【年季】と【年期】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「ねんき」という読み方の「年季」と「年期」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「年季」と「年期」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




年季と年期の違い

年季と年期の意味の違い

年季と年期の違いを分かりやすく言うと、年季とは年季奉公や長い年月を表し、年期とは年単位の期間を表すという違いです。

年季と年期の使い方の違い

一つ目の年季を使った分かりやすい例としては、「年季が明ける時期が待ち遠しい」「年季奉公のために家を離れる」「もっと年季を入れないと一人前の職人にはなれないよ」「年季の入ったアパートに住む」などがあります。

二つ目の年期を使った分かりやすい例としては、「ライセンスは年期契約となります」「年期を定めて雇用する」「使っていない土地を年期売りする」「年期小作なので畑はいずれ地主に返します」でなどがあります。

年季と年期の使い分け方

年季と年期という言葉は、どちらも「ねんき」と読み、ある事柄において定まっている期間を表しますが、厳密な意味や使い方は異なります。

年季とは、かつて奉公人を雇うときに定めた年限のことを意味し、現在では「年季を入れる」「年季が入る」のような慣用表現で、長い年月を指すようになりました。一方の年期とは、契約などで一年を単位とする期間を意味する言葉です。

なお、「年期が入る」「年期を入れる」は誤用となります。年月が経っていることを表したい時には年期ではなく年季を使うと覚えておきましょう。

年季と年期の英語表記の違い

年季も年期も英語にすると「term of service」「year period」となり、例えば上記の「年季が明ける時期」を英語にすると「time when one’s term of service is up」となります。

年季の意味

年季とは

年季とは、奉公する約束の年限を意味しています。

その他にも、年季奉公の略の意味も持っています。

年季の使い方

「建築職人の年季明けお披露目会があります」「年季が入ると貫禄がでる」「年季の入った技を見せた」「年季を感じる建物ですね」などの文中で使われている年季は、「奉公する約束の年限」の意味で使われています。

一方、「借金の代わりに年季に出る」「昔は年季と言う雇用形態があった」「年季の給金は全て実家に送っています」「年季の使用人たちは住み込みで働いていました」などの文中で使われている年季は、「年季奉公の略」の意味で使われています。

年季の由来

年季という言葉は、年数や期間を定めて住み込みで働くことを意味する「年季奉公」が由来となっています。年季の「季」とは、ある一定の期間や年月の区分を表します。辞書の定義上では、「奉公する約束の年限」や「年季奉公」を意味する言葉ですが、慣用句になると、少し違う意味で使われています。

表現方法は「年季が入る」「年季を入れる」「年季が違う」

年季は、期間を定めて働くという意味が転じて、「年月が経っていること」や「経験があって熟練していること」を表し、「年季が入る」「年季を入れる」「年季が違う」などの慣用句として使われています。

「年季が入る」とは、長い間修練を積んで確かな腕をしていることや、道具などが長く使い込まれて老朽化していることを意味します。「年季を入れる」とは、長い間努力してその仕事を修練することを表します。

年季の類語

年季の類語・類義語としては、ある職務に就いている期間を意味する「任期」、他人の家に雇われてその家事家業に従事することを意味する「奉公」などがあります。

年期の意味

年期とは

年期とは、1年を単位として定めた期間、また、ある事をするように約束させられている期間を意味しています。

年期の使い方

年期を使った分かりやすい例としては、「年期小作で一定の収入を得ている」「年期契約の預金を解約する」「契約書における年期の定義を教えてもらう」「5年期の個人向け国債を買うことにした」などがあります。

その他にも、「先祖代々の土地を年期売することにした」「年期が定められているお仕事です」「我が社は年期で区切って人事評価している」「賃貸契約の年期契約延長を申し出る」「曾祖父は年期婿だったらしい」などがあります。

年期という言葉の「期」とは、区切られた一定の時間や決められた日時を表します。年期とは、一年を単位とする期間を意味し、ある事をするように義務づけられた期間という意味でも使われる言葉です。

