【お節介】と【老婆心】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お節介」(読み方:おせっかい)と「老婆心」(読み方:ろうばしん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分けを参考にしてみてください。

「お節介」と「老婆心」という言葉は、どちらも「必要以上にあれこれと気を使って世話をやく」の意味を持つという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お節介」と「老婆心」の違い

「お節介」と「老婆心」の意味の違い

お節介と老婆心の違いを分かりやすく言うと、お節介というのは、必要以上に世話をやくこと、またそういう人のことを意味していて、老婆心というのは、必要以上に世話をやきたがる心情のことを意味しているという違いです。お節介は目に見える行動やそれをする人で、老婆心は心情です。

「お節介」と「老婆心」の使い分け方

お節介というのは、頼んでもいないのに向こうからでしゃばって世話をやくことを意味します。自分でやろうとしていることに介入して来るような場合や、先回りして「もうやった?」と確認してくるような場合などが、お節介という言葉に当てはまります。

例えば部屋の掃除を始めた途端、それを察知して掃除を手伝おうとしてくる家族は「お節介」です。また学校のクラスメートなどで、いつも親切にしてくれる人のことを「お節介焼き」や「お節介さん」と言うことも出来ます。

このような例から分かるように、「お節介」というのは他人に対して使われることが多い言葉です。

また、お節介という言葉は、使われる場面によって「必要以上に世話をやく」以上の意味を持つこともあります。掃除の例から分かるように、「うっとうしい」という否定的な意味を持つこともあります。「余計なお節介」という言葉が定着している理由です。

またクラスメートの例でいえば、肯定的か否定的かは分かりませんが、その人の特徴を捉えるものとして「お節介」という言葉が機能しています。

この「特徴を捉える」という使い方から、例えば「自分ってお節介焼きなんだよな」というような自己言及的な「お節介」の用法も生じます。この用法も自分を客観視する表現だと理解すると、「お節介」が基本的には他人に使われることの多い言葉だということが納得出来ます。

次に、老婆心というのは、必要以上にあれこれ世話したがる心情のことを意味してます。お節介というのが具体的な行動を指示する言葉なのに対して、老婆心というのは、世話やきという行動を起こしたがる気持ちや気質のことを意味しています。

気持ちは目には見えないものなので、老婆心は多くの場合、自分の気持ちを表現するための言葉です。「老婆心ながら」や「老婆心から言わせてもらえば」のように使って、「自分のすることが差し出がましいかもしれないけれど」と、謙遜の情を表現します。

例えば「老婆心ながら済ませておいたよ」というのは、「こっちでやっておいたけど、自分でやるつもりだったのなら、出過ぎたことをしてごめんね」というような意味です。

ちなみに、「老婆心ながら」と「僭越ながら」は意味としては同じですが、「僭越ながら」のほうが、かしこまった表現です。気の置けない間柄の人に対しては「老婆心ながら」を使って、目上の人に対しては「僭越ながら」を使うようにしましょう。

「お節介」の意味

「お節介」とは

お節介とは、必要以上に世話をやくことや、世話をやきたがる人のことを意味しています。お節介の介は「介入」という言葉があるように、間に入ってくることや出しゃばることのイメージです。

「お節介」の使い方

お節介という言葉が使われる時は、単に「要らぬ世話をする」ことを表現するだけではなく、「うっとうしい」気持ちや、人柄などが言い当てられようとする場合が多いです。

例えば「余計なお節介」は、「うっとうしい」意味合いの代表例で、「彼女はお節介焼き」は「世話好き」というキャラクターを表現しています。

ちなみに、お節介の節介とは、節操を堅く守り、時流に流されないという意味です。「ポリシーがある」と言えば分かりやすいです。スマートフォン全盛の中で信念をもってガラケーを使うことなどが「節介」です。お節介と相当意味が違いますが覚えておきましょう。

表現方法は「お節介を焼く」「お節介焼き」「お節介おばさん」

「お節介を焼く」「お節介焼き」「お節介おばさん」などが、お節介を使った一般的な言い回しです。

「お節介」の対義語

お節介の対義語・反対語としては、束縛することなく自由にやらせておくことを意味する「放任」、置きっぱなしにすることを意味する「放置」などがあります。

「お節介」の類語

お節介の類語・類義語としては、相手に自分の考えなどを当たり前のこととして受け入れさせようとする「押し付けがましさ」、他人の領分に入り込んで影響を与えようとする度合がはなはだしいことを意味する「過干渉」などがあります。

お節介の節の字を使った別の言葉としては、ほどほどにすることや、欲求を理性的に抑えることをを意味する「節制」、節制と道義をつづめた言葉で、人として正しい道を進むことを意味する「節義」、信念や立場を変更することを意味する「変節」などがあります。

お節介の介の字を使った言葉としては、気に掛けることを意味する「介意」、そばに付き添って世話することを意味する「介錯」、二つのものの間にある状況を意味する「介在」、二つのものの間を取り持つもの、またそのことを意味する「媒介」などがあります。

「老婆心」の意味

「老婆心」とは

老婆心とは、必要以上にあれこれと世話をやきたがる気持ちや性格のことを意味しています。

「老婆心」の語源

老婆心とは「心」という字が含まれることから分かるように、表に現れる行動ではなく、心の内面のことを表現します。年を取った女性がいろいろと世話をやきたがる様子から生まれた言葉です。

