【目を通す】と【読む】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「目を通す」(読み方:めをとおす)と「読む」(読み方:よむ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「目を通す」と「読む」という言葉は、どちらも見ることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「目を通す」と「読む」の違い

「目を通す」と「読む」の意味の違い

「目を通す」と「読む」の違いを分かりやすく言うと、「目を通す」はさっと見ること、「読む」はじっくりと見ることという違いです。

「目を通す」と「読む」の使い方の違い

一つ目の「目を通す」を使った分かりやすい例としては、「夕刊にざっと目を通す」「友人からもらった手紙に目を通す」「高校からのお便りにアイスを食べながら目を通す」「書類にざっと目を通す」などがあります。

二つ目の「読む」を使った分かりやすい例としては、「子供におとぎ話を読む」「探偵小説があまりに面白いので夢中になって読む」「彼の字は汚くて読むのが難しいです」「彼女の自叙伝を読むとまるで冒険小説のようだ」などがあります。

「目を通す」と「読む」の使い分け方

「目を通す」と「読む」は見ることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「目を通す」は一通り見ることを意味しており、じっくり見るのではなくさっと見る場合に使う言葉になります。

一方、「読む」は文字や文章などを見てその意味や内容を理解することを意味しており、じっくりと見て内容を理解する場合に使うというのが違いです。

「目を通す」と「読む」の英語表記の違い

「目を通す」を英語にすると「eyes through」「read quickly through」となり、例えば上記の「書類にざっと目を通す」を英語にすると「run one’s eyes through the papers」となります。

一方、「読む」を英語にすると「read」となり、例えば上記の「彼女の自叙伝を読むとまるで冒険小説のようだ」を英語にすると「Her autobiography reads like an adventure story」となります。

「目を通す」の意味

「目を通す」とは

「目を通す」とは、一通り見ることを意味しています。

「目を通す」の漢字表記

「目を通す」を「眼を通す」と表記するのは誤用なので、間違えないように注意しましょう。

「目を通す」の使い方

「目を通す」を使った分かりやすい例としては、「通勤電車の中で新聞にざっと目を通す」「説明書に目を通すものの使い方がよく分かりませんでした」「学校からのお便りに軽く目を通す」「打ち合わせの前に書類に目を通す」などがあります。

「目を通す」は一通り見ることを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「目を通す」は細かいところまでじっくりと見るのではなく、さっと見て大体の内容を把握する場合に使う言葉です。

「目を通す」は目上の人に対して使えない

「目を通す」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉ですが、目上の人に対して使うことはできません。なぜなら、一通り見るやさっと見ることを表しているので、目上の人に対してつかうのは失礼に当たるからです。

そのため、基本的に立場が同等の人や、目下の人に対して使うようにしましょう。

「目を通す」の類語

「目を通す」の類語・類義語としては、全体に渡って一通り目を通すことを意味する「通覧する」、一度読むことを意味する「一読する」などがあります。

「読む」の意味

「読む」とは

「読む」とは、文字や文章などを見てその意味や内容を理解することを意味しています。その他にも、文字で書かれたものを一字一字声に出して言うこと、外面を見てその隠された意味や将来などを推察すること、数を数えることの意味も持っています。

「読む」の漢字表記

「読む」は別の漢字表記として、「詠む」と表記することも可能です。

「読む」の使い方

「グラフから業績読むことは可能です」「子供を寝かせるために本を読む」などの文中で使われている「読む」は、「文字や文章などを見てその意味や内容を理解することや文字で書かれたものを一字一字声に出して言うこと」の意味で使われています。

一方、「来春の流行ファッションを読む」「彼は鯖を読むのが上手です」などの文中で使われている「読む」は、「外面を見てその隠された意味や将来などを推察することや数を数えること」の意味で使われています。

「読む」は文字や文章などを見てその意味や内容を理解することを意味する動詞です。そのため、さっと見るのではなく、じっくりと見て内容を理解する場合に使う言葉になります。

また、「読む」は文字で書かれたものを一字一字声に出して言うこと、外面を見てその隠された意味や将来などを推察すること、数を数えることなどの複数の意味を持つ言葉です。意味によって使い方が異なっているので、その場に適して意味を使うようにしましょう。

「読む」の類語

「読む」の類語・類義語としては、書物などで調べて真実を明らかにすることを意味する「紐解く」、本を読むことを意味する「読書」、書物や書などの内容を調べながら読むことを意味する「閲覧」、言葉や文章の意味を解きほぐして明らかにすることを意味する「解釈」などがあります。

「目を通す」の例文

1.友人から旅行の詳細のLINEが送られてきたので目を通す。
2.朝食を食べながら新聞に目を通すのが、私の毎朝のルーティーンです。
3.日程表に目を通すことで、当日のスケジュールを確認するよう部下に促す。
4.こちらの書類は各自目を通す必要があり、業務に支障がのないようにしてください。
5.打ち合わせに向かう前に、もう一度書類に目を通すことにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、一通り見ることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「目を通す」は目上の人に対しては使うことができない言葉です。

「読む」の例文

1.私の趣味は小説を読むことですが、特に好きなジャンルはミステリー小説です。
2.統計データを読む力は、ビジネスにおいて必要不可欠だと思います。
3.お坊さんがお経を読むのを、正座して聞いていました。
4.格闘ゲームにおいては、対戦相手の心を読むことは重要だと思います。
5.彼女は鯖を読むことが多く、初対面の相手に年齢を3歳も若く言います。

この言葉がよく使われる場面としては、文字や文章などを見てその意味や内容を理解することを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、文字で書かれたものを一字一字声に出して言うこと、外面を見てその隠された意味や将来などを推察すること、数を数えることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は文字や文章などを見てその意味や内容を理解すること、例文3は文字で書かれたものを一字一字声に出して言うこと、例文4は外面を見てその隠された意味や将来などを推察すること、数を数えることの意味で使っています。

「目を通す」と「読む」はどちらも見ることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、さっと見ることを表現したい時は「目を通す」を、じっくり見ることを表現したい時は「読む」を使うと覚えておきましょう。

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