似た意味を持つ「代替案」(読み方:だいたいあん)と「代案」(読み方:だいあん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「代替案」と「代案」という言葉は、どちらも代わりの案を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
代替案と代案の違い
代替案と代案の意味の違い
代替案と代案の違いを分かりやすく言うと、代替案とは示されている案の代わりの案を意味し、代案とは代わりの案全般を意味するという違いです。
代替案と代案の使い方の違い
一つ目の代替案を使った分かりやすい例としては、「相応な代替案を示す」「代替案提示を要求された」「代替案の優劣比較を行なう」「代替案なしで断られた」「ダム建設案の見直しのための代替案を提出する」などがあります。
二つ目の代案を使った分かりやすい例としては、「代案なき否定を禁ず」「野党は有効な代案を示せなかった」「代案を示して、再審議を求めた」「9月入学の取りやめに対する代案を検討する」などがあります。
代替案と代案の使い分け方
代替案と代案という言葉は、ある案の代わりの案を意味し、ビジネスシーンや日常生活において馴染みのある言葉です。二つの言葉は同じ意味を持ちますが、使い方には違いがあります。代替案はすでに発表や提出されている案に対して使われ、代案は発表や提出されている案にもそれ以外の案にも使われます。
例えば、ある政策案が提示されて、これを不服とする団体が代わりの案を提出する場合は、「代替案」または「代案」と表現します。また、家族旅行の計画を立てるなかで雨天時のために代わりの案を考えたりする場合は、「代案」と表現します。
代替案はビジネスシーンや文書などで使われることが多く、代案は場面を問わずに使われる言葉であり、代案の方が幅広く使われる言葉です。
代替案と代案の英語表記の違い
代替案も代案も英語にすると「alternative proposal」「alternative plan」「plan B」となり、例えば上記の「代替案を示す」を英語にすると「offer alternative proposals」となります。
代替案の意味
代替案とは
代替案とは、すでに発表・提出されている案に代わる案を意味しています。
表現方法は「代替案として」「代替案を出す」「代替案を出さない」
「代替案として」「代替案を出す」「代替案を出さない」などが、代替案を使った一般的な言い回しです。
代替案の使い方
代替案を使った分かりやすい例としては、「希望日に沿えず代替案を提示する」「先方が代替案を受け入れてくれた」「代替案もなく、いきなり約束をキャンセルされた」「それぞれの代替案を採用した場合の収益を分析する」などがあります。
その他にも、「大会中止の代替案として時期をずらした親善試合が検討されている」「インターハイ中止の代替案は現状は白紙だ」「断る際は代替案を示すのがマナーだ」「代替案が無いのなら文句を言うな」などがあります。
代替案の読み方
代替案は、「だいたいあん」と読みます。「だいがえあん」と読む人も増えていますが、「だいがえあん」は間違いです。
代替の意味
代替案という言葉の「代替」は、それに見合う他のもので代えることを意味します。よって、代替案は発表や提出されている案に代わる案であり、かつ対象となる案に見合う案を表します。ある案があったとして、その案と同じレベルで代わりになる案を出す時に「代替案を出す」などと表現します。
上記の例の「大会中止の代替案として時期をずらした親善試合」とは、大会中止に代わる案として親善試合があり、それが大会と取って代わる同等の案であるため、代替案という言葉が使われています。また、「代替案は白紙だ」とは、対象となる案に見合う取って代われる案がないことを表します。
代替案の対義語
代替案の対義語・反対語としては、すでにある提案に対して示す別の案を意味する「対案」などがあります。
代替案の類語
代替案の類語・類義語としては、あるものに代えて別のものを使うことを意味する「代用」、修正した二度目の草案を意味する「再案」などがあります。
代替案の替の字を使った別の言葉としては、役割や位置などを互いに入れかえることを意味する「交替」、栄えたり衰えたりすることを意味する「隆替」(読み方:りゅうたい)などがあります。
代案の意味
代案とは
代案とは、ある案の代わりに出す案を意味しています。
表現方法は「代案として」「代案を出す」「代案を出さない」
「代案として」「代案を出す」「代案を出さない」などが、代案を使った一般的な言い回しです。
代案の使い方
代案を使った分かりやすい例としては、「批判をするなら代案を出して欲しい」「たくさんの代案を出して解決策を見出そう」「有効な代案を示せなかった」「今の案ではコストがかかりすぎるから、代案を用意しろ」などがあります。
その他にも、「反対はするけど代案は出さない人は嫌われる」「ぜひこの企画を超える代案を提案してください」「断られても具体的な代案がある場合は脈アリだ」「最適な案ではないが、他に代案もないでこれで進める」などがあります。
代案という言葉は、ある案の代わりに出す案を意味し、ビジネスシーンや日常生活において幅広く使われている言葉です。ある案が実行するのが難しかったり、状況が変わった時のために、代わりの案を出す時などに使われる言葉です。
上記の例の「批判をするなら代案を出して」とは、ある提案に対して誤りや欠点を指摘するだけでなく、解決案を出して欲しいという意味です。建設的な意見を求めるだけでなく、非難や批判を抑制するために使われる表現でもあります。
代案の対義語
代案の対義語・反対語としては、改めた案を意味する「改案」などがあります。
代案の類語
代案の類語・類義語としては、別のもう一つの考えを意味する「一案」などがあります。
代案の代の字を使った別の言葉としては、全体をよく表していることを意味する「代表」、本人に代わって事を処理することを意味する「代理」などがあります。
代替案の例文
この言葉がよく使われる場面としては、すでに発表や提出されている案に代わる案を表現したい時などが挙げられます。
例文4のように、個人的なやり取りのなかでも代替案という言葉が使われることがあります。この例文では、誘いの提案に対する、それに見合った代わりの案という意味で代替案という言葉が使わてれいます。
例文5にある「代替案分析」とは、プロジェクトの目標を達成させるために様々な選択肢を用意し、それぞれの運用コストや有効性などを分析比較して、選択肢を決定する技法のことです。ここでの代替案は、プロジェクトを実行するために相応しい様々な選択肢を表しています。
代案の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある案の代わりの案を表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2のように、もとの案への批判と代案の関係については議論の場で出る話題です。例文3にある「原案」は会議などに提出された最初の案を意味し、ここでの代案は、その原案を少し手直しした代わりの案を表します。
代替案と代案は「ある案の代わりの案」という共通の意味を持つ言葉ですが、代替案は示されている案の代わりの案を意味し、代案とは代わりの案全般を意味します。代替案と代案のどちらを使えば良いのか迷ったら、幅広く使える代案の方を使っておけば間違いありません。