【スキーム】と【フロー】と【ロジック】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「スキーム」と「フロー」と「ロジック」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「スキーム」と「フロー」と「ロジック」という言葉はビジネスシーンで使われるという共通点がありますが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。




スキームとフローとロジックの違い

スキームとフローとロジックの意味の違い

スキームとフローとロジックの違いを分かりやすく言うと、スキームは計画や枠組みを表現する時に使い、フローは処理の手順を表現する時に使い、ロジックは問題解決の筋道を表現する時に使うという違いです。

スキームとフローとロジックの使い方の違い

スキームという言葉は、「スキームを組んでから情報の共有を行う」「スキーム図は企業ホームページのわかりやすいところに掲載されている」などの使い方で、計画や枠組みを意味します。

フローという言葉は、「フローチャートは誰にでも有効な作業案内図の一つだ」「フローを確認して作業に挑む」などの使い方で、物事の流れを意味します。

ロジックという言葉は、「ロジックを利用したサスペンス小説は売れ行き好調だった」「問題解決のためにロジックツリーを作ってみる」などの使い方で、論理や議論の筋道を意味します。

スキームとフローとロジックの使い分け方

これらの言葉を使った、「スキーム図」「フローチャート」「ロジックツリー」は、どれも図や表、イラストなどで物事を分かりやすくしたものですが、それぞれ用途が違います。

スキームは計画や物事の枠組みに、フローは作業や処理の手順に、ロジックは問題の解決までの筋道に対して使う言葉です。

そのため、スキーム、フロー、ロジックを視覚的に表現すると、結果的に同じような図になりますが、それらが示すものや使われる目的が異なります。

これが、スキーム、フロー、ロジックの明確な違いです。

スキームの意味

スキームとは

スキームとは、計画や枠組みを意味しています。

スキームの語源

スキームは、本来英語で「scheme」と表記される言葉です。ギリシア語で枠組みを持った計画という意味を持つ言葉を語源とする言葉です。

同じような言葉に、「スキーマ」がありますが、こちらは図や図式、計画を意味する言葉ですが、様々な分野で広く用いられる言葉です。

スキームとスキーマはほとんど同じ意味ですが、スキームの方が完成度が高く、スキーマはその手前の状態を表すと区別されています。

表現方法は「スキームを組む」「スキームを作る」「スキームを構築する」

「スキームを組む」「スキームを作る」「スキームを構築する」などが、スキームを使った一般的な言い回しです。

スキームの類語

スキームの類語・類義語としては、自分の目的を達成するための計画を意味する「策略」、これからしようとする物事についてその内容や規模などを考え骨組みをまとめることを意味する「構想」、将来を見通しての方策を意味する「戦略」などがあります。

フローの意味

フローとは

フローとは、物事の流れを意味しています。

その他にも、一定期間の間で流れ動く金銭や商品などの量を意味する経済用語としても使われます。

表現方法は「フローを確立する」「フローを回す」「フローを進める」

「フローを確立する」「フローを回す」「フローを進める」などが、フローを使った一般的な言い回しです。

フローを使った言葉として、「フローチャート」「オーバーフロー」があります。

「フローチャート」の意味

一つ目の「フローチャート」とは、作業や処理の手順を図式化したものを指す言葉で、フロー図などとも呼ばれます。

作業方法を視覚的に表すことができるため、処理するための手順を追いやすく、問題があった場合に改善や修正をすることが簡単になります。また、情報の共有や説明にも役立てることができ、文字だけではなく記号やイラストも多く使われます。

「オーバーフロー」の意味

二つ目の「オーバーフロー」とは、内容物が容器から溢れることを意味することから、河川などが氾濫することや、その氾濫した水を排出するための設備を指します。

フローの対義語

フローの対義語・反対語としては、国民全体が保有する資産を意味する「ストック」があります。

フローの類語

フローの類語・類義語としては、流れ動くことを意味する「流動」、流れて外へ出ることを意味する「流出」、貨幣や商品などが経済界や市場で移転されることを意味する「流通」などがあります。

ロジックの意味

ロジックとは

ロジックとは、論理や議論の筋道を意味しています。

表現方法は「ロジックを組む」「ロジックを立てる」「ロジックを考える」

「ロジックを組む」「ロジックを立てる」「ロジックを考える」などが、ロジックを使った一般的な言い回しです。

ロジックを使った言葉として、「ロジックボム」「お絵かきロジック」があります。

「ロジックボム」の意味

一つ目の「ロジックボム」とは、あらかじめ設定された日時や定められたデータが入力されるなどをきっかけとして、自動的に動作を開始するプログラムを指す言葉です。

データの消去、改ざんであったり、他のコンピュータへの侵入などを行う、いわゆるコンピューターウイルスなどと同じように扱われます。ウイルスとは感染するか否かが大きな違いとなります。

