似た意味を持つ「昆布」(読み方:こんぶ・こぶ)と「ワカメ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「昆布」と「ワカメ」という言葉は、どちらも海藻の種類を示す共通点があり、本来の意味は違いますが混同して使われる傾向があります。
昆布とワカメの違い
昆布とワカメの違いを分かりやすく言うと、コンブ目コンブ科の海藻のことか、コンブ目チガイソ科の海藻かの違いです。この二つは、まったく別種の海藻であると言えます。
昆布とは、アイヌ語が語源となった名称であり、コンブ目コンブ科の褐色の藻類です。食べられる海藻として知られています。日本では、東北や北海道地方に多く生息しているものです。「こんぶ」または「こぶ」と読まれます。
外見は、根・葉・茎に区別されていて、それぞれ食用として利用されます。昆布は「よろこぶ」という言葉に通じることから祝い事の席で食べられることが多く、当て字で「幸運夫」などと書かれることもあります。
一方、ワカメとは、昆布と同じコンブ目に分類される海藻です。昆布とは全く別の海藻ですが、大本の種目が同じ分類にあたります。ワカメはコンブ目チガイソ科の海藻です。
動植物の分類というのは、大きい順に「門(もん)」「綱(こう)」「目(もく)」「科(か)」「属(ぞく)」「種(しゅ)」の6段階があります。昆布とワカメは、そのうちの「目」の部分までが同じ分類の海藻です。
これは、人間とサルの関係と同じであると考えるとわかりやすいでしょう。人間はサル目ヒト科の動物です。対するサルはサル目の種族であると言えます。つまり、人間とサルは全く別の動物ですが、分類表の中では「目」の部分までは同一であると言えます。
昆布とワカメも人間とサルと同じような関係です。それぞれに違った海藻ではありますが、分類表で考えると途中までは同じ項目に該当するものであると言えます。
昆布の意味
昆布とは、コンブ目コンブ科の褐色の海藻を意味しています。固めの質感で、旨み成分であるグルタミン酸を豊富に含んでいる食用の海藻です。
昆布は、旨み成分を多く含んでいるため、ダシなどを取る際によく使用されます。また、固めの質感なので、長時間煮込んで味を染み込ませるような料理に向いている食材です。例えば、昆布煮や昆布巻き、昆布の佃煮などが挙げられます。
昆布は「よろこぶ」という言葉に通じることから、祝い事の席などで振舞われることの多い食材です。おせち料理や和食懐石料理などで使用されることが多いです。日本では古くから食用として存在しており、養殖も盛んです。
ワカメの意味
ワカメとは、コンブ目チガイソ科の褐色の海藻を意味しています。柔らかい質感で、短時間の加熱で調理が可能な食用の海藻です。柔らかいため、短時間の加熱だけで調理をすることが可能な食材であると言えます。
ワカメは、昆布と違い旨み成分をあまり含まない海藻なので、ダシを取ることは出来ません。その代わり、短時間の加熱で調理することが可能です。味噌汁や吸い物、酢の物やサラダなど、さっぱりとした料理に向いている食材です。
ワカメは乾燥が容易で軽いため、流通がしやすい食材であるとも言えます。また、古代から日本で広く食べられていた食材であり、縄文時代の遺跡からはワカメと同じ成分の植物が発見されています。
昆布の例文
この言葉がよく使われる場面としては、祝い事の席での料理を作る際などが挙げられます。昆布は固めの質感なので、ダシを取ったり、煮込み料理をする際に使われることが多いです。
昆布は、コンブ目コンブ科に属する海藻で、アイヌ語がその名の語源となっています。北海道などで養殖が盛んに行われている食材で、乾燥させた状態で商品化される場合が多いものです。
ワカメの例文
この言葉がよく使われる場面としては、味噌汁や吸い物などの料理を作る際などが挙げられます。ワカメは柔らかめの質感なので、短時間の加熱で完成する料理をする際に使われることが多いです。
ワカメは漢字で書くと「若布」「和布」「稚海藻」などと表記されますが、一般的にはカタカナで「ワカメ」、またはひらがなで「わかめ」と書かれることが多いです。外海の浅いところに生息していて、長さは約1メートルほどであるのが一般的です。
ワカメは古くから食用として親しまれてきたものであり、『万葉集』などにも食用として用いられていた記載が残っています。豊作祈願の神事などにも利用されていたという記録も残っています。