似た日本語である「行き詰まる」(読み方:ゆきづまる)と「煮詰まる」(読み方:につまる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「行き詰まる」と「煮詰まる」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
行き詰まると煮詰まるの違い
行き詰まると煮詰まるの意味の違い
行き詰まると煮詰まるの違いを分かりやすく言うと、行き詰まるとは物事の結論が出ないこと、煮詰まるとは物事の結論に近づいていることという違いです。
行き詰まると煮詰まるの使い方の違い
一つ目の行き詰まるを使った分かりやすい例としては、「私は数学の勉強に行き詰まっている」「仕事が行き詰った状態が続いている」「この先は道が行き詰まっているので車を降りて歩くしかない」などがあります。
二つ目の煮詰まるを使った分かりやすい例としては、「煮詰まりすぎた場合は水を足すと良いらしい」「汁が煮詰まった」「問題が煮詰まってきた」「長年練った計画が煮詰まってきたので最終段階に入れそうです」などがあります。
行き詰まると煮詰まるは反対言葉
行き詰まると煮詰まるは反対の意味を持つ言葉です。行き詰まるは物事が上手く先へ進まなくなるという意味に対して、煮詰まるは討議や検討が十分になされて結論が出る段階に近づくという意味になっています。
しかし、文化庁の調査で結論が出ないことの意味で煮詰まるを使う人が増えてきています。結論が出ないことを表現したい場合は、行き詰まるを使うのが正しいので、煮詰まると誤用しないように注意してください。
行き詰まると煮詰まるの英語表記の違い
行き詰まるを英語にすると「get stuck」「bogged down」となり、例えば上記の「私は数学の勉強に行き詰まっている」を英語にすると「I am get stuck in studying math」となります。
一方、煮詰まるを英語にすると「boil down」となり、例えば上記の「汁が煮詰まった」」を英語にすると「The soup was boiled down」となります。
行き詰まるの意味
行き詰まるとは
行き詰まるとは、物事が上手く先へ進まなくなることを意味しています。その他にも、行く手が遮られて先へ行けなくなることの意味も持っています。
行き詰まるの使い方
「英語の勉強に行き詰っている」「仕事に行き詰まりを感じ時は、外の空気を吸いに行くのが良いだろう」「経営している会社が資金繰りに行き詰った」などの文中で使われている行き詰まるは、「物事が上手く先へ進まなくなること」の意味で使われています。
一方、「突き当りで道が行き詰まる」「大型トラックが狭い道で行き詰まる」などの文中で使われている行き詰まるは、「行く手が遮られて先へ行けなくなること」の意味で使われています。
行き詰まるはという言葉は、二つの意味を持っているのですが、一般的に物事が上手く先へ進まなくなることの意味で使われています。
行き詰まるの読み方
行き詰まるは一般的に「ゆきづまる」と読むのですが、「いきづまる」と読んでも間違いではないです。また、「行き詰る」と書いても間違いではないのですが、「行き詰まる」と書く方が一般的と覚えておきましょう。
表現方法は「勉強に行き詰まる」「仕事に行き詰まる」「資金繰りに行き詰まる」
「勉強に行き詰まる」「仕事に行き詰まる」「資金繰りに行き詰まる」「人生に行き詰まる」など、ビジネスシーンと日常生活の両方で使える言葉になります。また、物事が上手く先へ進まなくなることの意味で使われてるため、マイナスなイメージを持っています。
行き詰まるの類語
行き詰まるの類語・類義語としては、ある事態などが間近に迫ってどうにもならなくなることを意味する「切羽詰まる」があります。
行き詰まるの行きの字を使った別の言葉としては、行ったり戻ったりすることを意味する「行き戻り」、道などで行く手が塞がっていてそれ以上いけないことを意味する「行き止まり」、物事が思うように進まないことを意味する「行き悩み」などがあります。
煮詰まるの意味
煮詰まるとは
煮詰まるとは、討議や検討が十分になされて結論が出る段階に近づくことを意味しています。その他にも、煮えて水分がなくなることの意味も持っています。
表現方法は「アイデアが煮詰まる」「計画が煮詰まる」「考えが煮詰まる」
「アイデアが煮詰まる」「計画が煮詰まる」「考えが煮詰まる」などが、煮詰まるを使った一般的な表現方法です。
煮詰まるの使い方
「一週間に及ぶ議論で計画が煮詰まってきた」「アイデアが煮詰まったので完成が見えてきた」などの文中で使われている煮詰まるは、「討議や検討が十分になされて結論が出る段階に近づくこと」の意味で使われています。
一方、「調味料が煮詰まるで炒めまるとレシピ本に書いてあった」「煮汁が少し煮詰まるまで加熱します」「ソースは短時間で煮詰まるので焦げる前に火を止めよう」などの文中で使われている煮詰まるは、「煮えて水分がなくなること」の意味で使われています。
煮詰まるの由来
煮詰まるの由来は料理用語です。元々は煮物料理が十分に煮えて水分がなくなり完成間近という意味で使われていました。それが転じて、討議や検討が十分になされて、結論が出る段階に近づくという意味で使われるのが一般的になりました。
しかし、煮詰まるは水分がなくなるまで煮込むという印象があるので、討議や検討が十分になされても結論が出ないことの意味で使う人も増えてきました。結論が出ないことの意味の場合は、行き詰まるを使うのが正しいので、煮詰まると間違って使わないようにしてください。
煮詰まるは結論が出る段階に近づくことを意味しているため、プラスのイメージで使われることが多いです。
煮詰まるの類語
煮詰まるの類語・類義語としては、考えたり論じたりして最終的な判断をまとめることを意味する「結論」、色々な材料を混ぜて煮ることを意味する「煮込む」、野菜や魚肉などを、調味した汁が十分しみ込むまでよく煮ること意味する「煮付ける」などがあります。
煮詰まるの煮の字を使った別の言葉としては、十分に煮ることを意味する「煮え上がる」、態度がはっきりしないことを意味する「煮え切らない」、食物を煮たり焼いたりすることを意味する「煮焼き」、ひどく腹が立つことを意味する「煮えかえる」などがあります。
行き詰まるの例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事が上手く先へ進まなくなることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、行く手が遮られて先へ行けなくなることを表現したい時に使います。
例文1から例文4は物事が上手く先へ進まなくなることの意味で使われています。物事が上手く先へ進まなくなることの意味の場合は、ビジネシーンと日常生活の両方で使える言葉です。また、例文5はもう一つの行く手が遮られて先へ行けなくなることの意味で使われています。
煮詰まるの例文
この言葉がよく使われる場面としては、討議や検討が十分になされて結論が出る段階に近づくことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、煮えて水分がなくなることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3は討議や検討が十分になされて結論が出る段階に近づくことの意味で使われています。討議や検討が十分になされて結論が出る段階に近づくことの意味の場合は、ビジネスシーンと日常生活の両方で使うことができます。
例文4と例文5は煮えて水分がなくなることの意味で使われています。煮えて水分がなくなることの意味の場合は、主に料理用語として使う言葉です。
行き詰まると煮詰まるは似ている日本語ですが、意味は異なっているので注意してください。結論が出ないことを表現したい場合は「行き詰まる」、結論が出る段階に近づいてることを表現したい場合は「煮詰まる」を使うと覚えておけば間違いありません。