「お絵かきロジック」の意味

二つ目の「お絵かきロジック」とは、縦と横の数字をヒントに塗りつぶすマス目を推理し、塗っていくと最終的にイラストや文字が浮かび上がるパズルゲームです。イラストロジックなどとも呼ばれているゲームです。

ロジックの類語

ロジックの類語・類義語としては、無理に辻褄を合わせた論理を意味する「理屈」、筋道を立て組み立てられた知識の体系を意味する「理論」、議論を進めていく筋道の立て方を意味する「論法」、論の筋道を組み立てることを意味する「立論」などがあります。

スキームの例文

1.スキームを組むことによって、目標のために必要な人員や材料などを把握することができる。
2.年度末に次年度の事業スキームの再確認をするために、社員全員を集めて会合が行われた。
3.次の会議までにプロジェクトのスキーム図を作成してレジュメを作っておきたい。
4.全世界的なパンデミック以降、いわゆるオフィスワークに関しては、場所の共有を第一義とするような働き方は淘汰されつつある。このような労働スキームの変化は、パンデミック以降も継続されていくだろう。
5.これからの日本は日米同盟以外の自主防衛のスキームを構築しつつ、西側諸国との協力体制も構築しなければならない。
6.新しいプロジェクトを立ち上げる際にはまず基本的なスキームを練ることから始めなくてはならないだろう。
7.海外事業セミナーでは中小企業が発展途上国へ進出する際のふたつの重要なスキームについて解説がなされた。
8.仮想通貨で資産構築するスキームについてはリスクマネジメントがしっかりしていないとうまくいかないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、計画や枠組みを意味する時などが挙げられます。

例文1の「スキームを組む」とは、枠組みを作ることを意味します。

例文2の「事業スキーム」は、事業計画と言い換えることができます。

フローの例文

1.フローチャートを作成して、これから新しく入ってくるアルバイトの子たちの教育に役立てる。
2.プレゼンの前にフローを確認しても緊張して頭になかなか入ってこずに更に頭が真っ白になりそうになる。
3.ウェブサイトに掲載するフローのデザインはわかりやすいものでなければ、多くの人に見てもらえないだろう。
4.申し込みのフローが煩雑すぎます。もっと顧客目線で簡潔なものに作り直さないと届けたい人に届かないですよ。
5.残業時間を削減し、人件費を削減したいのであれば、社員の能力云々より、単純に作業フローを見直したほうがいいと思います。
6.イベント当日の作業分担と時間割が一覧できるよう、簡単ですがフローチャートをつくりました。あとで見ておいてもらえますか。
7.わたしは仕事でケアレスミスが多かったので、一つ一つの作業をフローチャートにして細分化したところ、ミスが大幅に減少した。
8.国民経済を見るときはストックとフローのふたつに分けてみることではじめて全体像がわかるというものだ。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の流れを意味する時などが挙げられます。

例文1の「フローチャート」とは物事の流れを矢印などを使って表すための図で、フロー図とも言い換えることができます。

ロジックの例文

1.緻密なロジックが非常に面白いと、無名な作家の本格ミステリが本屋で大きく取り上げられていた。
2.ロジックツリーを作成することで、発生した問題を客観的に把握することができ、原因を特定しやすくなるだろう。
3.最近はスマートフォンで手軽に取り組めるロジックパズルについ時間を割いてしまう。
4.政府による緊急事態宣言は科学的ロジックに欠けていわゆる精神論的なアプローチなので効果があるのかどうかもわからない。
5.きょうは何も予定がなく、外に出るのもおっくうだったので、手元にあったお絵描きロジックで時間を潰していた。
6.あきらかにお店側のミスなのに、店長とみられる男からお前が悪いのだと言う意味不明なロジックでまくし立ててくるものだから口論になった。
7.このプロジェクトの課題を洗い出し、メンバーと共有するために、ロジックツリーを作って見える化することにした。
8.その情報が論理的に正しいかどうかを判断するには、三角ロジックの表に当てはめて考えてみるべきだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、論理や議論の筋道を意味する時などが挙げられます。

例文2の「ロジックツリー」とは、問題の原因解明やその解決策を見つけるために作られる表です。

スキームとフローとロジックどれを使うか迷った場合は、計画や枠組みを表す場合は「スキーム」を、処理の手順を表す場合は「フロー」を、問題解決の筋道を表す場合は「ロジック」を使うと覚えておけば間違いありません。

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