似た意味を持つ「低俗」(読み方:ていぞく)と「下品」(読み方:げひん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「低俗」と「下品」という言葉は、どちらも「品格に欠けるさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
低俗と下品の違い
低俗と下品の違いを分かりやすく言うと、低俗とは内容に価値がないこと、下品とは言動に品がないことという違いです。
一つ目の低俗を使った分かりやすい例としては、「彼は低俗なマンガばかり読んでいる」「彼の言動は本当に低俗極まりない」「昨夜観た映画は低俗極まりない作品でした」「YouTubeのコンテンツが低俗化している」などがあります。
二つ目の下品を使った分かりやすい例としては、「食事のマナーが悪い下品な人が嫌いです」「下品でえげつない見出しに誘われて週刊誌を買う」「下品すぎる広告をブロックしたい」「手皿は下品なのでやめましょう」などがあります。
低俗と下品という言葉は、どちらも品格に欠けるさまや教養が足りなさを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
低俗とは、性質や趣味などのレベルが低くて卑しいことを意味します。「低俗なマンガ」「コンテンツが低俗化している」のような使い方で、内容に知性や価値が感じられず、くだらない様子を表現する言葉です。
下品とは、品性が卑しいこと、卑しい行動や態度をとることを意味し、品性や品格のなさにフォーカスした言葉です。「下品な人」とは、言葉遣いが悪かったり、食べ方が汚かったり、立ち居振る舞いが卑しい人のことです。
つまり、低俗とは内容がくだらないことを表し、下品とは言動に品がないことを表現します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
低俗も下品も英語にすると「crude」「vulgar」「earthy」となり、例えば上記の「低俗なマンガ」を英語にすると「vulgar comics」となります。
低俗の意味
低俗とは、下品で俗っぽいこと、程度が低く趣味の悪いことを意味しています。
低俗を使った分かりやすい例としては、「職場の低俗な人との付き合い方に悩んでいます」「低俗番組は子どもに見せたくありません」「低俗かつ愚劣なセクハラ行為を表沙汰にする」「息子は低俗極まりないYouTubeチャンネルの虜です」などがあります。
その他にも、「暇さえあれば低俗なドラマばかり観ています」「クラスの問題児たちは低俗な争いを繰り広げています」「あんな低俗な人とは一生関わりたくない」「低俗な煽りは無視するに限ります」などがあります。
低俗の「俗」は世のならわしや、世間一般でありふれていることを表す漢字です。程度や価値などがひくいことを表す「低」と結び付き、低俗とは、教養や精神性などのレベルが低く、下品で俗っぽいことを意味します。
低俗を用いた日本語には「低俗番組」があります。低俗番組とは、テレビやラジオの番組のうち、教養や品位が低く、青少年に悪影響を及ぼすと見なされる番組を指す言葉です。多くは、特定の個人や団体の主観や価値観により判断されています。
低俗の対義語・反対語としては、学問や言行などの程度が高く上品なことを意味する「高尚」などがあります。
低俗の類語・類義語としては、考え方や行為などの水準の低いことを意味する「低次元」、低級で下品なことを意味する「俗悪」、下品で卑しいことや道義的に下等であることを意味する「下劣」、いかにもありふれていて品位に欠けることを意味する「俗っぽい」などがあります。
下品の意味
下品とは、品格や品性が劣ること、卑しいこと、また、そのさまを意味しています。
その他にも、「品質の劣った物」の意味も持っています。
「嫌な臭いがするのは下品な人の特徴です」「下品なくらいだしがうまいラーメン屋を紹介します」「この話は下品なんでやめておきますね」などの文中で使われている下品は、「品格や品性が劣ること、卑しいさま」の意味で使われています。
一方、「中国の観光地で下品をつかまされた」「戦後は下品が市場に出回っていました」「下品なんですが安さに惹かれて買ってしまいました」などの文中で使われている下品は、「品質の劣った物」の意味で使われています。
下品の読み方は「げひん」のほかに「げぼん」「かひん」とも読みます。読み方によって意味が変わるので注意してください。
下品とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。下品の「下」は階級や程度が低い方を表し、「品」は人や物に備わっている好ましい品格や品質を表す漢字です。
下品という言葉の語源は、仏教に由来します。仏教の世界では、極楽浄土へ往生する人は行いに応じて「上品・中品・下品」の3つに分けられ、下品は最も低い行いのランクです。次第に言動の質が低いことを表す意味に転じ、一般的に使用されるようになりました。
下品の対義語・反対語としては、品質のよいことや品格のあるさまを意味する「上品」などがあります。
下品の類語・類義語としては、物の品質や品性が劣っていることを意味する「下等」、品性が卑しいことを意味する「浅ましい」、慎みがなく礼儀にはずれたり品格に欠けたりして見苦しいことを意味する「はしたない」などがあります。
低俗の例文
この言葉がよく使われる場面としては、性質や趣味などの低級で卑しいことを表現したい時などが挙げられます。
例文3にある「低俗化」とは、品性や知的レベルを失い、下品で俗っぽいものへと程度が低下していくさまを表しています。
下品の例文
この言葉がよく使われる場面としては、品性や品格が卑しいこと、品質の劣った品物、下等の物を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある下品は、「品性や品格が卑しいこと」の意味で用いられています。例文5の下品は、「品質の劣った品物」の意味で使われています。
低俗と下品という言葉は、どちらも「品格に欠けるさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、内容がくだらないことを表現したい時は「低俗」を、言動に品がないことを表現したい時は「下品」を使うようにしましょう。