【新規巻き返し】と【新規蒔き直し】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「新規巻き返し」(読み方:しんきまきかえし)と「新規蒔き直し」(読み方:しんきまきなおし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「新規巻き返し」と「新規蒔き直し」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「新規巻き返し」と「新規蒔き直し」の違い

「新規巻き返し」は「新規蒔き直し」の間違い

「新規巻き返し」と「新規蒔き直し」の違いを分かりやすく言うと、「新規巻き返し」とは「新規蒔き直し」の間違った使い方、「新規蒔き直し」とは元に戻ってもう一度新しくやり直すことです。

「新規巻き返し」は誤字

一般的には「新規巻き返し」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「新規蒔き直し」のことを間違えて「新規巻き返し」を使っている人がほとんどです。

「新規蒔き直し」は正しい日本語

正しい言葉である「新規蒔き直し」を使った分かりやすい例としては、「この年になって新規蒔き直しは辛いです」「地方の小さな村で新規蒔き直しの生活を始めたい」「社長を交代して新規蒔き直しを図る」などがあります。

「新規蒔き直し」という言葉はあっても、「新規巻き返し」という言葉は存在しません。同時に「新規蒔き直し」という慣用句の意味について「元に戻ってもう一度新しくやり直すこと」と覚えておきましょう。

「新規蒔き直し」の英語表記

「新規蒔き直し」を英語にすると「fresh start」となり、例えば上記の「社長を交代して新規蒔き直しを図る」を英語にすると「make a fresh start by changing the president」となります。

「新規巻き返し」の意味

「新規巻き返し」とは

「新規巻き返し」とは、「新規蒔き直し」の間違った使われ方です。

「新規巻き返し」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「新規蒔き直し」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「新規巻き返し」と間違えやすい理由

「新規巻き返し」と「新規蒔き直し」を間違えてしまう理由としては、「かえし」と「なおし」の発音が似ているため、混同して覚えてしまっていることが原因になります。

ではなぜ「新規巻き返し」が間違いかというと、「巻き返し」は劣勢から態勢を立て直して反撃することを意味しているので、新しく事をすることを意味する「新規」と組み合わせるとおかしな意味になってしまうからです。

もし、「巻き返し」という言葉を使いたいのであれば、「新規」を使わずに「巻き返しを図る」や「巻き返しに出る」などが適切でしょう。

「新規巻き返し」は間違った日本語ではあるのですが、文化庁が発表した令和元年度に行われた国語に関する世論調査では、正しい使い方である「新規蒔き直し」を使う人が42.7%、間違った使い方である「新規巻き返し」を使う人が44.4%という逆転した結果が出ています。

上記のことから「新規巻き返し」は間違った日本語であるものの、広く一般的に使われているのが分かります

「新規蒔き直し」の意味

「新規蒔き直し」とは

「新規蒔き直し」とは、元に戻ってもう一度新しくやり直すことを意味しています。

「新規蒔き直し」の使い方

「新規蒔き直し」を使った分かりやすい例としては、「ファンの方々には大変ご迷惑をおかけしたので新規蒔き直しを図る所存です」「大企業の派閥争いに疲れてしまったので小さな企業で新規蒔き直しの生活を始めたい」「中々成果が上がらないので経営陣を一新し新規蒔き直しを図る」などがあります。

「新規蒔き直し」の由来

「新規蒔き直し」の「蒔き直し」は、一度蒔いた種子を改めて蒔くことを意味しています。これが転じて、物事をを始めからやり直すことという意味で使われるようになりました。

「新規蒔き直し」は公用文では使えない

一つ注意しなければならないのが、「新規蒔き直し」の「蒔」という漢字が常用漢字ではないため、法令や新聞などの公用文で使用することができません。そのため、公的な書類で使う場合は、「蒔き」を平仮名にした「新規まき直し」とするのがいいでしょう。

「新規巻き直し」は誤り

また、「巻き」という漢字を使って「新規巻き直し」とするのは誤りです。上記にも書いてある通り、「新規蒔き直し」の語源は一度蒔いた種子を改めて蒔くことが転じたことなので、「蒔き」を使うことができても、「巻き」を使うことができません。

「新規蒔き直し」の類語

「新規蒔き直し」の類語・類義語としては、もう一度新規に開始することを意味する「再出発」、物事を最初からやり直すことを意味する「ゼロベース」などがあります。

「新規巻き返し」の例文

1.「新規巻き返し」という言葉は存在しないので、おそらく「新規蒔き直し」の言い間違いだろう。
2.「新規蒔き直し」という言葉は元に戻ってもう一度新しくやり直すことで、「新規巻き返し」という言葉はない。
3.「新規巻き返し」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.新規巻き返しを図るという言葉を使う人はいるが、正しくは新規蒔き直しを図るです。
5.新規蒔き直しの生活を始めるという言葉はあるが、新規巻き返しの生活を始めるという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「新規蒔き直し」という言葉を間違えて「新規巻き返し」と表現している時などが挙げられます。

「新規巻き返し」という言葉は辞書に載っていない言葉なので、「新規蒔き直し」を間違えて使っている可能性が高いです。

「新規巻き返し」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「新規巻き返し」ではなく、「新規蒔き直し」と表現するのが正しい使い方になります。

「新規蒔き直し」の例文

1.ここ最近サッカー日本代表の成績が良くないので、スターティングメンバーを一新して、新たな視点で新規蒔き直しを図ることにしました。
2.退職後はどこか新しい国へ行って、新規蒔き直しの生活を始めたいです。
3.投資に失敗して全てを失ったが、また資産を貯めるべく、新規蒔き直しで頑張っています。
4.中々業績が上がらないので新規事業を開拓し、新規蒔き直しを図ることにした。
5.彼は新規蒔き直しの一大決意を胸に秘めて、フランスのパリへと旅立ちました。

この言葉がよく使われる場面としては、元に戻ってもう一度新しくやり直すことを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文4にあるような、「巻き返しを図る」という言い回しはよく使われています。

「新規巻き返し」と「新規蒔き直し」どちらを使うか迷った場合は、「新規巻き返し」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「新規蒔き直し」を使うようにしましょう。

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