似た意味を持つ「どんぶり勘定」(読み方:どんぶりかんじょう)と「ざる勘定」(読み方:ざる勘定)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」という言葉は、どちらもお金の管理が甘い人のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」の違い
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」の意味の違い
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」の違いを分かりやすく言うと、「どんぶり勘定」とはお金の管理が大まかな人に対して使う、「ざる勘定」とはお金を考えなしに使って貯金がない人に使うという違いです。
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」の使い方の違い
一つ目の「どんぶり勘定」を使った分かりやすい例としては、「どんぶり勘定の女性とは結婚したくありません」「どんぶり勘定の人は細かいお金では文句を言いません」「あの店の経営はどんぶり勘定だ」などがあります。
二つ目の「ざる勘定」を使った分かりやすい例としては、「彼はざる勘定なので給料日前はいつもお金がない」「ざる勘定でお金を使っているので貯金がありません」「彼氏がざる勘定なので結婚することはないだろう」などがあります。
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」の使い分け方
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」はどちらもお金の管理が甘い人のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「どんぶり勘定」はただ単純にお金の管理が大まかな人に対して使う言葉で、お金が残っていないというニュアンスはありません。一方、「ざる勘定」はお金を考えなしに使って、お金が残ってないというニュアンスがあるのが違いになります。
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」の英語表記の違い
「どんぶり勘定」も「ざる勘定」も日本語特有の表現なので直訳した英語はありませんが、近い表現として、「sloppy accounting」「rough estimate」などがあります。
「どんぶり勘定」の意味
「どんぶり勘定」とは
「どんぶり勘定」とは、細かく計算などをしないで大まかに金の出し入れをすることを意味しています。
「どんぶり勘定」の漢字表記
「どんぶり勘定」を漢字にすると、「丼勘定」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「どんぶり勘定」を使うようにしましょう。
表現方法は「どんぶり勘定の人」「どんぶり勘定の経営」「どんぶり勘定の女」
「どんぶり勘定の人」「どんぶり勘定の経営」「どんぶり勘定の女」などが、「どんぶり勘定」を使った一般的な言い回しになります。
「どんぶり勘定」の使い方
「どんぶり勘定」を使った分かりやすい例としては、「どんぶり勘定の旦那を持つと結婚生活で苦労する」「彼はどんぶり勘定なので気前が良いです」「どんぶり勘定の人が会計の際に揉めることはほとんどないだろう」などがあります。
「どんぶり勘定」はプラスのイメージもマイナスのイメージも持っていない言葉ですが、人によってはマイナスのイメージを持っていることがあるため、目上の人に対して使うのは適していません。
「どんぶり勘定」は細かく計算などをしないで大まかに金の出し入れをすることを意味する慣用句で、日本の江戸時代から使われています。
「どんぶり勘定」の由来
江戸時代の職人達は、腰に「どんぶり」と呼ばれている物入れを付けていました。また、この「どんぶり」をお財布代わりにしていたそうです。そして、お買い物などをする際に、「どんぶり」の中に無造作に手を入れて、大雑把にお金を払うことが多かったと言われています。
これが転じて、細かく計算などをしないで大まかに金の出し入れをすることを、「どんぶり勘定」と言うようになりました。
上記の語源からも分かるように、現代でイメージしやすい、カツ丼、親子丼、天丼などのどんぶりの食べ物とは全く関係ないので、勘違いしないように注意しましょう。
「どんぶり勘定」の類語
「どんぶり勘定」の類語・類義語としては、いい加減なお金遣いのことを意味する「放漫財政」(読み方:ほうまんざいせい)、細部にまで注意が届かず雑であることを意味する「大雑把」、細かいことにこだわらずに物事を済ませることを意味する「大まか」などがあります。
「ざる勘定」の意味
「ざる勘定」とは
「ざる勘定」とは、考えなしにお金を使うことを意味しています。
「ざる勘定」の漢字表記
「ざる勘定」を漢字にすると、「笊勘定」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ざる勘定」を使うようにしましょう。
「ざる勘定」の使い方
「ざる勘定」を使った分かりやすい例としては、「彼女はざる勘定なのでいつもお金がありません」「ざる勘定の人は給料日前に苦労しているイメージがあります」「ざる勘定のままじゃ結婚することはできないだろう」などがあります。
「ざる勘定」とは考えなしにお金を使うことを意味する言葉ですが、厳密に言うと辞書には載っていない造語です。ただし、一般的に使われている言葉なので、聞いたことがある人も多いでしょう。
「ざる勘定」の語源
「ざる勘定」の語源は「ざる」です。「ざる」はたくさん穴が空いているため、水を入れようと思っても溜まらずに落ちてしまいます。そして、溜まらずに落ちていくものお金に例えて、考えなしにお金を使って貯金がない人のことを、「ざる勘定」と言うようになりました。
また、「ざる勘定」はお金を考えなしに使って、貯金がないというニュアンスで使うと覚えておきましょう。
「ざる勘定」の類語
「ざる勘定」の類語・類義語としては、やり方などがいい加減であることを意味する「適当」、いい加減に物事をすることを意味する「ぞんざい」などがあります。
「どんぶり勘定」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、細かく計算などをしないで大まかに金の出し入れをすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「どんぶり勘定」はお金の計算がアバウトな人に対して使う言葉です。
「ざる勘定」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、考えなしにお金を使うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ざる勘定」は考えなしにお金を使って貯金ができない人に対して使う言葉です。
「どんぶり勘定」と「ざる勘定」はどちらもお金の管理が甘い人のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、お金の管理が大まかな人に対して使うのが「どんぶり勘定」、お金を考えなしに使って貯金がない人に使うのが「ざる勘定」と覚えておきましょう。