表現方法は「老婆心ながら」「老婆心が働く」「老婆心から」

「老婆心ながら」「老婆心が働く」「老婆心から言わせてもらえれば」というように、「余計なことかもしれないけれど」という自分をへりくだる表現として使われる場合が圧倒的に多い言葉です。「僭越ながら」と同じ意味ですが、「老婆心ながら」のほうがくだけた言い方です。

「老婆心」の使い方

老婆心を使った分かりやすい例としては、「老婆心ながら忠告させてもらうけど挨拶はちゃんとしよう」「まれに老婆心が働くことがあるが若者の考え方を尊重するようにしている」「老婆心から言わせてもらえれば親の言うことは基本的に正しいのだからちゃんと聞きなさい」などがあります。

「老婆心」の類語

老婆心の類語・類義語としては、抜かりがないように気をつかうことを意味する「気配り」、孫をいつくしむ意から転じて、必要以上に世話をやくことを意味する「老婆心切」などがあります。

老婆心の老の字を使った言葉としては、老いの境地のことを意味する「老境」、年齢よりも老いていることを意味する「早老」、ある物事に長い年月をかけて経験を積んで巧みであることを意味する「老練」「老巧」などがあります。

老婆心の婆の字を使った言葉としては、助産師の古い呼び方である「産婆」、独特の空気や習慣を持つ閉じた場所に対して、開けた外の世界のことを意味する「娑婆」(読み方:しゃば)、常用外の読み方ですが、暖房用具の「湯湯婆」(読み方:ゆたんぽ)などがあります。

「お節介」の例文

1.お節介と思いやりの違いは、主観的には思いやりなことが、やられた側にはお節介に見えることだと思うよ。
2.余計なお節介だと子供が言い出すのは成長の印なんじゃないのと言って、友達を励ました。
3.お節介な人の心理は、もちろん色々あるとは思うけど、経験上、「こうじゃないと気が済まない」というある種の自分勝手さから来ている人も多い気がする。
4.自分が生活にだらしないから、お節介焼きの妻の性分には本当に助けられている。
5.彼女は自分のお節介を焼く性格を治したいと思っているようだけれど、僕からすればそれが彼女の長所なのになぁ。
6.先日定年退職した女性はおしゃべりでお節介焼きでうざくもあったが、今は自分の体調や忙しさなど気にかけてくれる人がいないのでさみしく感じる。
7.最近はお節介を焼くことがはばかられる社会になったので、どうも繋がりが希薄になってしまいましたね。
8.大体お互いが遠慮している時は、お節介のおばさんがいて、勝手に話の場をセッティングしてくれるものですよ。
9.彼女は他人の恋路にお節介ばかり焼いているので、そろそろ自分の恋愛のことも考えたらと忠告してあげました。
10.これは私のお節介だと思っているけど、あなたにはサッカー選手への夢を諦めてほしくないの。

この言葉がよく使われる場面としては、頼んでもいないのに必要以上に世話をやきたがる人を表現したい時などが挙げられます。

「お節介」には多くの場合、余計なことをされたという印象が伴うため、否定的な意味合いで使われる頻度も多い言葉です。その場合、例文1にあるように、お節介をやく側とやかれる側のギャップが意識されています。

例文4や5は「お節介」で人柄を表現しています。例文4は肯定的に使っていますが、多くの場合、お節介の持つ「余計なことをする」という意味合いは否定的です「世話焼き」や「世話好き」のほうが、角の立たない言葉なので、そちらを使うのも考えてみて下さい。

「老婆心」の例文

1.老婆心ながら、段取りはすべて整えてありますので、あとは当日を待っていただければと思います。
2.老婆心から言わせてもらえば、もう少し安く済む移動手段もあるから、検討してはどうかな。
3.老婆心から余計な説明を加えたことが、かえって相手の理解を妨げることになってしまった。
4.普段はしらんぷりをして全然協力してくれないのに、打ち上げ無料の特典があると知ると、途端に老婆心を起こしたように東奔西走してくれた。
5.祝賀会の準備での彼の立ち回りをみると、つくづく彼は老婆心の人なのだなと思わされた。
6.娘の子育てに老婆心ながらもアドバイスしようとしたが、時代が違いすぎて何の手助けにもならなかった。
7.老婆心ながら申し上げたいのだけれども、このまま仕事を続けていくとたぶん体が持たないと思いますよ。
8.私は彼が恥をかかないように老婆心で言ったつもりだが、あまり聞き入れてくれませんでした。
9.まだまだ大学生で若いのだからもっとチャレンジ精神をもつべきだと老婆心ながら思ってしまうのでした。
10.職場の先輩は、老婆心でいろいろ口うるさく言うので、私は反発して話半分も聞いていません。

この言葉がよく使われる場面としては、あれこれと世話をしたがる気持ちや性格を表現したい時などが挙げられます。例文1から3の「老婆心ながら」「老婆心から」は、対等な間柄や書き言葉の地の文で使いましょう。目上の人には、「僭越ながら」の方が適切です。

日常会話では、例文4や5のような老婆心の使い方はまずしませんが、本を読んで見かける可能性はあるので、心に留めておくようにしましょう。

「老婆心ながら」という言葉を使えるようになると、「余計なお世話」と言われる前に釘を打てますのでとても重宝します。ぜひ覚えておきましょう。

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