【見守る】と【見張る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「見守る」(読み方:みまもる)と「見張る」(読み方:みはる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「見守る」と「見張る」という言葉は、どちらも注視することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「見守る」と「見張る」の違い

「見守る」と「見張る」の意味の違い

「見守る」と「見張る」の違いを分かりやすく言うと、「見守る」は愛情表現がある、「見張る」は愛情表現がないという違いです。

「見守る」と「見張る」の使い方の違い

一つ目の「見守る」を使った分かりやすい例としては、「私たちが出来るのはその成り行きを見守るだけです」「彼女の成長を見守る」「事業の発展を見守ることにしました」「子供たちの成長を温かく見守る」などがあります。

二つ目の「見張る」を使った分かりやすい例としては、「万引きGメンが万引きがないか見張る」「目を見張るような光景が広がっていました」「屈強な男性が門の前を見張る」「警察が容疑者の自宅を見張っている」などがあります。

「見守る」と「見張る」の使い分け方

「見守る」と「見張る」はどちらも注視することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「見守る」は無事であるように注意しながら見ることを意味しており、目的は監視ではなく対象となる人間の成長や安全を願って愛情を込めた視線を注ぐ場合に使います。つまり、愛情表現があるのです。

一方、「見張る」は注意深く目を配って監視することを意味しており、対象を危険と認知して監視する場合に使います。つまり、愛情表現がありません。

したがって、愛情表現があるのが「見守る」、愛情表現がないのが「見張る」というのが違いです。

「見守る」と「見張る」の英語表記の違い

「見守る」も「見張る」も英語にすると「watch」「stake out」となり、例えば上記の「警察が容疑者の自宅を見張っている」を英語にすると「The police have staked out the suspect’s house」となります。

「見守る」の意味

「見守る」とは

「見守る」とは、無事であるように注意しながら見ることを意味しています。その他にも、目を離さずにじっと見ることの意味も持っています。

表現方法は「そっと見守る」「温かく見守る」「優しく見守る」

「そっと見守る」「温かく見守る」「優しく見守る」などが、「見守る」を使った一般的な言い回しになります。

「見守る」の使い方

「部下の成長を見守ることにしました」「今後の業界の発展を見守る」などの文中で使われている「見守る」は、「無事であるように注意しながら見ること」の意味で使われています。

一方、「固唾を飲んで画面見守る」「人の顔をじっと見守る」などの文中で使われている「見守る」は、「目を離さずにじっと見ること」の意味で使われています。

「見守る」は無事であるように注意しながら見ることと、目を離さずにじっと見ることの二つの意味を持つ動詞ですが、どちらの意味で使われています。

「見守る」の特徴

「見守る」は愛情を注ぐというニュアンスがあるというのが特徴です。分かりやすく言うならば、目的は監視ではなく対象となる人間の成長や安全を願って愛情を込めた視線を注ぐ場合に使います。

「見守る」の類語

「見守る」の類語・類義語としては、対象から目をそらさずにじっと見つづけることを意味する「見つめる」、じっと見つめることを意味する「見据える」、 物事の状態や変化を客観的に注意深く見ることを意味する「観察する」などがあります。

「見張る」の意味

「見張る」とは

「見張る」とは、注意深く目を配って監視することを意味しています。その他にも、目を大きく開いて見ることの意味も持っています。

表現方法は「目を見張る」「厳重に見張る」

「目を見張る」「厳重に見張る」などが、「見張る」を使った一般的な言い回しになります。

「見張る」の使い方

「敵の行動を見張る」「スピード違反の車を見張る」などの文中で使われている「見張る」は、「注意深く目を配って監視すること」の意味で使われています。

一方、「驚いて目を見張る」「彼女は目を見張る美しさを持っています」などの文中で使われている「見張る」は、「目を大きく開いて見ること」の意味で使われています。

「見張る」は注意深く目を配って監視すること、目を大きく開いて見ることの二つの意味を持つ動詞ですが、どちらの意味でも使われています。

「見張る」を注意深く目を配って監視することの意味で使う場合は、対象を危険と認知して監視する場合に使います。また、監視というニュアンスで使うので愛情表現はありません。

「見張る」は様々な場面で使える

「見張る」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンなどの様々な場面で使うことができます。

「見張る」の類語

「見張る」の類語・類義語としては、目を大きく開けることを意味する「見開く」、警戒して見張ることを意味する「監視」、危険や災害に備えてあらかじめ注意し用心することを意味する「警戒」などがあります。

「見守る」の例文

1.子供の成長を静かに見守るのが、親の務めだと思っています。
2.娘が彼氏のためにお弁当を作ると言い始めたので、温かく見守ることにしました。
3.彼の先輩として、事の成り行きを静かに見守ることにしました。
4.プロジェクトの発展を見守ることにしました。
5.ワールドカップの決勝戦を固唾を呑んで見守ることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、無事であるように注意しながら見ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、目を離さずにじっと見ることを表現したい時にも使います。

例文1から例文4の「見守る」は無事であるように注意しながら見ること、例文5の「見守る」は目を離さずにじっと見ることの意味で使われています。

「見張る」の例文

1.被疑者が怪しい行動をしないか、自宅を見張ることにしました。
2.浮気の疑いがある夫を見張るために、探偵を雇うことにしました。
3.SPが門前を見張るので、正面からの侵入は難しいだろう。
4.彼女のステージはどれも目を見張るものだったので、人気なのも頷ける。
5.彼の最近の活躍には目を見張るものがあるので、昇進を考えています。

この言葉がよく使われる場面としては、注意深く目を配って監視することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、目を大きく開いて見ることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「見張る」は注意深く目を配って監視すること、例文4と例文5の「見張る」は目を大きく開いて見ることの意味で使っています。

「見守る」と「見張る」はどちらも注視することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、愛情表現があるのが「見守る」、愛情表現がないのが「見張る」と覚えておきましょう。

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