似た意味を持つ「先般」(読み方:せんぱん)と「先日」(読み方:せんじつ)と「過日」(読み方:かじつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「先般」と「先日」と「過日」という言葉は、近い過去を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
先般と先日と過日の違い
先般と先日と過日の意味の違い
先般と先日と過日の違いを分かりやすく言うと、先般は数日前から数か月前までを表現する時に使い、先日は数日前から1か月前を表現する時に使い、過日は数か月前から数年前を表現する時に使うという違いです。
先般は数日前から1か月前の少し近い過去
先般という言葉は、「先般の事件は起こるべくして起こった」「先般の事情により今回の件はさらに慎重になる必要がある」などの使い方で、数日前から1か月前の少し近い過去を意味します。
先日は数日前から数日前から1か月前の近い過去
先日という言葉は、「先日はお世話になりました」「先日助けて頂いたお礼です」などの使い方で、数日前から1か月前の非常に近い過去を意味します。
過日は数日前から数か月から数年前の遠い過去
過日という言葉は、「過日取引をさせてもらった業者と再び連絡を取る」「過日にお知らせしていた課題の配布を既に終えている」などの使い方で、数か月から数年前の記憶に残る程度のそこそこ遠い過去を意味します。
先般と先日と過日の使い分け方
どの言葉も明確に定義されているわけではないため、先般も過日も先日と同じような期間に対して使われることもあります。一般的には、現在に近い順に並べると、先日<先般<過日の順となります。
また、メールなどの文章の中で使うことが多いため、基本的に多いため日常会話のような口語的表現に先般や過日を使うことはあまりありません。「先日」や「以前」を代わりに使うことになります。
しかしながら、基本的に先般や過日は、口頭ではなくメールなどで使われることがほとんどですので、日常会話であれば先日もしくはこの間と言った言葉を使うのが一般的です。
先般の意味
先般とは
先般とは、先頃やこの間を意味しています。
先般の読み方
先般は「せんぱん」という読み方をします。先般の般には「めぐる」と言った訓読みもありますが、「せんめぐ」のような読み方はしません。
表現方法は「先般の諸事情」「先般はお忙しい中」「先般より」
先般を使った表現として、「先般の諸事情」「先般はお忙しい中」「先般お伝えした通り」「先般より」「先般送付いただきましたが」「先般頂戴した」などがあります。
先般の使い方
ビジネスシーンなどでよく見る言葉で、使われ方としては1か月前よりも今に近いタイミングで使われることが多いです。
先般の対義語
先般の対義語・反対語としては、今回やこの度を意味する「今般」(読み方:こんぱん)があります。
先般の類語
先般の類語・類義語としては、今より前の時点を意味する「以前」、もう昔のことになったと感じられるほどの過去を意味する「一昔」、今日から少し前の頃を意味する「先頃」があります。
先般の般の字を使った別の言葉としては、先頃やこの間を意味する「過般」、いろいろな事柄を意味する「諸般」、このたびや今般を意味する「這般」(読み方:しゃはん)、あらゆる方面を意味する「万般」(読み方:ばんぱん)などもあります。
先日の意味
先日とは
先日とは、近い過去のある日を意味しています。
先日の読み方
先日は「せんじつ」という読み方をしますが、「先日付」という表記になると「さきひづけ」と読むことができます。実際に振り出す日よりも将来の日付を記載した「先日付小切手」に使われていますが、本来の先日とは意味が全く異なります。
表現方法は「先日はありがとうございました」「先日頂戴した」「先日に引き続き」
先日を使った表現として、「先日はありがとうございました」「先日送付いたしました」「先日助けて頂いた」「先日頂戴した」「先日に引き続き」などがあります。
先日の使い方
ビジネスメールから日常会話までいつでも使うことができる言葉です。
ただし、昨日と明確に言い表せる場合は、先日ではなく昨日という言い方をするとより明確になります。
先日の対義語
先日の対義語・反対語としては、ある出来事よりも後の日を意味する「後日」があります。
先日の類語
先日の類語・類義語としては、過ぎ去った時を意味する「往時」、過去の日々を意味する「昔日」(読み方:せきじつ)があります。
先日の先の字を使った別の言葉としては、さきほどやさっきを意味する「先刻」、その家系に属した過去の人々を意味する「先祖」、先に出発することを意味する「先発」、物事が起ころうとするその直前を意味する「機先」などがあります。
過日の意味
過日とは
過日とは、過ぎ去ったある日を意味しています。
過日の読み方
過日は「かじつ」という読み方をしますが、「かにち」などの読み方はしません。
表現方法は「過日より」「過日におきましては」「過日着任致しました」
過日を使った表現として、「過日より」「過日におきましては」「過日着任致しました」「過日ご連絡致しました」などがあります。口頭での日常会話で過日という言葉を使うことはあまりありませんが、ビジネス文書などでは使われます。
過日の類語
過日の類語・類義語としては、現在より以前の時を意味する「過去」、過ぎ去った年を意味する「往年」があります。
過日の過の字を使った別の言葉としては、現在より以前の時を意味する「過去」、あることを目にしていながらそのまま放っておくことを意味する「看過」、知っていながら黙って見過ごすことを意味する「黙過」、有り余ることを意味する「過剰」などがあります。
先般の例文
この言葉がよく使われる場面としては、数日前から1か月前を意味する時などが挙げられます。
例文3の「先般来」とは、先ほどからずっと、先立ってから今までの間と言った意味になる言葉です。
先般という言葉は口頭で使われることはあまりなく、ほとんどがビジネス文書などに書かれている言葉です。
先日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、数日前から1か月前を意味する時などが挙げられます。
数日前ではなく昨日の出来事ような近い未来であれば、先日ではなく昨日を使うのが好ましいとされます。
過日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、数か月前から数年前を意味する時などが挙げられます。
過日は、先般よりも先日よりも以前の出来事に対して使うことができますが、記憶に残っているものに対してしか使うことができません。
先般と先日と過日どれを使うか迷った場合は、数日前から数か月前を表す場合は「先般」を、数日前から数週間前を表す場合は「先日」を、数か月前から数年前を表す場合は「過日」を使うと覚えておけば間違いありません。