同じ「せかいかん」という読み方の「世界感」と「世界観」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「世界感」と「世界観」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
世界感と世界観の違い
世界感は世界観の間違い
世界感と世界観の違いを分かりやすく言うと、世界感とは世界観の間違った使い方、世界観とは世界に対しての見方や考え方のことです。
世界感は誤字
一般的には世界感という言葉は存在しません。読み方が似ていることから、世界観のことを間違えて世界感を使っている人がほとんどです。
世界観は正しい日本語
正しい言葉である世界観を使った分かりやすい例としては、「彼女は独特の世界観を持っている」「この本を読んで世界観が変わりました」「人気映画の世界観が楽しめるカフェに足を運んだ」「この歌は独特の世界観で人々を魅了し続ける」などがあります。
世界観という言葉はあっても、世界感という言葉は存在しません。同時に世界観という単語の意味について「世界に対しての見方や考え方のこと」と覚えておきましょう。
世界観の英語表記
世界観を英語にすると「view of the world」となり、例えば上記の「彼女は独特の世界観を持っている」を英語にすると「Her view of the world is pretty unique」となります。
世界感の意味
世界感とは
世界感とは、世界観の間違った使われ方です。
世界感という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、世界観と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
世界感と間違えやすい理由
世界観を世界感と間違えてしまう理由としては、パソコンや携帯などの誤変換という説が一番有力です。
世界感は間違った日本語ではあるのですが、ファッション、映画、小説などの芸術関連において、造語として一定数の人が使っている傾向があります。世界感は「感」という漢字を使っている通り、自分がどう感じたかという場合に使うそうです。
そのため、世界観は作者や発信者などが伝えたい世界のイメージで、世界感は受け手側が感じるイメージの意味で使います。
ただし、世界感はあくまでも造語であり、辞書には載っていない言葉と覚えておきましょう。
世界観の意味
世界観とは
世界観とは、世界に対しての見方や考え方のことを意味しています。その他にも、文学や音楽などでその作品がもつ雰囲気や状況設定のことの意味も持っています。
世界観の使い方
「彼の演説を聞いて私の世界観が変わりました」「彼は独特の世界観を持っています」などの文中で使われている世界観は、「世界に対しての見方や考え方のこと」の意味で使われています。
一方、「自分の好きな映画の世界観が楽しめるバーに足を運びました」などの文中で使われている世界観は、「文学や音楽などでその作品がもつ雰囲気や状況設定のこと」の意味で使われています。
世界観は世界に対しての見方や考え方のこと、つまり個人の主観的な世界の捉え方の意味で使うのが一般的でした。
そのため、世界観を文学や音楽などでその作品がもつ雰囲気や状況設定のことの意味で使うのは誤用とされていたのですが、時代が経つにつれて認められるようになり、現在では辞書にも載るようになりました。
表現方法は「世界観が好き」「世界観を持つ」「世界観のある」
「世界観が好き」「世界観を持つ」「世界観のある」「自分の世界観」「世界観が広がる」「独特の世界観」「世界観を感じる」「世界観が変わる」などが、世界観を使った一般的な言い回しになります。
世界観の類語
世界観の類語・類義語としては、人生や社会についての一つのまとまった考えや意見のことを意味する「思想」、ある物事についてのこうあるべきだという根本の考えのことを意味する「理念」、堅く信じて守っている事柄のことを意味する「信条」などがあります。
世界感の例文
この言葉がよく使われる場面としては、世界観という言葉を間違えて世界感と表現している時などが挙げられます。
世界感という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、世界観を間違えて使っている可能性が高いです。
世界感という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、世界感ではなく、世界観と表現するのが正しい使い方になります。
世界観の例文
この言葉がよく使われる場面としては、世界に対しての見方や考え方のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、文学や音楽などでその作品がもつ雰囲気や状況設定のことを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の世界観は世界に対しての見方や考え方のことの意味で、例文4と例文5の世界観は文学や音楽などでその作品がもつ雰囲気や状況設定のことの意味で使っています。
世界感と世界観どちらを使うか迷った場合は、世界感は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の世界観を使うようにしましょう。