似た意味を持つ「模索」(読み方:もさく)と「探索」(読み方:たんさく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「模索」と「探索」という言葉は、どちらも探し求めることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
模索と探索の違い
模索と探索の意味の違い
模索と探索の違いを分かりやすく言うと、模索とは頭の中であれこれ考えることを表し、探索とは実際にあちこち動き回ることを表すという違いです。
模索と探索の使い方の違い
一つ目の模索を使った分かりやすい例としては、「解決策を暗中模索しています」「ワクチンの痛みを和らげる方法を模索する」「政権浮揚への打開策を模索する」「効果的な英語学習法を模索する」などがあります。
二つ目の探索を使った分かりやすい例としては、「災害時に探索救助犬が活躍する」「空き家の所有者を探索する」「リピート購買心理の探索的研究です」「探索的データ分析の手法をいくつか紹介します」などがあります。
模索と探索の使い分け方
模索と探索という言葉は、どちらも探し求めることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
模索とは、あれこれと考えながら事柄を探っていくことを意味します。「解決方法を模索する」「打開策を模索する」のように、頭の中で考えることのニュアンスが強い言葉です。
探索とは物のありかや人の行方などを探り求めることを意味します。「探索救助犬が活躍する」「建物を探索する」のように、実際に動き回って探しに行くニュアンスが強い言葉です。
模索と探索の英語表記の違い
模索を英語にすると「groping」「trials and errors」となり、例えば上記の「暗中模索」を英語にすると「groping in the dark」となります。
一方、探索を英語にすると「search」「lookup」「exploration」となり、例えば上記の「探索救助犬」を英語にすると「search-and-rescue dog」となります。
模索の意味
模索とは
模索とは、手さぐりで探し求めることを意味しています。
表現方法は「模索する」「模索できる」「模索を続ける」
「模索する」「模索できる」「模索を続ける」などが、模索を使った一般的な言い回しです。
模索の使い方
模索を使った分かりやすい例としては、「新しいビジネスを模索中です」「古着の有効活用を模索している」「在宅勤務の働き方は模索中です」「首相は衆院解散を模索している」「退社後の身の振り方は模索中です」などがあります。
その他にも、「契約にこぎつけられるか暗中模索の状況です」「保育園では感染対策の模索が続いている」「暗中模索状態だった私を友人が救ってくれた」「自分に合う英語の勉強方法を模索中です」などがあります。
模索と摸索の違い
模索は「摸索」とも書きますが、一般的には常用漢字である「模索」と表記されています。
模索の読み方
模索の読み方は「もさく」の他に「ぼさく」とも読みますが、「もさく」と読まれることが普通です。
模索の語源
模索という言葉の「模」は「摸」の代用字であり、手さぐりすることを表します。探すことや求めることを表す「索」と組み合わさり、模索とは、手さぐりで探し求めることを意味します。あれこれと試みながら、明らかにしたい事柄を探っていくことを表す言葉です。
「暗中模索」の意味
模索という言葉を用いた日本語に「暗中模索」があります。暗闇の中で手さぐりに探し求めることであり、転じて、手がかりのない状態でいろいろと試みることを意味します。見通しがない中でも、諦めずに努力するさまを表す四字熟語です。
模索の対義語
模索の対義語・反対語としては、まだ知られていなかったものを見つけ出すことを意味する「発見」、あきらめの気持ちを意味する「諦念」などがあります。
模索の類語
模索の類語・類義語としては、調べて探しだすことを意味する「検索」、確実な方法がわからないまま模索することを意味する「手探り」、多くの中から適当な人や物を探し出すことを意味する「物色」などがあります。
探索の意味
探索とは
探索とは、未知の事柄などをさぐり調べることを意味しています。
その他にも、罪人の行方や罪状などをさぐり調べることの意味も持っています。
表現方法は「探索する」「探索が行われる」「探索を楽しむ」
「探索する」「探索が行われる」「探索を楽しむ」などが、探索を使った一般的な言い回しです。
探索の使い方
「獲物を探索する獣がうろつく」「探索的テストの進め方を教えて下さい」「統計をもとに探索的因子分析を行う」「赤ちゃんが探索反射をする」「英語教育の探索的実践について学ぶ」などの文中で使われている探索は、「未知の事柄などをさぐり調べること」の意味で使われています。
一方、「宝石を盗んだ犯人を探してホテルを探索する」「探索先には容疑者の衣類が脱ぎ捨ててあった」「探索アルゴリズムを駆使してデータを集める」「テロ容疑者の探索にあたる」などの文中で使われている探索は、「罪人の行方や罪状などをさぐり調べること」の意味で使われています。
探索の語源
探索という言葉は、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「未知の事柄などをさぐり調べること」の意味で使われています。探索の「探」とは、所在の分からないものをさがし求めることを表します。
「探索的テスト」の意味
上記の例文にある「探索的テスト」とは、ソフトウェアテストの手法の一つです。テスト担当者が、 テスト実行とテスト内容の作成を同時並行で行うものです。
「探索反射」の意味
探索という言葉を用いた「探索反射」があります。生まれたばかりの赤ん坊の頬や口に何かが接した時、その方向に頭を向けたり、移動させたりすることによって目標を探そうとする動作のことです。新生児に備わっている原始反射のひとつです。
探索の対義語
探索の対義語・反対語としては、きっぱりと諦めることを意味する「断念」、あきらめることや断念するを意味する「思い切る」、途中でやめにすることを意味する「打ち切り」などがあります。
探索の類語
探索の類語・類義語としては、行方不明の人や物をさがし求めることを意味する「捜索」、捜して調べることを意味する「捜査」、細かい点まで調べ求めることを意味する「詮索」、未知の物事についてさぐり調べることを意味する「探査」などがあります。
模索の例文
この言葉がよく使われる場面としては、手探りで探すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、模索という言葉は、見当のつかない物事をあれこれと考えながら探っていくことを表します。
探索の例文
この言葉がよく使われる場面としては、未知の事柄などをさぐり調べること、 罪人の行方や罪状などをさぐり調べることを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「探索行動」とは、経験したことのない新しい刺激や新しい環境に対して注意を向け、近づいてそれが何であるかを探ろうとする行動のことです。例文4の「探索アルゴリズム」とは、複数あるデータ群の中から目的のデータを探し出す処理手順です。
模索と探索という言葉は、どちらも探し求めることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、頭の中で方法などを考えることを表現したい時は「模索」を、人や事柄を動き回って探すことを表現したい時は「探索」を使うようにしましょう。