【趣味】と【娯楽】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「趣味」(読み方:しゅみ)と「娯楽」(読み方:ごらく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「趣味」と「娯楽」という言葉は、どちらも「楽しみ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




趣味と娯楽の違い

趣味と娯楽の意味の違い

趣味と娯楽の違いを分かりやすく言うと、趣味とは個人的な楽しみを表し、娯楽とは大衆的な楽しみを表すという違いです。

趣味と娯楽の使い方の違い

一つ目の趣味を使った分かりやすい例としては、「私の趣味はイラストを描くことです」「年を重ねるにつれて趣味嗜好が変わります」「履歴書の趣味・特技の欄に書くことがありません」「大人になっても少女趣味から抜け出せません」などがあります。

二つ目の娯楽を使った分かりやすい例としては、「娯楽番組のなかでもアニメが大好きです」「駅前の娯楽施設はいつも若者で賑わっています」「地方は娯楽が少ないのでつまらないです」「高齢者が好む娯楽にはテレビやラジオがあります」などがあります。

趣味と娯楽の使い分け方

趣味と娯楽という言葉は、どちらも楽しさを求める行為を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

趣味とは、仕事や職業としてではなく、個人が楽しみとして好んですることを意味します。手芸やスポーツあるいは音楽鑑賞など、楽しむために習慣的に行うことが趣味です。また、「少女趣味」のような使い方で、センスや嗜好を表すこともあります。

娯楽とは、仕事や勉強の合間に、余暇として楽しむ事柄を意味します。一般的に誰でも楽しめることに対して使われる言葉であり、娯楽は大衆的な遊びや楽しみと言えます。娯楽業とは、大勢の人々が楽しむための施設の運営やサービスを提供をする業種です。

つまり、趣味とは個人的な楽しみや嗜好を意味し、娯楽とは大衆的な楽しみやサービスを意味する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

趣味と娯楽の英語表記の違い

趣味を英語にすると「hobby」「taste」「interest」となり、例えば上記の「私の趣味」を英語にすると「my hobby」となります。一方、娯楽を英語にすると「entertainment」「recreation」「amusement」となり、例えば上記の「娯楽番組」を英語にすると「entertainment program」となります。

趣味の意味

趣味とは

趣味とは、 仕事・職業としてでなく、個人が楽しみとしてしている事柄を意味しています。

その他にも、「どういうものに美しさやおもしろさを感じるかという、その人の感覚のあり方、好みの傾向」「物事のもっている味わい、おもむき、情趣」の意味も持っています。

趣味の使い方

「趣味の園芸でリフレッシュしています」「お金がかからない趣味一覧をチェックする」「趣味を極めて自由に生きろ」「リタイア後は趣味人として生きたい」「つたない英語で自分の趣味を伝える」などの文中で使われている趣味は、「個人が楽しみとしてしている事柄」の意味で使われています。

一方、「それぞれが多様な趣味嗜好をもつ時代になっています」「悪趣味ないたずらは止めなさい」などの文中で使われている趣味は「その人の感覚のあり方や好みの傾向」の意味で、「夕暮れ時は一種の趣味がある」の文中で使われている趣味は「物事のもっている味わい」の意味で使われています。

趣味とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。趣味の「趣」は訓読みで「おもむき」と読み、心の向かうところや味わいを表し、「味」は物事の面白みを十分に感じ取ることを表します。

表現方法は「趣味嗜好」

趣味を用いた日本語には「趣味嗜好」(読み方:しゅみしこう)があります。趣味嗜好とは、個人が好きでたしなんでいることを意味し、好みの傾向やセンスなどをひっくるめた表現です。「嗜好」は、ある物を特に好み、それに親しむことを表します。

