違いがあります。

「結構です」はそれで良いことという肯定の意味だけではなく、それ以上必要としないことという否定の意味でも使えるのに対して、「構いません」は差し支えがないことという肯定の意味でしか使えないのが一番の違いです。

「結構です」と「構いません」の英語表記の違い

「結構です」を英語にすると「no thank you」「it’s OK」「that’s fine」となり、例えば上記の「お腹いっぱいになったので結構です」を英語にすると「Oh, no thank you. I’m getting full」となります。

一方、「構いません」を英語にすると「no problem」「don’t worry about it」「it doesn’t matter」となり、例えば上記の「それはフランス語で書かれていも構いません」を英語にすると「It doesn’t matter if that is written in French」となります。

「結構です」の意味

「結構です」とは

「結構です」とは、それで良いことを意味しています。その他にも、それ以上必要としないことの意味も持っています。

「結構です」の使い方

「お時間はいくら掛かっても結構です」「そのお値段で結構です」などの文中で使われている「結構です」は、「それで良いこと」の意味で使われています。

一方、「直接向かいますのでお出迎えは結構です」「十分間に合っているので結構です」「私達が直しますのでそのままの状態で結構です」などの文中で使われている「結構です」は、「それ以上必要としないこと」の意味で使われています。

「結構です」の一番の特徴は、それで良いことという肯定の意味と、それ以上必要としないことという否定の意味を持っており、肯定と否定どちらの意味でも使うことができることです。

「結構です」は二つの意味が正反対なため、会話の中で相手がどちらの意味で使っているかを理解することが大切になっています。

「結構です」は敬語として目上の人には使えない

「結構です」はビジネスシーンにおいても使える言葉ですが、一般的に同等の立場の人や目下の人に対して使う言葉になります。間違っても、上司や取引先などの目上の人に対しては使わないようにしましょう。

また、否定の意味で「結構です」を使う場合は相手に冷たい印象を与えるため、十分に注意して使うことが必要です。

「結構です」の類語

「結構です」の類語・類義語としては、辞退したいことを意味する「遠慮したい」、あれこれと気を遣わないくていいことを意味する「お気遣いなく」、相手の申し出などに応じられないことを告げることを意味する「断る」などがあります。

「構いません」の意味

「構いません」とは

「構いません」とは、差し支えがないことを意味しています。

「構いません」の使い方

「構いません」を使った分かりやすい例としては、「連絡方法はLINEと電話どちらでも構いません」「こちらのお料理を撮影しても構いませんか」「費用はいくらでも構わないので使いやすい機種を購入したいです」「私としてはどちらのお店でも構いません」などがあります。

「構いません」は差し支えないことや気にしないことを意味する「構わない」を丁寧にした言葉になります。

「構いません」は敬語として目上の人には使えない

「構いません」はビジネスシーンにおいても使える言葉ですが、一般的に同等の立場の人や目下の人に対して使う言葉です。間違っても、上司や取引先などの目上の人に対しては使わないようにしましょう。

「構いません」の目上の人への言い換え語

目上の人に対して使いたい場合は「差し支えありません」や「問題ありません」などのフレーズを使うのが無難です。

表現方法は「お答えできる範囲で構いません」「ご都合のよろしい時で構いません」

「お答えできる範囲で構いません」「ご都合のよろしい時で構いません」「ご存じの範囲で構いません」などが、「構いません」を使った一般的な言い回しになります。

「構いません」の類語

「構いません」の類語・類義語としては、差し支えがないことを意味する「支障ありません」、困った事柄がないことを意味する「問題ありません」、間違いなくて確かなことを意味する「大丈夫です」などがあります。

「結構です」の例文

1.こちらの書類は印鑑は要らないので、サインのみで結構です。
2.チームの連携は非常のいいと思うので、今のままで結構です。この調子でいけば優勝も見えてくるはず。
3.こちらはいつでも空いているので、そちらのご都合に合わせていただいて結構です。
4.まだやらなきゃいけないことがあるので私は結構です。気にせずやっててください。
5.用事が済んだらすぐ帰りますので、お茶は結構です。
6.いくら来客がお気遣いは結構ですといったとしても、高級なお菓子とお茶くらいビシッと出さないと貧乏くさい家だと思われるのが嫌だったのだ。
7.宅配便の配達員に「印鑑がない場合はサインでも結構です。」といわれたのでペンを使おうとしたらタッチパネルでサインを書いてくださいと言われて昨今のテクノロジーの発展に驚いてしまった。
8.これで最後と決めたオーディションでは、演技の最中に「もう結構です。」とプロデューサーから言われてもはや不合格を確信していたが、その後合格の連絡があって飛び上がるほど喜んだのだった。
9.あそこのお金持ちのおじさんは、欲しいものは絶対に手に入れる性分らしく、店員にお値段ならいくらでも結構ですといって爆買いしているらしいよ。
10.あの方は忙しいので返信は結構ですと記しておいたが、わざわざメールにて丁寧なメッセージを送っていただいたのでとても感銘を受けている。

この言葉がよく使われる場面としては、それで良いことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、それ以上必要としないことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「結構です」はそれで良いことの意味で使っており、例文4と例文5の「結構です」はそれ以上必要としないことの意味で使っています。

「構いません」の例文

1.その日でしたらいつでも構いませんので、ご都合の良い時間帯にお越しください。
2.残業で家に帰るのが遅くなりそうなので、先にご飯を食べてしまっても構いません。
3.こちらのは駐車場はたくさんありますので、お車でお越しになっても構いません。
4.見て頂くだけでも構いませんので、どうぞお手に取って自由にご覧ください。
5.この腕時計はとても大切なものなので、直るのであればいくらかかっても構いません。
6.レコードを当初は10万円台で売る予定だったが、査定に出したところ残念ながら希望価格を下回ってしまったが、わたしは店員に構いませんといってその額で了承した。
7.書類に関しては郵送する予定だったが、メールにファイルを添付しても構いませんとのことだったので、利便性と効率を考えてメールで送ることにした。
8.大企業のように経費はいくらかかっても構いませんなんて一度でも言われてみたいよなどと中小企業に勤める友人はどうやら羨ましがっていたようだった。
9.作業して散らかった現場をちゃんと片付けていたら、社員さんに適当でも構いませんよと言われたので、すぐに切り上げて仕事を終えることにしたのだった。
10.わたしの大ファンだという学生があなたに会うことが出来たからもう学校が退学になっても構いませんなどというものだから、そんな一時の感情だけで退学しちゃダメだと諭したのだった。

この言葉がよく使われる場面としては、差し支えがないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように肯定の意味でしか使えない言葉になります。

「結構です」と「構いません」どちらの言葉を使うか迷った場合、「結構です」は肯定の意味でも否定の意味でも使える、「構いません」は肯定の意味でしか使えないと覚えておきましょう。

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