似た意味を持つ「理屈」(読み方:りくつ)と「屁理屈」(読み方:へりくつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「理屈」と「屁理屈」という言葉は、どちらも道筋が通らないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
理屈と屁理屈の違い
理屈と屁理屈の意味の違い
理屈と屁理屈の違いを分かりやすく言うと、理屈は筋が通っている、屁理屈は筋が通っていないという違いです。
理屈と屁理屈の使い方の違い
一つ目の理屈を使った分かりやすい例としては、「彼は少し理屈っぽい所がある」「理屈をこねる人間は世の中にたくさんいる」「そんな理屈が通るほど甘くはない」「彼の言うことには十分理屈がある」などがあります。
二つ目の屁理屈を使った分かりやすい例としては、「旦那が屁理屈ばかり言う人で困っている」「屁理屈を言うなと怒られた」「彼女はよく屁理屈こねる人です」「屁理屈を言うのは辞めなさい」などがあります。
否定的なら理屈でなく屁理屈
理屈と屁理屈は、筋が通った話が理屈、筋が通らない話が屁理屈が簡単な違いになります。しかし、理屈は筋が通らないという意味があるため、否定的な意味しかないのが屁理屈、肯定的な意味があるのが理屈というのも違いになります。
理屈と屁理屈の英語表記の違い
理屈を英語にすると「reason」「logic」「theory」となり、例えば上記の「彼の言うことには十分理屈がある」を英語にすると「There is reason enough in that he says」となります。
一方、屁理屈を英語にすると「quibble」となり、例えば上記の「屁理屈を言うのは辞めなさい」を英語にすると「Stop saying quibble」となります。
理屈の意味
理屈とは
理屈とは、物事の道筋のことを意味しています。その他にも、無理に辻褄を合わせた論理の意味も持っています。
表現方法は「理屈を並べる」「理屈に合わない」「理屈をこねる」
「理屈を並べる」「理屈に合わない」「理屈をこねる」などが、理屈を使った一般的な表現方法です。
理屈の使い方
「理屈に合わないことはやらない主義です」「理屈通りに物事が運んでいる」などの文中で使われている理屈は、「物事の道筋のこと」の意味で使われています。
一方、「彼はいつも理屈をこねる」「そんな理屈が通るかと上司に怒られた」「すぐ理屈をこねる人は苦手です」「彼女は理屈でものを言う人なので少し苦手です」などの文中で使われている理屈は、「無理に辻褄を合わせた論理」の意味で使われています。
理屈は二つの意味を持っているのですが、この二つの意味が矛盾しているという少し変わった言葉になります。一つ目は物事の道筋が立っていることを意味しているのですが、二つ目は物事の道筋が立っていないという意味になっています。
そのため、プラスとマイナス両方のイメージを持つ言葉です。一つ目の意味はプラスのイメージ使い、二つ目の意味はマイナスのイメージで使います。
「理屈をこねる」「理屈で言うな」はマイナスの言葉
また、「理屈をこねる」「理屈で言うな」というフレーズをみたら、二つ目の意味でマイナスのイメージで使ってることが多いと覚えておきましょう。
「理屈っぽい」と「理屈詰め」の意味
理屈を使った辞書にある言葉としては、「理屈っぽい」「理屈詰め」などがあります。理屈っぽいとは、理屈を言う傾向があることを意味しています。理屈詰めとは、理屈で押し通すことを意味しています。
理屈の類語
理屈の類語・類義語としては、つまらない理屈のことを意味する「小理屈」、事柄の生じた理由や原因のことを意味する「事由」、物事がある状態に至るまでの理由や状態のことを意味する「事情」、物事の正しい道筋のことを意味する「道理」などがあります。
理屈の理の字を使った別の言葉としては、物事がそうなった根拠のことを意味する「理由」、道理に合わないことを意味する「理不尽」、道理にかなっていることと外れていることを意味する「理非」、理論に基づくことを意味する「理論的」などがあります。
屁理屈の意味
屁理屈とは
屁理屈とは、筋の通らない理屈のことを意味しています。
表現方法は「屁理屈ばかり言う」「屁理屈をこねる」
「屁理屈ばかり言う」「屁理屈をこねる」などが、屁理屈を使った一般的な表現方法です。
屁理屈の使い方
屁理屈を使った分かりやすい例としては、「彼氏が屁理屈ばかり言うので呆れてしまった」「屁理屈ばかり言うなと親に叱られた」「夫はよく屁理屈をこねる」「屁理屈と直接言われると腹が立つ」などがあります。
屁理屈は筋の通らない理屈のことを意味しているため、マイナスなイメージしか持たない言葉になります。そのため、屁理屈ばかり言う人にはならないように気を付けましょう。
屁理屈の由来
屁理屈の由来はおならです。おならのようにくだらない筋の通っていない理屈ということで、屁という言葉が付けられました。
屁理屈の類語
屁理屈の類語・類義語としては、道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論のことを意味する「詭弁」(読み方:きべん)、関係のない物事を無理に理由をつけ関係づけることを意味する「こじつけ」などがあります。
屁理屈の屁の字を使った別の言葉としては、何とも思わないことを意味する「屁の河童」(読み方:へのかっぱ)、問題とするに足りないことを意味する「屁でもない」、軽視にして問題にしないことを意味する「屁とも思わない」などがあります。
理屈の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の道筋のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、無理に辻褄を合わせた論理を表現したい時にも使います。
例文1は無理に辻褄を合わせた論理の意味で使われており、マイナスのイメージ持っています。また、例文3は物事の道筋の意味で使われており、プラスのイメージを持っています。
例文5のように理屈を言う傾向にある人に対しては理屈っぽいと表現することが多いです。
屁理屈の例文
この言葉がよく使われる場面としては、筋の通らない理屈のことを表現したい時などが挙げられます。
上記例文のように筋が通らない理屈のことを表現してるため、マイナスなイメージで使われる言葉になっています。
理屈と屁理屈の使い分けは、理屈は道筋が通ること、屁理屈は道筋が通らないことと覚えておくといいでしょう。また、理屈は道筋が通らない場合でも使えると覚えておいてください。