似た意味を持つ「することができる」と「できる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「することができる」と「できる」という言葉は、どちらも可能であることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「することができる」と「できる」の違い
「することができる」と「できる」の意味の違い
「することができる」と「できる」の違いを分かりやすく言うと、「することができる」はやろうと思えばできるがしなくても良いというニュアンスで使う言葉、「できる」は可能であるというニュアンスで使う言葉という違いです。
「することができる」と「できる」の使い方の違い
一つ目の「することができる」を使った分かりやすい例としては、「彼は高速でタイピングをすることができる」「管理職はこの書類にアクセスすることができる」「私たちは会社の車を運転することができる」などがあります。
二つ目の「できる」を使った分かりやすい例としては、「彼は仕事ができる人です」「頬っぺたにニキビができる」「新しい制度ができる」「彼は英語ができるが数学はあまり得意ではありません」「バターは牛乳からできる」などがあります。
「することができる」と「できる」の使い分け方
「することができる」と「できる」はどちらも可能であることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「することができる」はやろうと思えばできるがしなくても良いというニュアンスで使う言葉で、冗長表現とも言われています。冗長表現とは、文章が読みづらくなる原因である内容と関係ない単語や不要な言い回し表現のことを意味しています。
一方、「できる」はある動作を行うことが可能であることを意味しており、可能であるというストレートな表現というのが違いです。
「することができる」は冗長表現なので間違った日本語ではないものの、好まない人も多いので、わざわざ使う必要がないと覚えておきましょう。
「することができる」と「できる」の英語表記の違い
「することができる」も「できる」も英語にすると「finished」「ready」「made」「grow」となり、例えば上記の「バターは牛乳からできる」を英語にすると「Butter is made from milk」となります。
「することができる」の意味
「することができる」とは
「することができる」とは、やろうと思えばできるがしなくても良いことを意味しています。
「することができる」の使い方
「することができる」を使った分かりやすい例としては、「この大学の学生は図書館の特別資料を閲覧することができる」「彼女は英語を話すことができる」「彼はお酒を飲まないので車を運転することができる」「今週中には目標を達成することができるだろう」などがあります。
「することができる」はやろうと思えばできるがしなくても良いことを意味する言葉です。
「することができる」は正しい日本語
「することができる」は誤用表現と勘違いもする人もいると思いますが、誤用ではなく正しい日本語文法になります。
ただし、「することはできる」は冗長表現と言われているので、一般的に使うのはあまり好ましくありません。簡単に言うならば、回りくどい表現だからです。
「することができる」を使って問題ない場面としては、相手に選択肢を与えたい場合などが挙げられます。
「することができる」の類語
「することができる」の類語・類義語としては、ある物事ができる見込みがあることを意味する「可能」があります。
「できる」の意味
「できる」とは
「できる」とは、今までなかった物事がつくられて存在することを意味しています。
その他にも、作物などがつくられること、建物や組織などが新しくつくられること、仕上がること、作りや構造がそのようであること、そうするように生まれつくこと、人格や能力などが優れていること、恋愛関係になること、それをする能力や可能性があることの意味も持っています。
また、妊娠すること、そうすることが許されること、出てくることなどの意味でも使うことができます。
「できる」の漢字表記
「できる」を漢字にすると、「出来る」と表記することができます。
「できる」の使い方
「雨の影響により水溜まりができる」「当地では柑橘類ができる」などの文中で使われている「できる」は、「今までなかった物事がつくられて存在することや作物などがつくられること」の意味で使われています。
一方、「労働者組合ができる」「締め切り間際に原稿できる」などの文中で使われている「できる」は、「作りや構造がそのようであることやそうするように生まれつくこと」の意味で使われています。
「できる」はとてもつもない数の意味を持つ言葉なので、状況によってしっかり使い分けるようにしましょう。
「できる」は行動が主体のメインの言葉で、ある意図のもとに能動的な働きかけを経ることによってある状態を作り上げる場合によく使われています。
「できる」の特徴
「できる」は「水ぶくれができる」「米ができる」などのように物理的なものだけではなく、「彼はサッカーができる」「できるだけ頑張ります」などのように、抽象的なものに対しても使うことができると覚えておきましょう。
「できる」の類語
「できる」の類語・類義語としては、物事ができ上がることを意味する「成る」、ある物事ができ上がることを意味する「成り立つ」、作っていたものが完成することを意味する「仕上がる」、すっかりできることを意味する「出来上がる」などがあります。
「することができる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、やろうと思えばできるがしなくても良いことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「することができる」はあまり好ましくない表現と言われています。
「できる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、今までなかった物事がつくられて存在することを表現したい時などが挙げられます。
その他にも、作物などがつくられること、建物や組織などが新しくつくられること、仕上がること、作りや構造がそのようであること、そうするように生まれつくこと、人格や能力などが優れていること、恋愛関係になること、それをする能力や可能性があることを表現したい時にも使います。
例文1は今までなかった物事がつくられて存在すること、例文2は作物などがつくられること、例文3は人格や能力などが優れていること、例文4は恋愛関係になること、例文5はそれをする能力や可能性があることの意味で使っています。
「することができる」と「できる」はどちらも可能であることを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、やろうと思えばできるがしなくても良いというニュアンスで使うのが「することができる」、可能であるというニュアンスで使うのが「できる」と覚えておきましょう。