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【引く】と【惹く】と【弾く】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「ひく」という読み方の「引く」と「惹く」と「弾く」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「引く」と「惹く」と「弾く」という言葉は同音の言葉ですが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。




「引く」と「惹く」と「弾く」の違い

「引く」と「惹く」と「弾く」の意味の違い

「引く」と「惹く」と「弾く」の違いを分かりやすく言うと、「引く」は物を引き寄せることや対象が離れることに対して使い、「惹く」は人の注意や関心に対して使い、「弾く」は楽器に対して使うという違いです。

「引く」と「惹く」と「弾く」の使い方の違い

「引く」という言葉は、「彼女の手を引いて歩く」「熱が引いていく」などの使い方で、自分に引き寄せたり、何かが遠くに去ることを意味します。

「惹く」という言葉は、「目を惹かれるキャッチフレーズだ」「彼の誘いに心を惹かれた」などの使い方で、興味や関心、注目を集めることを意味します。

「弾く」という言葉は、「ギターの弾き語りをしている人がいる」「小さい頃からピアノを弾くのが趣味であった」などの使い方で、楽器を鳴らすことや演奏することを意味します。

「引く」と「惹く」と「弾く」の使い分け方

「引く」という言葉は、引き寄せたり離れたりするという意味から派生して、たくさんの意味を持ちます。その派生したそれぞれの意味に合うように、漢字があてられてできたのが「惹く」や「弾く」などです。

そのため、「弾く」という言葉は楽器などに対して使う唯一であり、物理的に引き寄せることを強く意味する「引く」を使うことはほとんどありませんが、「惹く」という言葉は今でも「引く」という言葉が代わりに使われています。

これが、「引く」「惹く」「弾く」の明確な違いです。

「引く」の意味

「引く」とは

「引く」とは、手前に引き寄せることを意味しています。その他にも、出ているものが遠くへ去ることも意味します。

「風邪を引く」「顎を引く」は近づける時に使う

「引く」を使った表現は非常に多く、「風邪を引く」「顎を引く」のように出ているものを近づける時や、「引く手あまた」「後ろ髪を引かれる」のように興味関心を引き寄せる時にも使うことができます。

「ドン引き」は雰囲気が気まずくなる時に使う

今日使われている「ドン引き」という言葉は、相手の言動によってその場の雰囲気が気まずくなる場合に使われており、人の興味関心が離れる時に使われます。

「血の気が引く」「痛みが引く」は何かが消える時に使う

「血の気が引く」「痛みが引く」「手を引く」のように遠くへ消える、関係を断つ時や、「引き波」「水が引く」のように向こうへ離れる、元に戻ることを表す時にも使うことができます。

「線を引く」「水を引く」は対象を伸ばす時に使う

引き寄せたり離れたりすること以外にも、「差し引く」「5から3を引く」のように除いたり減らすことを意味したり、「線を引く」「水を引く」のように線上に対象を伸ばすことを意味することもあります。

上で例に挙げた「水が引く」と「水を引く」のように、使っている言葉が同じでも主語が異なる場合、「引く」という言葉の意味も変わってくるため注意が必要です。

「引く」の対義語

「引く」の対義語・反対語としては、付け加えることを意味する「足す」、動かそうとして上や横から力を加えることを意味する「押す」、液体を少しずつ加え入れることを意味する「差す」があります。

「引く」の類語

「引く」の類語・類義語としては、引き抜いて取ることを意味する「抜き取る」、引き寄せることを意味する「牽引」、現にあるものを削って減らすことを意味する「削減」、期待が外れてがっかりすることを意味する「失望」などがあります。

「惹く」の意味

「惹く」とは

「惹く」とは、人の注意や関心を向けさせることを意味しています。

「惹く」の惹という漢字を使う言葉に、事件や問題を引き起こすことを意味する「惹起」(読み方:じゃっき)があるように、言動が問題を招く、惹き付けるといったことを意味します。

「惹く」の読み方

「惹く」という言葉は「ひく」という読み方をしますが、「まねく」と読むことも出来ます。

表現方法は「目を惹く」「興味を惹く」「心を惹く」

「惹く」を使った表現として、「目を惹く」「興味を惹く」「心を惹く」「気を惹く」「耳目を惹く」があります。どれも物理的な距離ではなく関心などを集める場合に使う表現です。

