似た意味を持つ「未熟者」(読み方:みじゅくもの)と「若輩者」(読み方:じゃくはいもの)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「未熟者」と「若輩者」という言葉は、どちらも経験が十分でない者を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
未熟者と若輩者の違い
未熟者と若輩者の意味の違い
未熟者と若輩者の違いを分かりやすく言うと、未熟者とは他人に紹介する時に使われず、若輩者とは他人に紹介する時にも使われるという違いです。
未熟者と若輩者の使い方の違い
一つ目の未熟者を使った分かりやすい例としては、「私なんてまだまだ未熟者です」「礼儀や世間を知らない未熟者ですが」「未熟者である自分を導いてくれた先輩方」「自分のことを未熟者だと謙遜している」などがあります。
二つ目の若輩者を使った分かりやすい例としては、「私のような若輩者が僭越ではございますが」「私のような若輩者で良いのだろうか」「若輩者ですが今後ともご指導よろしくお願いします」などがあります。
未熟者と若輩者の使い分け方
未熟者と若輩者という言葉は、どちらも「経験が十分でない者」を意味し、自分をへりくだって表現したい時に使われています。ビジネスシーンや結婚式など改まった場面において、挨拶の際に使われる表現です。
また、若輩者という言葉は、自分よりも目下の人間や部下を他の人に紹介するときに使われ、「彼はまだまだ若輩者ですが」などと紹介することがあります。一方、未熟者という言葉は、誰かを他の人に紹介する時に使われることはほとんどありません。
これらが未熟者と若輩者という言葉の違いになります。
未熟者と若輩者の英語表記の違い
未熟者も若輩者も英語にすると「novice」「inexperienced person」「green hand」となり、例えば上記の「まだまだ未熟者です」を英語にすると「be still novice」となります。
未熟者の意味
未熟者とは
未熟者とは、未熟な者、不慣れで技能が身に付いていない者を意味しています。
表現方法は「未熟者ではございますが」「まだまだ未熟者ですが」
「未熟者ではございますが」「まだまだ未熟者ですが」などが、未熟者を使った一般的な言い回しです。
未熟者の使い方
未熟者を使った分かりやすい例としては、「まだまだ未熟者ですが宜しくお願いします」「私なんかはまだまだ未熟者です」「私は今だ浅学非才の未熟者です」「この未熟者めが!思い知るがいい」などがあります。
その他にも、「未熟者ですが精一杯努めます」「自分が未熟者であることを痛感した」「息子は世間を知らない未熟者だ」「彼には未熟者の自覚がない」「この達成感は未熟者にはわかるまい」などがあります。
未熟者という言葉の「未熟」とは、学問や技芸、社会性、人格などがまだ十分に発達していないことや、経験が不十分なことを意味します。未熟者とは、不慣れで技能が身に付いていない人のことを表す言葉です。特にビジネスシーンでは、自分のことを謙遜する意味で使われています。
未熟者の対義語
未熟者の対義語・反対語としては、長年の経験を重ねその道に熟達した人を意味する「ベテラン」、ある分野に経験を積んで高度の技術をもっている人を意味する「エキスパート」、ある技術について熟練熟達した人を意味する「熟練者」などがあります。
未熟者の類語
未熟者の類語・類義語としては、まだ一人前でない者や幼稚な者を意味する「ひよっこ」、一人前の半分の働きしかしないことを意味する「半人前」、その道に入ったばかりでまだ未熟な者を意味する「初心者」などがあります。
若輩者の意味
若輩者とは
若輩者とは、年齢が若く、経験の浅い者を意味しています。
表現方法は「若輩者ですが」「若輩者ながら」「若輩者ではございますが」
「若輩者ですが」「若輩者ながら」「若輩者ではございますが」などが、若輩者を使った一般的な言い回しです。
若輩者の使い方
若輩者を使った分かりやすい例としては、「若輩者の私が言うのもはばかられますが」「若輩者ですが精いっぱい頑張ります」「若輩者ながらご一緒させていただき幸いです」「私のような若輩者の意見も聞き入れてくださった」などがあります。
その他にも、「若輩者ではございますがご期待に沿うよう頑張ります」「若輩者であり甚だ微力ではございますが」「平均年齢20代という若輩者揃いの会社です」「若輩者が出過ぎた真似をするな」などがあります。
若輩者という言葉の「若輩」とは、年が若い者のことや、未熟で経験の浅いことを意味する、自分を卑下していう言葉です。若輩者とは単に年の若い人や、年齢が若く経験の浅い人のことの意味ですが、主に、年配者が自分をへりくだって表現するときに使われています。
若輩者は弱輩者とも書く
若輩者は「弱輩者」と書き表すこともできますが、一般的には「若輩者」と表記されています。
若輩者の対義語
若輩者の対義語・反対語としては、年をとった人々や老人がみずからをへりくだっていうことを意味する「老輩」、ある分野について特に多くの経験を積んでいる人を意味する「経験者」、腕力や技能のすぐれている人を意味する「腕達者」などがあります。
若輩者の類語
若輩者の類語・類義語としては、経験の浅い年若い男を意味する「青二才」、若者や未熟者をあざけっていうことを意味する「若造」、まだ成年に達しないことを意味する「未成年」などがあります。
未熟者の例文
この言葉がよく使われる場面としては、未熟な者、不慣れで技能が身に付いていない者を表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2にある「未熟者ですが」「未熟者ではございますが」は、「若輩者ですが」「至らない点が多いですが」「至らない点が多々あるかと思いますが」などと言い換えることができます。
若輩者の例文
この言葉がよく使われる場面としては、経験が浅く未熟な者、年齢が若い者を表現したい時などが挙げられます。
例文4と例文5は、結婚式のスピーチでの一例です。例文4は結婚する当人のスピーチであり、自分をへりくだる表現として「若輩者」という言葉が使われています。例文5は、両家親族代表の謝辞であり、結婚する二人のことを未熟な「若輩者」として紹介しています。
未熟者と若輩者という言葉は、どちらも「経験が十分でない者」を意味し、ビジネスシーンなどで自分をへりくだった表現をしたい時に使われています。ただし、部下や目下の人を他の人に紹介する場合は、未熟者ではなく若輩者を使うようにしましょう。