【脇目も振らず】と【一目散】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「脇目も振らず」(読み方:わきめもふらず)と「一目散」(読み方:いちもくさん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「脇目も振らず」と「一目散」という言葉は、どちらも心を散らさずに一心になることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「脇目も振らず」と「一目散」の違い

「脇目も振らず」と「一目散」の意味の違い

「脇目も振らず」と「一目散」の違いを分かりやすく言うと、「脇目も振らず」の方が「一目散」よりも幅広い範囲で使えるという違いです。

「脇目も振らず」と「一目散」の使い方の違い

一つ目の「脇目も振らず」を使った分かりやすい例としては、「彼は脇目も振らずに歩きました」「彼女は脇目も振らずに仕事する」「彼は脇目も振らずに勉強しています」「息子が脇目も振らずにゲームをしている」「私は脇目も振らず仕事だけに集中してきました」などがあります。

二つ目の「一目散」を使った分かりやすい例としては、「彼は一目散に逃げだしました」「彼女は一目散に駆けだす」「大雨が降ってきたので一目散に自宅へ向かう」「夫が帰ってくるとペットの犬は一目散に玄関に駆けつける」などがあります。

「脇目も振らず」と「一目散」の使い分け方

「脇目も振らず」と「一目散」はどちらも心を散らさずに一心になることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「脇目も振らず」の方が「一目散」よりも幅広い範囲で使えるというのが違いです。

ではなぜ、「脇目も振らず」の方が幅広い範囲で使えるかというと、「一目散」は走るというニュアンスがないと使うことができないので、「脇目も振らず」の方が幅広い範囲で使うことができます。

「脇目も振らず」と「一目散」の英語表記の違い

「脇目も振らず」も「一目散」も英語にすると「without looking aside」「without distractions」となり、例えば上記の「私は脇目も振らず仕事だけに集中してきました」を英語にすると「I’ve been focused on my work without distractions」となります。

「脇目も振らず」の意味

「脇目も振らず」とは

「脇目も振らず」とは、心を散らさずに一心になることを意味しています。

「脇目も振らず」の使い方

「脇目も振らず」を使った分かりやすい例としては、「彼女は脇目も振らずに一直線に進みました」「彼は脇目も振らずに研究に没頭している」「脇目も振らずに作業していると疲れてしまいますよ」「受験の時は脇目も振らずに勉強していました」などがあります。

「脇目も振らず」は心を散らさずに一心になることを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「脇目も振らず」の語源

「脇目も振らず」の語源は目です。元々は脇に目を向けないでよそ見をせずという意味で使われており、この視線を横にずらさないことが転じて、心を散らさずに一心になることの意味で使われるようになりました。

「脇目も振らず」の注意点

「脇目も振らず」を使う上で注意しなければならないのは、基本的にはプラスのイメージで使う言葉ですが、稀にマイナスなイメージでも使われることがあるという点です。

ではどの場面でマイナスのイメージで使うのかと言うと、周りに人がいるのに物事に集中して全く気付かない場合などに、「脇目に振らずに大変ですね」のような嫌味として使います。

「脇目も振らず」の類語

「脇目も振らず」の類語・類義語としては、死ぬ覚悟で全力を尽くすことを意味する「必死に」、一つのことばかりに気を取られて我を忘れることを意味する「無我夢中」、本気で物事に打ち込むことを意味する「一生懸命」などがあります。

「一目散」の意味

「一目散」とは

「一目散」とは、脇目も振らずに走ることを意味しています。

表現方法は「一目散に向かう」「一目散に駆けよる」「一目散に走る」

「一目散に向かう」「一目散に駆けよる」「一目散に走る」などが、「一目散」を使った一般的な言い回しになります。

「一目散」の使い方

「一目散」を使った分かりやすい例としては、「避難警報が出たので我々は一目散に逃げました」「動物たちはエサに向かって一目散に駆けだす」「熊に追いかけられたので一目散に逃げてきました」「不審者がいたら一目散に逃げだすのがいいだろう」などがあります。

「一目散」は脇目も振らずに走ることを意味する慣用句です。

「一目散」の語源

「一目散」の語源は複数あります。

一つ目は中国から来た言葉「逸散」と日本語のちょっと見ること「一目」が合わさったという説です。

二つ目は日本の神様「一目連」から来ているという説です。「一目連」はキラキラと日本中を駆け回り激しい突風や嵐を起こす力がありました。この神様の名前が変化し、「一目散」になったと言われています。

「一目散」の注意点

「一目散」を使う上で注意しなければならないのは、走ることにしか使えないという点です。そのため、走ること以外に対しては類語である「脇目も振らず」の方を使うようにしましょう。

「一目散」の類語

「一目散」の類語・類義語としては、激しい勢いで目標に向かって突き進むことを意味する「まっしぐら」、周囲の人のことや状況を考えずに一つのことに向かって猛烈な勢いで突き進むことを意味する「猪突猛進」などがあります。

「脇目も振らず」の例文

1.彼は学生時代から脇目も振らずに練習していたので、サッカー日本代表に選ばれるのも頷けます。
2.子供が生まれてお金がたくさん必要なので、彼は脇目も振らずに働いた。
3.志望校に絶対合格したかったので、脇目も振らずに勉強していました。
4.脇目も振らずに集中していると疲れるので、適度に休憩を挟むのがいいだろう。
5.新作のゲームが発売されたので、脇目も振らずにプレイしていました。

この言葉がよく使われる場面としては、心を散らさずに一心になることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「脇目も振らず」は基本的にプラスのイメージで使う言葉です。

「一目散」の例文

1.大地震の影響で津波が発生してしまったので、一目散に高台へ逃げました。
2.私たちはゴールがある高架下に向かって、一目散に駆けていきました。
3.今日は人気ゲームの発売日なので、授業が終わると一目散に教室を飛び出しました。
4.私たちが飼っている愛犬は、車のエンジンの音がすると一目散に玄関に駆けつけてくれます。
5.檻から解き放たれたイノシシたちは、一目散に山へ帰っていきました。

この言葉がよく使われる場面としては、脇目も振らずに走ることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「一目散」は限定的な場面で使う言葉です。

「脇目も振らず」と「一目散」はどちらも心を散らさずに一心になることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「脇目も振らず」の方が「一目散」よりも幅広い範囲で使えると覚えておきましょう。

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