しかし、「惹く」の惹という漢字は常用外漢字であることから、上の表現の「惹く」は全て「引く」に置き換えて使われることがほとんどです。

「惹く」を「魅く」と当て字表記することもある

この「惹く」を「魅く」という表記がされることもあるようですが、これは当て字のため正しい表記ではありません。

「惹く」の類語

「惹く」の類語・類義語としては、誘い入れることを意味する「誘引」、客などを引き寄せることを意味する「吸引」、人の心を引き付け理性を失わせることを意味する「魅惑」、人の心や興味を向かせることを意味する「惹き付ける」などがあります。

「弾く」の意味

「弾く」とは

「弾く」とは、弦楽器や鍵盤楽器を鳴らすことを意味しています。

「弾く」の読み方

「弾く」という言葉は「ひく」という読み方をしますが、「はじく」と読むことも出来ます。「はじく」という言葉は、対象が元に戻る程度の力で打つことや、はね飛ばすことを意味し、「弦をはじく」などの使い方をします。

このことから、弦楽器に対しては「はじく」も「ひく」のどちらも使うことができますが、前者は音を鳴らす意味が強いため、音楽を奏でる場合には後者の「ひく」と読むことがほとんどです。

表現方法は「ギターを弾く」「ピアノを弾く」「弦を弾く」

「ギターを弾く」「ピアノを弾く」「弦を弾く」などが、弾くを使った一般的な言い回しです。

上記以外の「弾く」を使った言葉として、「三味線を弾く」「弾き逃げ」があります。

「三味線を弾く」の意味

一つ目の「三味線を弾く」とは、相手の言うことに調子を合わせて適当に聞くことや、事実ではないことを言って誤魔化すことを意味する言葉です。三味線が共に演奏する相手の音域などに合わせることから由来しており、江戸時代から使われていました。

「弾き逃げ」の意味

二つ目の「弾き逃げ」とは、本来は大型電気店などで楽器の演奏を行うものの実際には購入しないことを意味しており、それを記録した動画に対して使われていた言葉です。

今日では、駅構内や観光施設など様々な場所に、誰でも自由に弾くことのできるピアノが設置されることが増えました。そのため、こういった商品としての楽器ではないものを演奏した場合にも、弾き逃げという言葉が使われています。

「弾く」の類語

「弾く」の類語・類義語としては、音を出すようにすることを意味する「鳴らす」、弦楽器を演奏することを意味する「弾奏」、音楽を演奏することを意味する「奏楽」、笛などを吹き琴などを弾くことを意味する「吹弾」(読み方:すいだん)などがあります。

「引く」の例文

1.母親に宿題をするよう怒られたため、後ろ髪を引かれる思いでゲームの電源を落とした。
2.あなたくらいの美人であれば引く手あまたなのではないか、など言われてみたかったものだ。
3.彼の手札からカードを引く時、訝しげな顔をされる。

この言葉がよく使われる場面としては、物を引き寄せたり離したりすることを意味する時などが挙げられます。

例文1の「後ろ髪を引かれる」とは、未練が残っており、その場から離れられない、その事を忘れることができないことを意味する慣用表現です。

例文2の「引く手あまた」とは、多くの誘いが来ることを意味する言葉です。ビジネスにおける誘いから、日常生活における誘いまで使うことができます。

「惹く」の例文

1.後輩は新入社員の中でも目を惹く存在として、多くの人に知られている。
2.授業では如何に生徒の気を惹くことができるかで授業内容を把握してもらえるかが決まると感じる。
3.友人のプレゼンによって興味を惹かれた作品は数えきれない。

この言葉がよく使われる場面としては、興味関心や注意を集めることを意味する時などが挙げられます。

上のどの例文の「惹く」も「引く」という言葉に置き換えて使うことができます。

「弾く」の例文

1.彼にピアノを弾いてほしいと頼むと、毎度違う曲を弾いてくれる。
2.人前でギターの弾き語りをすることは恥ずかしい気持であったが拍手をもらえた時は気持ちがよかった。
3.父はすぐにとぼけて三味線を弾くため、何が嘘で何が本当なのかわからない。

この言葉がよく使われる場面としては、楽器を鳴らすことを意味する時などが挙げられます。

例文3の「三味線を弾く」とは、相手の調子に合わせて適当なことを言ったり、事実ではないことを言って誤魔化すことを意味します。

「引く」と「惹く」と「弾く」どれを使うか迷った場合は、引き寄せたり離したりすることを表す場合は「引く」を、関心や注意を向けさせることを表す場合は「惹く」を、楽器を鳴らすことを表す場合は「弾く」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
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