似た意味を持つ「プロローグ」と「エピローグ」と「モノローグ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「プロローグ」と「エピローグ」と「モノローグ」という言葉は、文学作品などのシーンを指すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
プロローグとエピローグとモノローグの違い
プロローグとエピローグとモノローグの意味の違い
プロローグとエピローグとモノローグの違いを分かりやすく言うと、プロローグは序章を表現する時に使い、エピローグは終章を表現する時に使い、モノローグは独白を表現する時に使うという違いです。
プロローグとエピローグとモノローグの使い方の違い
プロローグという言葉は、「プロローグを見て読むのをやめてしまった」「映画のプロローグは観客の心を掴む重要な場面だと思う」などの使い方で、作品の意図などを暗示する前置きの部分を意味します。
エピローグという言葉は、「大どんでん返しのエピローグに観客は大絶賛であった」「エピローグで語られた内容がよくわからず読み返す必要があると思った」などの使い方で、小説や演劇などの終わりの部分を意味します。
モノローグという言葉は、「モノローグがなくとも演者の細かな演技が感情を物語っている」「モノローグ中に他の登場人物がピタッと止まっているのが面白い」などの使い方で、演劇や映画などで登場人物が自身の心の内を話すセリフを意味します。
プロローグとエピローグとモノローグの使い分け方
プロローグとエピローグは、小説や映像作品などで使われる言葉で、前者は始まりを、後者は終わりを表すため、対義語・反対語に当たる言葉となります。
これが転じて、その物事自体のはじまりや発端であったり、終わりをそれぞれ表すための言葉としても使われています。
一方のモノローグという言葉も演劇作品などにおいて使われ、登場人物が一人で心境などを語る場面や、その台詞を指します。
これが、プロローグ、エピローグ、モノローグの明確な違いです。
プロローグの意味
プロローグとは
プロローグとは、作品の意図などを暗示する前置きの部分を意味しています。
英語にすると「Prologue」という表記になりますが、「pro」が前という意味を、「logue」が話しや言葉という意味をそれぞれ持っています。
プロローグの語源
古代ギリシアには「コロス」という踊りの場を意味する言葉がありましたが、しばらくしてその言葉は市民の冠婚葬祭にて歌われる合唱歌などを指すようになりました。
コロスは今日でいう「コーラス」の語源となる言葉ですが、古代ギリシアの劇にて歌われたコロスに先立つ部分を指す言葉として「プロロゴス」という言葉が使われていました。これがプロローグの語源です。
後に、その演劇を理解するために必要な世界観などの情報や、内容の予告、登場人物の胸中などのセリフに対してプロローグという言葉を使うようになり、それが転じて、物事自体のはじまりを意味するようにもなりました。
プロローグの類語
プロローグの類語・類義語としては、物事の始まりを意味する「幕開け」、導入や採用、序説を意味する「イントロダクション」、本論への導入部分として最初に述べられる論説を意味する「序論」、事の起こりを意味する「発端」などがあります。
エピローグの意味
エピローグとは
エピローグとは、小説や演劇などの終わりの部分を意味しています。
また、劇の最後に俳優が観客に向かって述べる納め口上も指します。これらのことから、演劇や小説などの結びの部分だけでなく、物事自体の結末も意味するようになりました。
英語にすると「Epilogue」という表記になりますが、「epi」には上を表す言葉として使われています。そのため、エピローグは、話の上に重ねて語られることを意味する言葉となります。
ギリシア語で「プロロゴス」と言われるプロローグ同様に、エピローグもギリシア語にすると「エピロゴス」となります。
演劇においては登場人物一人がその役もしくは作者の代弁を行い、舞台上から観客に向かって語る納めの言葉を表しますが、文学においては物語の最終章が該当しますが、結末だけが描写されるわけではなく、本編終了後の登場人物らが描かれることもあります。
また、物語を終えて作者が自身の言葉として残した文章はエピローグではなく、あとがきと言います。
エピローグの類語
エピローグの類語・類義語としては、物事の終わりを意味する「エンディング」、物事の結末がつくことを意味する「終局」、物事の締めくくりの部分を意味する「フィナーレ」、全てがめでたく収まる結末を意味する「大団円」などがあります。
モノローグの意味
モノローグとは
モノローグとは、演劇や映画などで登場人物が自身の心の内を話すセリフを意味しています。
英語表記にすると「Monolog」や「Monologue」となり、独白や独り言を意味します。誰かと対話をしないことでモノローグとして成立しますが、演劇や映画でいう観客といった伝える相手を必要とします。
文学作品の中でも演劇や映画の戯曲、脚本においては、相手なしに一人で独立したセリフを言う演出や表現を指し、「独演劇」や「モノドラマ」、「一人芝居」を指すこともあります。
舞台上に姿は見えておらず、声だけが聞こえて、まるで天や神から語り掛けるような演出もモノローグに該当します。
また、他の登場人物がいるものの、その人物には聞こえておらず、観客らに向かって語り掛けるセリフは「傍白」(読み方:ぼうはく)や「脇台詞」と言われています。
モノローグの対義語
モノローグの対義語・反対語としては、映画やドラマなどの脚本における対話のセリフを意味する「ダイアローグ」があります。
モノローグの類語
モノローグの類語・類義語としては、一人で物を言うことを意味する「独り言」、思っていたことなどを打ち明けることを意味する「告白」、心中を隠さずに打ち明けることを意味する「吐露」、大勢の前で一人が話すことを意味する「独話」などがあります。
プロローグの例文
この言葉がよく使われる場面としては、作品の意図などを暗示する前置きの部分を意味する時などが挙げられます。
例文1と例文2のプロローグは、序章や序説などの言葉に置き換えて使うことができます。
エピローグの例文
この言葉がよく使われる場面としては、小説や演劇などの終わりの部分を意味する時などが挙げられます。
例文3の「エピローグ・レター」とは、契約者にもしものことがあった場合にメッセージや写真データを受取人に届ける、保険会社のサービスです。
今日では、エピローグという言葉に人生の終わりという意味を持たせて使うこともあります。
モノローグの例文
この言葉がよく使われる場面としては、演劇や映画などで登場人物が自身の心の内を話すセリフを意味する時などが挙げられます。
例文3の「ソリロキー」と「アサイド」は、モノローグの類語・類義語に当たりますが、これら二つはモノローグに含まれています。
プロローグとエピローグとモノローグどれを使うか迷った場合は、序章を表す場合は「プロローグ」を、終章を表す場合は「エピローグ」を、独白を表す場合は「モノローグ」を使うと覚えておけば間違いありません。