趣味の対義語

趣味の対義語・反対語としては、生計を立てる手段として従事する事柄を意味する「仕事」などがあります。

趣味の類語

趣味の類語・類義語としては、本業以外のことに熱中して楽しむことを意味する「道楽」、ある物を特に好みそれに親しむことを意味する「嗜好」、その事が好きで楽しむことを意味する「愛好」、趣味や道楽を意味する「ホビー」などがあります。

娯楽の意味

娯楽とは

娯楽とは、仕事や勉学の余暇にする遊びや楽しみ、また、楽しませることを意味しています。

娯楽の使い方

娯楽を使った分かりやすい例としては、「浮世絵は江戸時時代の大衆娯楽でした」「SNSで娯楽情報を中心に配信しています」「娯楽業とはどのような業種ですか」「このゲームは娯楽として楽しみながら英語も習得できます」などがあります。

その他にも、「急成長する娯楽産業を担う人材を育成する」「ビジネスホテルのすぐ近くに娯楽街がありました」「飲み代は娯楽費とはならないだろう」「娯楽施設が充実している街ランキングをチェックする」などがあります。

娯楽の「娯」は訓読みで「たのしむ」と読み、心を愉快にして興じることを表す漢字です。気持ちが満ち足りていることを表す「楽」と結びつき、娯楽とは、生活のための労働事や勉学などの余暇に、くつろいでする遊びや楽しみを意味します。

表現方法は「娯楽施設」

娯楽を用いた日本語には「娯楽施設」があります。娯楽施設とは、人々が楽しむための施設やサービスを提供する施設を意味します。娯楽施設には、映画館やゲームセンター、カラオケボックスやパチンコ店などが挙げられます。

娯楽の対義語

娯楽の対義語・反対語としては、学問に励むことを意味する「勉学」、生産に向けられる人間の努力ないし活動を意味する「労働」などがあります。

娯楽の類語

娯楽の類語・類義語としては、遊びたわむれることを意味する「遊戯」、娯楽としての遊びを意味する「遊技」、他の物事に心を向けて気分を晴らすことを意味する「気晴らし」、仕事や勉強の疲れをいやすための休養や気晴しを意味する「レクリエーション」などがあります。

趣味の例文

1.楽しみながら健康になれるウォーキングは、趣味がない人にオススメです。
2.マジで趣味がないと悩んでいる夫に、私の仕事が減るように料理をすすめています。
3.お金のかからない趣味一覧からランニングを選んで、今週末から始めることにしました。
4.ダイエットに関心がある大人女子は、ホットヨガを趣味にするとよいでしょう。
5.英語の先生は悪趣味なのか、いつも時代遅れのダサい服を着ています。

この言葉がよく使われる場面としては、職業や専門としてでなく楽しみとして愛好するもの、物事の味わいやおもしろみを感じ取る能力、物事のもっているおもしろみを表現したい時などが挙げられます。

例文5の「悪趣味」とは、品の悪い趣味や、そのような趣味を持っている状態を意味します。また、人の嫌がることを平気でやることの意味でも使用される言葉です。

娯楽の例文

1.字幕付きの娯楽映画は、楽しみながら英語の勉強ができるので一石二鳥です。
2.商業施設や娯楽施設が充実している街は、特に若い夫婦に人気があります。
3.田舎暮らしは気が休まるけれど、娯楽の種類が少ないのが玉にキズである。
4.子供の成長には遊びが重要で、大人のリフレッシュには娯楽が必要です。
5.年代別の娯楽ランキングをみると、どの年代も映画が大人気であることがわかります。

この言葉がよく使われる場面としては、人の心を仕事から解放してくれる楽しみや遊びを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある娯楽と遊びの違いは、娯楽は受動的なものであるのに対し、遊びは自発的なものであることです。また、娯楽は非日常の要素が強く、遊びは日常的な活動であることも、二つの言葉の違いになります。

趣味と娯楽という言葉は、どちらも「楽しみとしてするもの」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、個人的な楽しみを表現したい時は「趣味」を、大衆的な楽しみを表現したい時は「娯楽」を使うようにしましょう。

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