似た意味を持つ「まかり通る」(読み方:まかりとおる)と「通用する」(読み方:つうようする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「まかり通る」と「通用する」という言葉は、どちらもを認められること意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「まかり通る」と「通用する」の違い
「まかり通る」と「通用する」の意味の違い
「まかり通る」と「通用する」の違いを分かりやすく言うと、「まかり通る」とは通用するを強めた言い方、「通用する」とは 広く世間に認められることという違いです。
「まかり通る」と「通用する」の使い方の違い
一つ目の「まかり通る」を使った分かりやすい例としては、「あんなことがまかり通るなんて世も末です」「嘘がまかり通る世界は嫌です」「こんなことがまかり通ったら安心して生活できない」「この会社ではパワハラがまかり通るなんて信じられません」などがあります。
二つ目の「通用する」を使った分かりやすい例としては、「弊社の技術は世界に通用するだろう」「彼の実力なら海外へ移籍しても通用するはずです」「日本語が通用する国は日本しかありません」「彼女の理論は今で通用する」などがあります。
「まかり通る」と「通用する」の使い分け方
「まかり通る」と「通用する」はどちらも認められることという似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあります。
「まかり通る」は「通用する」を強めた言い方で、悪いことや良くないことが堂々と通用するというマイナスなイメージで使います。一方、「通用する」は広く世間に認められる場合に使うので、プラスのイメージでもマイナスのイメージでも使うことができます。
「まかり通る」と「通用する」の英語表記の違い
「まかり通る」を英語にすると「go unpunished」「be tolerated」となり、例えば上記の「この会社ではパワハラがまかり通るなんて信じられません」を英語にすると「I can’t believe that power harassment goes unpunished in this company」となります。
一方、「通用する」を英語にすると「be in use」「be accepted」「be valid」「hold good」となり、例えば上記の「彼女の理論は今で通用する」を英語にすると「Her theory holds good even today」となります。
「まかり通る」の意味
「まかり通る」とは
「まかり通る」とは、堂々と通用することを意味しています。
表現方法は「嘘がまかり通る」「隠蔽がまかり通る」「不正がまかり通る」
「嘘がまかり通る」「隠蔽がまかり通る」「不正がまかり通る」などが、まかり通るを使った一般的な言い回しです。
「まかり通る」の使い方
「まかり通る」を使った分かりやすい例としては、「社長の独断がまかり通るなんてひどい会社だ」「この辺り一帯は犯罪がまかり通る無法地帯です」「政治家の違法行為がまかり通るなんて絶対におかしいです」などがあります。
「まかり通る」は「通用」や「通用する」をさらに強めた言葉で、堂々と通用するという意味で使います。ただ堂々と通用するのではなく、悪いことや良くないことが堂々と通用する場合に使うのが一般的です。
また、「まかり通る」は人が堂々と通るという意味も持っているのですが、現代ではほとんど使われていないため、頭の片隅に入れて置くくらいでいいでしょう。
「まかり通る」の漢字表記
「まかり通る」を漢字にすると「罷り通る」と表記できますが、あまり一般的ではありません。
「まかり通る」の類語
「まかり通る」の類語・類義語としては、広い方面に通用することを意味する「通じる」があります。
「通用する」の意味
「通用する」とは
「通用する」とは、ある期間や範囲内で自由に使えることを意味しています。その他にも、広く世間に認められていることの意味持っています。
表現方法は「世界で通用する」「どこでも通用する」「社会で通用する」
「世界で通用する」「どこでも通用する」「社会で通用する」「海外で通用する」「通用しない」などが、「通用する」を使った一般的な言い回しになります。
「通用する」の使い方
「全館に通用する優待券を貰いました」「この国はポルトガル語が通用するので過ごしやすいです」などの文中で使われている「通用する」は、「ある期間や範囲内で自由に使えること」の意味で使われています。
一方、「このままの実力ではプロでは通用しないと言われてしまった」「彼の技術は世界でも通用するだろう」などの文中で使われている「通用する」は、「広く世間に認められていること」の意味で使われています。
「通用する」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。
「通用する」は日常生活とビジネスシーンどちらでも使うことが可能なので、馴染みがある人も多いでしょう。また、「海外で通用する」「世界で通用する」などのように、スポーツシーンにおいて日本人の選手が海外で活躍する場合にもよく使われています。
「通用する」の類語
「通用する」の類語・類義語としては、比べてみて能力や価値などが同程度であることを意味する「匹敵する」、他のものと比較して劣っていないことを意味する「見劣りしない」、同じ程度の力や地位をもって張り合うことを意味する「肩を並べる」などがあります。
「まかり通る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、堂々と通用することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「まかり通る」は基本的に悪いことや良くないことが堂々と通用する場合に使うため、マイナスなイメージを持っています。
「通用する」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある期間や範囲内で自由に使えることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、広く世間に認められていることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「通用する」はある期間や範囲内で自由に使えることの意味で、例文3から例文5の「通用する」は広く世間に認められていることの意味で使っています。
「まかり通る」と「通用する」どちらの言葉を使うか迷った場合、悪いことや良くないことが堂々と通用することを表現したい時は「まかり通る」を、広く世間に認められていることを表現したい時は「通用する」を使うようにしましょう。