似た意味を持つ「浅い」(読み方:あさい)と「薄っぺらい」(読み方:うすっぺらい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「浅い」と「薄っぺらい」という言葉は、どちらも考え方や人柄などに深みがないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「浅い」と「薄っぺらい」の違い
「浅い」と「薄っぺらい」の意味の違い
「浅い」と「薄っぺらい」の違いを分かりやすく言うと、「浅い」は奥行きを表す場合に使う、「薄っぺらい」は厚みを表す場合に使うという違いです。
「浅い」と「薄っぺらい」の使い方の違い
一つ目の「浅い」を使った分かりやすい例としては、「彼女と付き合ってからまだ日は浅い」「危険が少ないので浅いところを渡ろう」「最近眠りが浅いので病院に行くことにしました」「この分野に関しての私の知識はまだまだ浅い」などがあります。
二つ目の「薄っぺらい」を使った分かりやすい例としては、「薄っぺらい考えは辞めてほしいです」「薄っぺらい生地はすぐ破けてしまうだろう」「薄っぺらい同情はいりません」「今日は薄っぺらい布団で寝ることになりそうだ」「あなたのその話題に対する理解は薄っぺらいものだ」などがあります。
「浅い」と「薄っぺらい」の使い分け方
「浅い」と「薄っぺらい」はどちらも考え方や人柄などに深みがないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
結論から言ってしまうと、考え方や人柄などに深みがないことの意味で使う場合は「浅い」も「薄っぺらい」もほぼ同じニュアンスで使います。しかし、奥行きを表すことの意味は「浅い」しか使えませんし、厚みを表す場合には「薄っぺらい」しか使えないというのが違いです。
分かりやす例を挙げると、「この川は浅い」とは言いますが、「この川は薄っぺらい」と言いません。一方、「このせんべいは薄っぺらいのに高い」とは言いますが、「このせんべいは浅いのに高い」とは言いません。
「浅い」と「薄っぺらい」の英語表記の違い
「浅い」を英語にすると「shallow」「superficial」となり、例えば上記の「浅いところ渡ろう」を英語にすると「Let’s cross the stream where it is shallow」となります。
一方、「薄っぺらい」を英語にすると「thin」「light」「flimsy」となり、例えば上記の「あなたのその話題に対する理解は薄っぺらいものだ」を英語にすると「Your understanding of the topic is flimsy at best」となります。
「浅い」の意味
「浅い」とは
「浅い」とは、表面から底までや入り口から奥までの距離が短いことを意味しています。その他にも、物事の程度や分量などが少ないこと、その状態になってから日数や時間が少ししか経っていないこと、色が淡いことの意味も持っています。
「このプールは浅いので溺れることはないはずです」「この分野に関しての経験は浅いです」などの文中で使われている「浅い」は、「表面から底までや入り口から奥までの距離が短いことや物事の程度や分量などが少ないこと」の意味で使われています。
一方、「この企業に勤めてからまだ日が浅いです」「私は浅い緑の服が好きです」などの文中で使われている「浅い」は、「その状態になってから日数や時間が少ししか経っていないことや色が淡いこと」の意味で使われています。
「浅い」の使い方
「浅い」は様々な意味を持つ形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。
「浅い」のそれぞれの意味について解説しましょう。
表面から底までや入り口から奥までの距離が短いことの意味は、「川で遊ぶなら浅いところがいいだろう」のように物理的なこと対して使います。
物事の程度や分量などが少ないことの意味は、「彼女の考え方は浅い」のように、心理的や精神的なことに対して使います。
その状態になってから日数や時間が少ししか経っていないことの意味は「彼は入社してから日が浅いので大目に見てやってください」のように、時間のことを比喩的に表現する場合に使います。
色が淡いことの意味は、「私は浅い緑が好きです」のように、そのままの意味で色のことを表現する場合に使います。
「浅い」の対義語
「浅い」の対義語・反対語としては、表面から底までや入り口から奥までの距離が長いことを意味する「深い」があります。
「浅い」の類語
「浅い」の類語・類義語としては、未熟であることを意味する「浅短」、浅はかなことを意味する「浅近」、思慮の足りないことを意味する「浅はか」などがあります。
「薄っぺらい」の意味
「薄っぺらい」とは
「薄っぺらい」とは、極めて薄く貧弱なことを意味しています。その他にも、考え方や人柄などに深みがないことの意味も持っています。
「薄っぺらい」の使い方
「薄っぺらい掛け布団なので少し寒いです」「写真と違って薄っぺらいパンが出てきました」などの文中で使われている「薄っぺらい」は、「極めて薄く貧弱なこと」の意味で使われています。
一方、「薄っぺらいヒューマニズムは通用しないと思います」「彼は薄っぺらい人間だと思います」などの文中で使われている「薄っぺらい」は、「考え方や人柄などに深みがないこと」の意味で使われています。
「薄っぺらい」は極めて薄く貧弱なことや考え方や人柄などに深みがないことの意味を持つ言葉です。
極めて薄く貧弱なことの意味は「薄っぺらい布団で寝ることになりました」のように、様々なものが物理的に薄い場合に使います。
考え方や人柄などに深みがないことの意味は、「彼女は薄っぺらい人間なので親しい友人があまりいません」のように、心理的や精神的なことに対して使います。
「薄っぺらい」はマイナスのイメージを伴っている
「薄っぺらい」は中身がないというニュアンスで使ているので、マイナスのイメージを伴っていることが多いと覚えておきましょう。
「薄っぺらい」の対義語
「薄っぺらい」の対義語・反対語としては、厚みがあることを意味する「厚い」があります。
「薄っぺらい」の類語
「薄っぺらい」の類語・類義語としては、ある要素が乏しいことを意味する「希薄」、物事の程度が甚だしくないことを意味する「薄い」、品物が劣っていていかにも値うちがないように見えることを意味する「安っぽい」などがあります。
「浅い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、表面から底までや入り口から奥までの距離が短いことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物事の程度や分量などが少ないこと、その状態になってから日数や時間が少ししか経っていないこと、色が淡いことを表現したい時にも使います。
例文1は表面から底までや入り口から奥までの距離が短いこと、例文2と例文3は物事の程度や分量などが少ないこと、例文4はその状態になってから日数や時間が少ししか経っていないこと、例文5は色が淡いことの意味で使っています。
「薄っぺらい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、極めて薄く貧弱なことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、考え方や人柄などに深みがないことの意味も持っています。
例文1と例文2は極めて薄く貧弱なこと、例文3から例文5は考え方や人柄などに深みがないことの意味で使っています。
「浅い」と「薄っぺらい」はどちらも考え方や人柄などに深みがないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、奥行きを表す場合に使うのが「浅い」、厚みを表す場合に使うのが「薄っぺらい」と覚えておきましょう。