似た意味を持つ「古参」(読み方:こさん)と「古株」(読み方:ふるかぶ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「古参」と「古株」という言葉は、どちらも「その集団に古くからいる人」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
古参と古株の違い
古参と古株の意味の違い
古参と古株の違いを分かりやすく言うと、古参とはその職に以前から就いている人を表し、古株とはその集団に古くからいる人を表すという違いです。
古参と古株の使い方の違い
一つ目の古参を使った分かりやすい例としては、「この職場で最古参の職員はどなたですか」「古参社員の処遇を見直す」「古参ファンは推し活ブームにあきれている」「古参アピールでマウントをとる」などがあります。
二つ目の古株を使った分かりやすい例としては、「古株が辞めていく会社には問題があるはずだ」「古株パート集団の新人いじめが酷い」「周辺のビジネスホテルの中では1番の古株のようだ」「苔に覆われた古株を見つけた」などがあります。
古参と古株の使い分け方
古参と古株という言葉は、どちらも古くからその集団や地位などにいる人を表す同義語ですが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
古参とは、昔からその職や地位に就いていることを意味します。「古参幹部」「古参役員」「古参取締役」のような使い方で、ある地位や職位に就いていることを表すことが多い言葉です。上記の例文にある「最古参の職員」とは、ある集団のなかで最も古くからいる職員のことです。
古株とは、もともと「樹木の古い株」を意味し、転じて、ある集団や社会に昔からいる人の意味で用いられるようになった言葉です。例えば、一つの会社に長い間ずっと勤務している人や、一つの地域に住み続けている人を「古株」と表現します。
つまり、古参はある地位や役職に以前から就いていることですが、古株はある組織や集団に以前からいることを意味する言葉です。地位や役職に就いていることを表現する場合には、「古参」を使うようにしましょう。
なお、古参と古株という言葉は、昨今ではオタク用語としても用いられています。特定のアイドルやアニメなどの昔からのファンを指して「古参」「古株」と言いますが、この意味では二つの言葉に違いはありません。
古参と古株の英語表記の違い
古参も古株も英語にすると「senior」「veteran」「old-timer」となり、例えば上記の「最古参の職員」を英語にすると「the senior member of the staff」となります。また、「樹木の古い株」を意味する古株を英語にすると「old stump」「old roots」となります。
古参の意味
古参とは
古参とは、ずっと以前からその職や地位に就いていること、その人を意味しています。
古参の読み方
古参の読み方は「こさん」です。誤って「こざん」「ふるまい」などと読まないようにしましょう。
表現方法は最古参古参になる
「最古参」「古参になる」などが、「古参」を使った一般的な言い回しです。
古参の使い方
古参を使った分かりやすい例としては、「このチームでは私が最古参になると思います」「古参議員から反対意見が出た」「古参の英語教師は生徒の扱いに熱知している」「雄々しい古参兵が歩哨として立っていた」などがあります。
その他にも、「古参youtuberの解散が相次いでいる」「知ったかぶりして古参ファンのように振る舞う」「古参アピールはうざいと感じる」「何年くらいで古参ヲタと認められるのだろう」などがあります。
古参とは、文字通りに「古くから参上している」という意味から、古くから仕えていること、以前からその職や地位に就いていることを表す言葉です。また、ある集団や立場などに古くからいる人を指します。例えば、新兵に対して先に入営している兵のことを「古参兵」と言います。
古参ファンの意味
近年、古参という言葉はオタク用語としても使用されています。「古参ファン」とは、ファン歴が長い人、デビュー当時からファンの人意味します。「古参アピール」とは、自分はファン歴が長い古参だと周囲の人やインターネット上でアピールすることです。
古参の対義語
古参の対義語・反対語としては、仲間に加わって日の浅いことを意味する「新参」、その物事を始めたばかりで未熟な人を意味する「駆け出し」などがあります。
古参の類語
古参の類語・類義語としては、古くからその社会・仲間にいる人を意味する「古顔」(読み方:ふるがお)、実戦の経験を多く積んだ老練な武士を意味する「古兵」(読み方:ふるつわもの)、古くからいる人を意味する「旧人」などがあります。
古株の意味
古株とは
古株とは、木や草の古い株を意味しています。
その他にも、「その社会や集団に古くからいる人、ふるがお」の意味も持っています。
古株の読み方
古株の読み方は「ふるかぶ」です。誤って「こかぶ」「ふるしゅ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「一番の古株」「古株になる」
「一番の古株」「古株になる」などが、「古株」を使った一般的な言い回しです。
古株の使い方
「古株は根元が固くなってきます」「牧場にあった大きな古株を撤去する」「古株を若返らせる剪定方法があります」などの文中で使われている古株は、「木や草の古い株」の意味で使われています。
一方、「古株の社員が権限を独占している」「この英語クラスの古株は彼女です」「古株さん達に目をつけられている」「私は古株社員ですが新人社員に馬鹿にされています」などの文中で使われている古株は、「その社会や集団に古くからいる人」の意味で使われています。
古株とは、上記の例文にあるように二つの意味があります。一つは、草や木の株のうちの古いものであり、もう一つは、その集団や地域において古くからいる人です。どちらの意味でも用いられているので、文脈により意味を捉える必要があります。
「その社会や集団に古くからいる人」の意味で用いられる場合、使い方には注意が必要です。一般的には「いい意味」ではなく、「悪い意味」で受け取られることがあります。古株は経験が長いことを表しますが、経験の長さから幅を利かせたり、偉そうな態度をとるイメージがあるためです。
古株はオタク用語でもある
古株という言葉は、オタク用語にもなっており、特定のアイドルやアニメなどの昔からのファンを意味します。ファンを何年続けていれば古株と言えるのかの定義はありませんが、アイドルがデビューした頃あるいはアニメが始まった頃からのファンを「古株」と呼ぶことが多いようです。
古株の対義語
古株の対義語・反対語としては、新しく加わった人や新しく登場した人を意味する「新人」、その社会に新しく仲間入りした人を意味する「新顔」などがあります。
古株の類語
古株の類語・類義語としては、一つの仕事に長く従事している人を意味する「古手」(読み方:ふるて)、経験を積んだ巧みな技術や腕前を持つ人を意味する「老手」、長年の経験を重ねてその道に熟達した人を意味する「ベテラン」などがあります。
古参の例文
この言葉がよく使われる場面としては、以前からその職あるいはその立場にあることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、古参という言葉はビジネスシーンだけでなく、オタク用語やアイドル用語として用いられることがあります。
古株の例文
この言葉がよく使われる場面としては、樹木の古い株、その道で古くからいる人を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある「古株」は、その道で古くからいる人の意味で用いられています。例文5の「古株」は、樹木の古い株を表現しています。
古参と古株という言葉は、どちらも「その集団に古くからいる人」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、以前からその職や地位に就いている人を表現したい時は「古参」を、その社会や集団に古くからいる人を表現したい時は「古株」を使うようにしましょう。