似た意味を持つ「気にする」(読み方:きにする)と「気になる」(読み方:きになる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「気にする」と「気になる」という言葉は、どちらもあることを意識することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「気にする」と「気になる」の違い
「気にする」と「気になる」の意味の違い
「気にする」と「気になる」の違いを分かりやすく言うと、「気にする」は主体的に意識が向いてる時に使う、「気になる」は外的な要因によって意識を向けざるを得ない状態になっている時に使うという違いです。
「気にする」と「気になる」の使い方の違い
一つ目の「気にする」を使った分かりやすい例としては、「他人が何と言おうと気にするな」「この件に関してはあなたが気にすることはありません」「体重を気にすることが多くなってきた」「人の噂なんか気にするな」などがあります。
二つ目の「気になる」を使った分かりやすい例としては、「同じクラスに気になる女子がいます」「さっき受けたテストの結果が気になる」「来週最終回のドラマの結末が気になる」「実は最近気になる人ができました」「私のクラスに気になる人がいる」などがあります。
「気にする」と「気になる」の使い分け方
「気にする」と「気になる」はどちらもあることを意識することの意味で使われている言葉ですが、少し違いがあるので注意が必要です。
「気にする」は他動詞で、「怪我をさせてしまった彼のことを気にする」のように、意識が彼の方に自ずと向いている場合に使います。つまり、「気にする」は主体的に意識が向いてる時に使う言葉です。
一方、「気になる」は自動詞で、「飼い犬の様子がいつもと違うので気になる」のように、無意識にでもそのような状態になってしまう場合に使います。つまり、「気になる」は外的な要因によって意識を向けざるを得ない状態になっている時に使うというのが違いです。
「気にする」と「気になる」の英語表記の違い
「気にする」を英語にすると「mind」「worry」「care」となり、例えば上記の「人の噂なんか気にするな」を英語にすると「Don’t worry about what people say」となります。
一方、「気になる」を英語にすると「bother」「be interested in」「be curious about」となり、例えば上記の「私のクラスに気になる人がいる」を英語にすると「I’m kind of interested in my class」となります。
「気にする」の意味
「気にする」とは
「気にする」とは、心にとめて不安になることを意味しています。
表現方法は「気にするな」「気にする性格」「気にする必要」
「気にするな」「気にする性格」「気にする必要」などが、「気にする」を使った一般的な言い回しになります。
「気にする」の使い方
「気にする」を使った分かりやすい例としては、「一回ミスしたくらい気にするなよと上司に言われました」「細かいことを気にする必要はありません」「人目を気にする性格を直したいです」「彼女は批判を気にする性格です」などがあります。
「気にする」は意識や心などの状態や働きのことを意味する「気」に、ある動作や行為を行うことを意味する「する」が合わさり、心にとめて不安になることの意味で使われている慣用句です。
慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。
「気にする」は、「手が触れあった彼女のことを気にする」のように、他動詞として使います。他動詞とは、その動詞の表す動作や作用が直接他に働きかけたり、他をつくり出したりする働きとして成り立つものことです。
つまり、「気にする」は主体的に意識が向いてる時に使う言葉と覚えておきましょう。
また、「気にする」は心にとめて不安に思うことや心配になるなどの、基本的にマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。
「気にする」の類語
「気にする」の類語・類義語としては、心にとめて考えることを意味する「気にかける」、他人の身の上や心情を推し量って同情することを意味する「思いやる」、心を配ることを意味する「配慮する」などがあります。
「気になる」の意味
「気になる」とは
「気になる」とは、心配になることを意味しています。
表現方法は「気になる人」「気になること」
「気になる人」「気になること」などが、「気になる」を使った一般的な言い回しになります。
「気になる」の使い方
「気になる」を使った分かりやすい例としては、「隣りの席の男子が凄く気になる」「最近の気になるニュースは少子化対策です」「気になることがあれば何でも質問してください」「先週受験した資格試験の結果が気になる」などがあります。
「気になる」は意識や心などの状態や働きのことを意味する「気」に、ある働きのことを意味する「なる」が合わさり、心配になることの意味で使われている慣用句です。
「気になる」は「息子の様子が普段と違うので気になる」のように、自動詞として使います。自動詞とは、動作主体の動作や作用が他に及ばないで、それ自身の働きとして述べられる動詞のことです。
つまり、外的な要因によって意識を向けざるを得ない状態になっている時に使う言葉と覚えておきましょう。
「気になる」の類語
「気になる」の類語・類義語としては、どうなるかと不安で心から離れないことを意味する「気がかり」、気にかけてめんどうをみることを意味する「心配する」、気にかかって不安に思うことを意味する「懸念がある」などがあります。
「気にする」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、心にとめて不安になることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「気にする」は主体的に意識が向いてる時に使う言葉です。
「気になる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、心配になることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「気になる」は外的な要因によって意識を向けざるを得ない状態になっている時に使う言葉です。
「気にする」と「気になる」はどちらもあることを意識することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、主体的に意識が向いている時は「気にする」、外的な要因によって意識を向けざるを得ない状態になっている時は「気になる」を使うと覚えておきましょう。