【お互い様】と【持ちつ持たれつ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お互い様」(読み方:おたがいさま)と「持ちつ持たれつ」(読み方:もちつもたれつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お互い様」と「持ちつ持たれつ」という言葉は、どちらも助け合いのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お互い様」と「持ちつ持たれつ」の違い

「お互い様」と「持ちつ持たれつ」の意味の違い

「お互い様」と「持ちつ持たれつ」の違いを分かりやすく言うと、「お互い様」は相手に迷惑を掛けた時に使うことが多い、「持ちつ持たれつ」はお互いに助け合っている場合に使うことが多いという違いです。

「お互い様」と「持ちつ持たれつ」の使い方の違い

一つ目の「お互い様」を使った分かりやすい例としては、「お互い様なんだから遠慮しないでくださいね」「私があなたに迷惑を掛けたこともあるから今回はお互い様です」「子育てで忙しいのはお互い様だから協力しましょう」「お互い様だから気にしないで」などがあります。

二つ目の「持ちつ持たれつ」を使った分かりやすい例としては、「世の中は持ちつ持たれつで回っている」「彼とは持ちつ持たれつの関係です」「取引先とは持ちつ持たれつの関係でずっと取引が続いている」「彼女と私は持ちつ持たれつです」などがあります。

「お互い様」と「持ちつ持たれつ」の使い分け方

「お互い様」と「持ちつ持たれつ」はどちらも助け合いのことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「お互い様」は両方とも同じ立場や状態に置かれていることを意味しており、「困ったときはお互い様だよ」のように、相手に迷惑をかけたり助けたりすることがあっても、自分も同じようなことをしているから気にしないでねという気持ちを表す場合に使います。

つまり、一方的に助けてもらったり迷惑をかけたりした時に使うことが多い言葉です。

一方、「持ちつ持たれつ」は互いに助け合うことを意味しており、「その取引先とは持ちつ持たれつで長年やってきました」のように、継続的な助け合いや依存関係を表す場合に使うというのが違いになります。

「お互い様」と「持ちつ持たれつ」の英語表記の違い

「お互い様」を英語にすると「even」「no worries」となり、例えば上記の「お互い様だから気にしないで」を英語にすると「Don’t worry, we’re even」となります。

一方、「持ちつ持たれつ」を英語にすると「support each other」「helping each other」となり、例えば上記の「彼女と私は持ちつ持たれつです」を英語にすると「She and I manage to get along by supporting each other」となります。

「お互い様」の意味

「お互い様」とは

「お互い様」とは、両方とも同じ立場や状態に置かれていることを意味しています。

「お互い様」の漢字表記

「お互い様」を漢字にすると、「御互い様」と表記することができます。

表現方法は「お互い様です」「お互い様の気持ち」

「お互い様です」「お互い様の気持ち」などが、「お互い様」を使った一般的な言い回しになります。

「お互い様」の使い方

「お互い様」を使った分かりやすい例としては、「前回は私が遅れたのでお互い様だよ」「いつも手伝ってもらっているからお互い様です」「私も忘れることがあるのでお互い様だよ」「迷惑かけたくないっていうけどお互い様だから気にしないでね」などがあります。

「お互い様」は両方とも同じ立場や状態に置かれていることを意味する名詞です。

「お互い様」は誰かに迷惑をかけてしまったときや、逆に助けてもらったときに使う言葉になります。そのため、基本的にプラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「お互い様」の特徴

「お互い様」は相手を責めるのではなく、お互いにさまざまな事情があって、助けたり助けられたりしながら生きているということを相手に伝える場合に使うのが一般的です。

「お互い様」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができるというのが特徴です。

「お互い様」の類語

「お互い様」の類語・類義語としては、同じ境遇にある者どうしが同情し助け合うことを意味する「相身互い」、互いに助け合うことを意味する「共助」、助け合うことを意味する「助け合い」などがあります。

「持ちつ持たれつ」の意味

「持ちつ持たれつ」とは

「持ちつ持たれつ」とは、互いに助け合うことを意味しています。

表現方法は「持ちつ持たれつの関係」「持ちつ持たれつな関係」

「持ちつ持たれつの関係」「持ちつ持たれつな関係」などが、「持ちつ持たれつ」を使った一般的な言い回しです。

「持ちつ持たれつ」の使い方

「持ちつ持たれつ」を使った分かりやすい例としては、「持ちつ持たれつが続いていればお互いの仲がいいものです」「彼とは持ちつ持たれつの関係だ」「持ちつ持たれつの関係で続けてきた取引先を変更するなんて今更できません」などがあります。

「持ちつ持たれつ」は互いに助け合うことや、相互に助けたり助けられたりすることを意味する慣用句です。また、お互いに助け合って存続するというニュアンスもあるため、基本的にプラスのイメージで使う言葉になります。

したがって、上下関係があったり、お互いの仲が良くない場合には使うことはできないと覚えておきましょう。

「持ちつ持たれつ」の語源

「持ちつ持たれつ」の語源は「持つ」です。「持つ」には自分のものとして引き受けることや負担することの意味があります。

これに二つの動作が並列して行われることを意味する完了助動詞の「○○つ○○つ」を用いて、相手の困難を引き受けることと自分の困難を引き受けてもらうことを並列し、互いに助け合うことを「持ちつ持たれつ」と言うようになりました。

「〇〇つ〇〇つ」の形を使った別の完了助動詞としては、「追いつ追われつ」「抜きつ抜かれつ」などがあります。

「持ちつ持たれつ」の類語

「持ちつ持たれつ」の類語・類義語としては、互いに助け合ってともに生存してともに繁栄することを意味する「共存共栄」、お互いに助け合い支え合うことを意味する「相互扶助」、相手に利益を与えて自分も相手から利益を得ることを意味する「ギブアンドテイク」などがあります。

「お互い様」の例文

1.体調不良で休んでも誰も文句言いませんよ。こういう時はお互い様だしね。
2.私も以前同じようなミスをしているので、お互い様だと思いますよ。
3.今回の失敗はお互い様だと思うので、次に活かしていきましょう。
4.困ったときはお互い様だと思うので、遠慮せずに頼ってくださいね。
5.こういう時はお互い様なので、わざわざお礼なんて持ってこなくても大丈夫ですよ。

この言葉がよく使われる場面としては、互いに助け合うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように「お互い様」はプラスのイメージで使われている言葉です。

「持ちつ持たれつ」の例文

1.困ったときはお互い様だと思うので、持ちつ持たれつの関係は大切だと思います。
2.私たちの仲が良いの理由は、常に持ちつ持たれつでお互いに助け合っているからです。
3.社長とは持ちつ持たれつの関係で、一緒に会社を経営してきました。
4.この組合は両者が持ちつ持たれつで成り立っているので、とても絆が深いです。
5.彼氏とは持ちつ持たれつの関係であったので、直接的な批判は言わないようにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、互いに助け合うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように「持ちつ持たれつ」はプラスのイメージで使われている言葉です。

「お互い様」と「持ちつ持たれつ」はどちらも助け合いのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、相手に迷惑を掛けた時に使うことが多い「お互い様」、お互いに助け合っている場合に使うことが多いのが「持ちつ持たれつ」と覚えておきましょう。

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