【根気】と【根性】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「根気」(読み方:こんき)と「根性」(読み方:こんじょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「根気」と「根性」という言葉は、どちらも「粘り強いさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




根気と根性の違い

根気と根性の意味の違い

根気と根性の違いを分かりやすく言うと、根気とは粘り強さのみを表し、根性とは粘り強さだけでなく生まれ持った性質も表すという違いです。

根気と根性の使い方の違い

一つ目の根気を使った分かりやすい例としては、「決めたことは根気よく続けるべきです」「困難な環境でも根気よく前進し続ける」「根気よく体質改善をしていこう」「地球温暖化対策は根気のいる取り組みです」などがあります。

二つ目の根性を使った分かりやすい例としては、「根性がない自分を情けなく思う」「彼女は見上げた根性の持ち主だ」「やじ馬根性まる出しの母が恥ずかしい」「否定されると根性曲がりに拍車がかかる」「根性坐骨神経痛に悩まされています」などがあります。

根気と根性の使い分け方

根気と根性という言葉は、どちらも粘り強く最後までやり通そうとするさまを意味します。この意味で用いられている「根気のいる取り組み」「根性がない自分」の根気と根性は、互いに置き換えても意味は変わりません。

さらに根性という言葉は、「その人の本来的に持っている性質、生まれつきの性質」の意味でも使用されています。この意味は「根気」にはないので、「やじ馬根性」「根性曲がり」の根性は、根気という言葉に置き換えることはできません。

つまり、根気は粘り強さのみを意味しますが、根性は粘り強さだけでなく本来敵に持っている気質の意味もあります。二つの言葉を比べると、根気よりも根性の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

根気と根性の英語表記の違い

根気を英語にすると「patience」「perseverance」「endurance」となり、例えば上記の「根気よく」を英語にすると「with patience」となります。

一方、根性を英語にすると「spirit」「tenacity」「guts」となり、例えば上記の「根性がない」を英語にすると「have no guts」となります。

根気の意味

根気とは

根気とは、物事を飽きずに長くやり続ける気力、こんを意味しています。

根気の読み方

根気の読み方は「こんき」です。誤って「こんけ」「ねき」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「根気強く」「根気がいる」

「根気強く」「根気がいる」などが、根気を使った一般的な言い回しです。

根気の使い方

根気を使った分かりやすい例としては、「小さいうちに子どもの根気を養う」「根気強く取り組んでビジネスチャンスを掴もう」「根気がないから達成できないのです」「SNSのフォロワーを根気よく増やし続ける」などがあります。

その他にも、「根気強さは私の長所の一つです」「根気強い父を尊敬しています」「根気がない子どもが増えている」「根気がないので仕事が続きません」「米作りは根気のいる作業です」「根気強くモラハラの証拠を集める」などがあります。

根気の「根」は訓読みで「ね」と読み、物事に耐えうる気力、頑張りを表します。心の働きや気持ちを表す「気」と結びつき、根気とは、一つのことを途中で投げ出さずに行い続ける精神力を意味します。

「根気負け」の意味

根気を用いた日本語には「根気負け」があります。根気負けとは、飽きずに我慢強く続ける気力がなくなって、ついには負けることを意味します。「粘り負け」と言い換えられる言葉です。対する言葉には「根気勝ち」「粘り勝ち」があります。

根気の対義語

根気の対義語・反対語としては、物事に飽きやすく長続きしないことを意味する「三日坊主」などがあります。

根気の類語

根気の類語・類義語としては、辛いことや苦しみなどを耐えしのぶ力を意味する「忍耐力」、一つの物事にじっと耐える精神力を意味する「気根」、物事を成し遂げようと集中した体力と精神力を意味する「精根」などがあります。

根性の意味

根性とは

根性とは、その人の本来的に持っている性質、しょうね、あるものに特有の性質を意味しています。

その他にも、「物事をあくまでやり通す、たくましい精神や気力」の意味も持っています。

根性の読み方

根性の読み方は「こんじょう」です。誤って「こんせい」「こんしょう」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「根性がある」「根性が悪い」「根性がない」

「根性がある」「根性が悪い」「根性がない」などが、根性を使った一般的な言い回しです。

根性の使い方

「今のクラスには根性の腐った奴ばかりいる」「彼女は根性が悪いので嫌われています」「彼らには泥棒根性が染みついている」などの文中で使われている根性は、「その人の本来的に持っている性質」の意味で使われています。

一方、「昭和の根性論を押し付けないで欲しい」「根性で膨大な英語の宿題を終わらせました」「タバコの根性焼きの跡は消えないものです」などの文中で使われている根性は、「物事をやり通す精神や気力」の意味で使われています。

根性とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。根性の「根」は物事に飽きずに耐えうる力、「性」は人の生まれつきや性質を表す漢字です。

根性の語源

根性の語源は、仏教用語に由来します。根性は、もともと仏さまの教えを受ける能力や性質を意味しました。いつしか根性という言葉は「性質」や「気質」の意味で一般的に用いられ、さらには事を成し遂げようとする強い気力も表すようになりました。

根性の対義語

根性の対義語・反対語としては、やる気のないことを意味する「無気力」などがあります。

根性の類語

根性の類語・類義語としては、生まれつきの性質や才能を意味する「資質」、何かをやり抜こうとする意志の力を意味する「精神力」、物事を成しとげようとする精神の力を意味する「気力」、がんばる気力や根性を意味する「ガッツ」などがあります。

根気の例文

1.先輩達が根気強く指導してくれたおかげで、部活で活躍できるようになりました。
2.どんな小さな夢でも、実現するためには根気と忍耐が不可欠です。
3.化石の発掘は、イメージしていたよりも地味で根気がいる作業でした。
4.先生が根気よくレッスンしてくれたので、英語の勉強を続けることができました。
5.何事にも飽きっぽくて根気がない子は、ある病気を患っているのかもしれません。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を飽きずに我慢づよく続ける気力を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、根気の慣用的な言い回しには「根気強く」「根気がいる」「根気よく」「根気がない」などがあります。「根気がいる」とは、物事を飽きずに我慢強くやり続ける気力が必要なことを意味します。

根性の例文

1.根性が悪い女はどこにでもいるので、適度な距離感を保つことが大事です。
2.島国根性は日本特有の国民性ではなく、英語圏にもそのような人はいます。
3.か弱そうな見た目なのに根性がある女子は、そのギャップから男女を問わずモテるでしょう。
4.意気地なしとよく言われますが、根性がないとは言われたことがありません。
5.つらい状況や理不尽な環境に身を置いた方が、根性がつくのかもしれません。

この言葉がよく使われる場面としては、生まれつきの性質、事を成し遂げようとする強い気力を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、根性の慣用的な言い回しには「根性が悪い」「根性がある」「根性がない」「根性がつく」などがあります。「根性が悪い」とは、性格や心がけが良くないことを意味します。「根性がつく」とは、物事をやり抜く精神力があることを意味します。

根気と根性という言葉は、どちらも「粘り強さ、忍耐力」を表します。さらに「根性」という言葉は、その人の持っている性格や気質も意味することを覚えておきましょう。

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