「年期婿」の意味

上記の例文にある「年期婿」とは、婿が3年や5年など、年期を定めて妻家に住み込みで働き、その年限を勤めあげて初めて妻を自家に引き取るという婚姻習俗のことです。特に東北地方で行われていました。

「年期小作」の意味

年期という言葉を用いた日本語には「年期小作」があり、年期を定め、耕作地を他に貸して小作料を取ることを意味します。対する言葉には「永小作」があり、こちらは小作人が長期の耕作権を有する小作関係を表します。

年期の類語

年期の類語・類義語としては、あることが行われる時期が定まっていることや一定の期間を意味する「定期」、前もって決められた一定の時期や期間を意味する「期限」などがあります。

年季の例文

1.家屋に年季が入るのは仕方ないが、掃除が行き届いてないのはいかがなものかと思う。
2.サックス奏者として大成するために、ジャズの本場ニューヨークで年季を入れるつもりだ。
3.吉原の遊女たちは30歳前には年季が明けるとされましたが、大半はその前に寿命が尽きていたそうです。
4.昔ながらの雰囲気と年季を感じるお店で食べるお蕎麦は、より一層味わい深く感じる。
5.期待の新人とか言われているけど、この道10年の私が年季が違うということを思い知らせてやる。
6.イギリスに留学している友人のアパートに訪れたところ、映画に出てきそうな年季の入ったエレベーター乗るのがとても怖かった。
7.たとえばワインも、ウイスキーも年季が入るとおいしくなるのだから年齢を重ねてくると人間としての旨味も出てくるのだろうと思う。
8.東京に住んでいると言うからどんなところに住んでいるのか訪ねたらずいぶんと年季の入ったアパートだったから笑ってしまった。
9.製品の現場を訪ねるために工場に行くとそこには年季の入った人たちばかりだったが、その仕事は神業で圧倒されてしまった。
10.むかしの映画の編集は実際にフィルムを切り貼りしていたというのだから年季の入った職人技が物をいう世界だったのだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、奉公する約束の年限、年季奉公の略を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「年季が明ける」とは、年季奉公の期限が終わることを表します。例文4にある「年季を感じる」とは、何かを見て、それが長い年月を経ていると感じることです。例文5にある「年季が違う」とは、俗に、長い間の経験に裏打ちされているさまを誇る時に使われる表現です。

年期の例文

1.技術習得に二年という年期を決めて、故郷に戻って仕事をすると決めていた。
2.昔の不動産取引の形態には、「永代売」と「年期売」があり、現代の日本では永代売が基本となっています。
3.年期小作には小作契約期間がありますが、永小作には小作契約期間がありません。
4.年期などの期間が定められた定期預金の方が普通預金より利率が良いので、使っていない預金はそちらに移している。
5.令和2年期の社内表彰式は、状況を鑑みてリモート表彰式となりました。
6.インターネットプロバイダの年期契約の更新の時期に、べつの新しいプロバイダがオトクなプランを発表しているから乗り換えようかと考えている。
7.賃貸契約の年期契約を延長する時期なのだが、忙しくて更新手続きをする時間もないので、電話でその旨伝えることにした。
8.やっと職を得たと言っても年期が定められている仕事だったので、その時期が来たらまた無職になりかねないのだ。
9.友達から言われて気づいたのだが、わたしの幼少年期の記憶がすっぽり抜けていて、まるで記憶喪失にでもあったような気持ちになった。
10.ある文豪は老年期にさしかかってもなお創作意欲は衰えず、現在大作を執筆中とのことでファンは出版を楽しみにしているそうだ。

この言葉がよく使われる場面としては、1年を単位として定めた期間、ある事をするように約束させられている期間を表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「年期売」とは、土地などの物件を一定期間売却し代価を受け取り、契約期間終了後に売主の手に戻る有期売買契約のことです。「永代売」とは、永久に売る売却の意味で、中世の土地売買契約書において使われた言葉です。

年季と年期という言葉は、どちらも「ねんき」と読み、ある事柄の定まっている期間を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、奉公する約束の年限や長い年月を表現したい時は「年季」を、1年を単位として定めた期間を表現したい時は「年期」を使うようにしましょう。

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