似た意味を持つ「だるい」と「かったるい」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「だるい」と「かったるい」という言葉は、どちらも体が重く感じることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「だるい」と「かったるい」の違い
「だるい」と「かったるい」の意味の違い
「だるい」と「かったるい」の違いを分かりやすく言うと、「だるい」とは体の状態のみに使うこと、「かったるい」とは体の状態だけではなく気分にも使うという違いです。
「だるい」と「かったるい」の使い方の違い
一つ目の「だるい」を使った分かりやすい例としては、「体がだるいので学校を休みました」「高熱で全身がだるいので薬を飲んだ」「体がだるくて何もやる気がおきない」「睡眠不足で体がだるい」「なんとなく体がだるい」などがあります。
二つ目の「かったるい」を使った分かりやすい例としては、「趣味以外のことは全てかったるい」「テスト勉強するのがかったるい」「彼女はとてもかったるい女性です」「この質問はかったるいです」などがあります。
「だるい」と「かったるい」の使い分け方
「だるい」と「かったるい」はどちらも、体を動かすのが面倒という共通の意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いあります。
「だるい」は体の状態のみに使うのに対して、「かったるい」は体の状態だけではなく、気分に対しても使うと覚えておきましょう。また、「かったるい」は主に話し言葉として使われています。
「だるい」と「かったるい」の英語表記の違い
「だるい」を英語にすると「feel heavy」「feel dull」「feel woozy」「feel sluggish」となり、例えば上記の「なんとなく体がだるい」を英語にすると「I’m feeling sluggish」となります。
一方、「かったるい」を英語にすると「tired」「tiresome」「a pain」となり、例えば上記の「この質問はかったるいです」を英語にすると「This question is so tiresome」となります。
「だるい」の意味
「だるい」とは
「だるい」とは、疲れや病気などで体を動かすのが面倒なことを意味しています。
「だるい」の使い方
「だるい」を使った分かりやすい例としては、「体がだるいので会社を休むことにした」「寝すぎると体がだるくなることがあります」「体がだるいのに寝れなくて困っています」「激しい運動をしていないのに体がだるい」などがあります。
「だるい」の語源
「だるい」は、疲れや病気などで体を動かすのが面倒なことの意味を持つ日本古来の言葉で、「だるし」を口語にしたのが語源になります。
「だるい」の漢字表記
「だるい」を漢字にすると、「怠い」「懈い」となりますが、一般的に疲れているのは「怠い」の方で、「懈い」の漢字はあまり使われていません。
表現方法は「体がだるい」「足がだるい」「全身がだるい」
「体がだるい」「足がだるい」「全身がだるい」などが、「だるい」を使った一般的な言い回しになります。
「だるい」の類語
「だるい」の類語・類義語としては、酷く疲れを感じることを意味する「しんどい」、苦しさで耐えがたいことを意味する「辛い」、困難が多くて大変なことを意味する「厳しい」、困難であること意味する「骨が折れる」などがあります。
「だるい」を漢字にした「怠い」の怠の字を使った別の言葉としては、学問を怠けることを意味する「怠学」、怠けてだらしないことを意味する「怠惰」、しなければならないことを疎かにすることを意味する「怠慢」などがあります。
「かったるい」の意味
「かったるい」とは
「かったるい」とは、疲れていて体や気分が重く感じることを意味しています。その他にも、気分が乗らないことや、もどかしいことの意味も持っています。
「かったるい」の使い方
「かったるくて動くのが億劫です」「かったるくて何もする気が起きない」などの文中で使われている「かったるい」は、「疲れていて体や気分が重く感じること」の意味で使われています。
一方、「経験豊富な人にはかったるい仕事だと思います」「この人と話すのはとてもかったるい」などの文中で使われている「かったるい」は、「気分が乗らないことや、もどかしいこと」の意味で使われています。
「かったるい」の語源
「かったるい」は、平安時代の「カヒナダユシ」という言葉が促音化したの語源になります。「カヒナダユシ」の「カヒナ」は腕のことを意味しており、「ダユシ」はだるいことを意味しています。つまり、「カヒナダユシ」は腕が疲れたことを意味する言葉です。
時代が進むにつれて、腕だけではなく、体がだるいや気分が晴れないという意味で使われるようになり、それが転じて、もどかしいや物足りないという意味で使われるようになりました。
「かったるい」は関東の方言
「かったるい」は、若者が使う少し乱暴な言葉のイメージがありますが、全く違います。主に関東地方、特に北関東でよく使われている昔からある方言です。そのため、年配の方でも「かったるい」と使う人もいます。
「かったるい」と同じ意味を持つ関西の方言
主に関東地方で使われている言葉なので、関西地方ではあまり見かけないでしょう。関西地方では主に、「しんどい」という言葉で表現しています。
表現方法は「かったるい人」「○○するのがかったるい」
「かったるい人」「○○するのがかったるい」などが、「かったるい」を使った一般的な言い回しになります。
「かったるい」の類語
「かったるい」の類語・類義語としては、なんとなく怠いことを意味する「気怠い」、いかにも面倒に感じられることを意味する「面倒臭い」、面倒で気が進まないことを意味する「億劫」(読み方:おっくう)、面倒で避けたい気持ちのことを意味する「煩わしい」などがあります。
「だるい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、疲れや病気などで体を動かすのが面倒なことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、体が動かすのが辛い時によく使われる言葉です。
「かったるい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、疲れていて体や気分が重く感じることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、気分が乗らないことや、もどかしいことを表現したい時にも使います。
例文3は、疲れていて体や気分が重く感じることの意味で「かったるい」を使っています。また、例文4や例文5は、気分が乗らないことや、もどかしいことの意味で「かったるい」を表現しています。
「だるい」と「かったるい」どちらを使うか迷った場合は、「だるい」は体の状態のみに使うのに対して、「かったるい」は体の状態だけではなく、気分に対しても使うと覚えておけば問題ないでしょう。