【自衛官】と【自衛隊】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「自衛官」(読み方:じえいかん)と「自衛隊」(読み方:じえいたい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「自衛官」と「自衛隊」という言葉は、どちらも「日本の防衛を担う人や組織」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




自衛官と自衛隊の違い

自衛官と自衛隊の意味の違い

自衛官と自衛隊の違いを分かりやすく言うと、自衛官とは自衛隊を構成する個人、自衛隊とは自衛官から構成される防衛組織という違いです。

自衛官と自衛隊の使い方の違い

一つ目の自衛官を使った分かりやすい例としては、「将来は自衛官になることにしました」「自衛官候補生は共同生活をしています」「自衛官の人事異動などにAIを導入します」「幹部自衛官がパワハラで懲戒処分を受けました」などがあります。

二つ目の自衛隊を使った分かりやすい例としては、「YouTubeで海上自衛隊の動画を見る」「自衛隊基地でミニ花火大会が開催されます」「自衛隊に関する入札案件を確認する」「自衛隊法の改正法案が可決されました」などがあります。

自衛官と自衛隊の使い分け方

自衛官と自衛隊という言葉は、どちらも日本の独立や平和を守って防衛することを任務とする人や組織を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

自衛官とは、自衛隊法第3条に定められた自衛隊の隊務を行う者を意味します。自衛官は、制服を着用し、指定された場所に居住し、命令に従って職務を遂行する義務を負うと定められています。

自衛隊とは、1954年に自衛隊法によって設けられた軍事組織です。自衛隊は、特別職国家公務員である自衛官によって構成され、日本の平和と独立を守り、国土や国民の生命と財産を守ることを主な任務としています。

つまり、自衛官は自衛隊を構成する個人を表し、自衛隊は自衛官からなる防衛組織です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

自衛官と自衛隊の英語表記の違い

自衛官を英語にすると「Self‐Defense Official」「official of Self‐Defense Forces」となり、例えば上記の「自衛官になる」を英語にすると「become a self-defense officer」となります。

一方、自衛隊を英語にすると「Self‐Defense Forces」となり、例えば上記の「海上自衛隊」を英語にすると「Maritime Self‐Defense Force」となります。

自衛官の意味

自衛官とは

自衛官とは、防衛省に勤務する職員のうち、制服を着用する者の総称を意味しています。

自衛官の使い方

自衛官を使った分かりやすい例としては、「自衛官になって国際平和に貢献したいです」「暴行容疑で自衛官の男が逮捕されました」「幹部自衛官の年収モデルをチェックする」「食堂の壁に自衛官募集のポスターが貼られている」などがあります。

その他にも、「自衛官候補生には手当が支給されます」「自衛官の定年は階級によって異なります」「40代の幹部自衛官を停職の懲戒処分にしました」「自衛官の給料の引き上げが検討されています」などがあります。

自衛官の「自衛」は、他からの暴力や侵略を自分の力で防ぐことを表します。役所における職務や役人を表す「官」と結び付き、自衛官とは、自衛隊の各部隊を構成し制服を着用することを義務づけられている隊員を意味します。

自衛官の特徴

自衛隊には16階級があり、将官、佐官、尉官、准尉、曹、士に大別されています。尉官以上を「幹部自衛官」と呼び、部隊のリーダーとして部隊員を指揮し、部隊全体の管理や計画作成、人材育成などを行います。

自衛官の類語

自衛官の類語・類義語としては、軍隊における指揮官の階級を意味する「将校」、隊に所属している人を意味する「隊員」、兵の指揮をとる武官の通称を意味する「士官」、軍人の階級で大尉・中尉・少尉の総称を意味する「尉官」などがあります。

自衛隊の意味

自衛隊とは

自衛隊とは、防衛省に属し、日本の平和と独立を守り、国の安全を保つことを主な任務とする防衛組織を意味しています。

自衛隊の使い方

自衛隊を使った分かりやすい例としては、「自衛隊の体験イベントに参加する」「自衛隊を定年退職しました」「自衛隊基地の近くで階級章を拾った」「来週開催される自衛隊音楽まつりを楽しみにしています」などがあります。

その他にも、「自衛隊はウクライナ製ドローンの採用を検討しています」「父は自衛隊中央病院に入院しています」「自衛隊の給料をネットで調べています」「兄は自衛隊グッズのコレクターです」などがあります。

自衛隊の特徴

自衛隊とは、日本の平和と独立を守り、国の安全を保つため,直接侵略および間接侵略に対して防衛することをおもな任務とする部隊です。必要に応じて公共の秩序の維持にもあたります。陸上・海上・航空の三自衛隊からなり、内閣総理大臣の統率のもとに防衛大臣が隊務を統括します。

表現方法は「自衛隊法」

自衛隊を用いた日本語には「自衛隊法」があります。自衛隊法とは、自衛隊の任務や部隊の組織・編成、行動、権限、隊員の身分取扱いなどを定めた法律です。1954年に施行されました。同時に施行された「防衛庁設置法」(現、「防衛省設置法」)とあわせて「防衛二法」と呼ばれています。

自衛隊の類語

自衛隊の類語・類義語としては、特定の対象を警備する部隊を意味する「警備隊」、国家の外敵の侵略に対する軍事力による防御を意味する「国防」、火災や盗難などから自らを守るために組織された民間の警備団体を意味する「自警団」などがあります。

自衛官の例文

1.自衛官候補生の募集要項や応募方法をインターネットで調べています。
2.高卒で自衛官になるのと大卒で会社員になるとでは、どちらが年収が高いのだろう。
3.自衛官になるには視力検査があると聞きましたが、どれぐらい必要なのでしょうか。
4.防衛省は自衛官の不祥事の根絶を目指し、服務指導の徹底や再発防止に努めています。
5.航空自衛官になるための試験では、どれぐらいの英語力が求められますか。

この言葉がよく使われる場面としては、自衛隊の隊務を行う者のうち、制服を着用する陸上・海上・航空自衛官の総称を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「自衛官候補生」とは、自衛官になるために必要な基礎的教育訓練に専念する身分を意味します。

自衛隊の例文

1.子供の頃に自衛隊のイベントに参加して、入隊したいと考えるようになりました。
2.父親に勧められ、とりあえず自衛隊の募集要項を取り寄せることにしました。
3.自衛隊の階級を上げるためには、昇任試験を受ける必要があります。
4.陸上自衛隊のドローンが行方不明になり、情報提供を呼び掛けています。
5.陸上自衛隊の最新戦車は、高い機動性と走行安定性が特徴です。

この言葉がよく使われる場面としては、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し防衛することを主たる任務とする組織を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「陸上自衛隊」とは、主に陸上で行動して国内の平和と安全を守るための防衛組織です。略称は「陸自」(読み方:りくじ)で、他国における「陸軍」に相当します。

自衛官と自衛隊という言葉は、どちらも「日本の防衛を担う人や組織」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、日本の平和と独立を守ることを職務とする国家公務員を表現したい時は「自衛官」を、日本の平和と独立を守る防衛組織を表現したい時は「自衛隊」を使うようにしましょう。

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