似た意味を持つ「退席」(読み方:たいせき)と「離席」(読み方:りせき)と「中座」(読み方:ちゅうざ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「退席」と「離席」と「中座」という言葉は、席を外すことという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
退席と離席と中座の違い
退席と離席と中座の意味の違い
退席と離席と中座の違いを分かりやすく言うと、退席は席を外して戻らないことを表現する時に使い、離席は一時的に席を外し必ず戻ることを表現する時に使い、中座は席を外して戻るかは定かではないことを表現する時に使うという違いです。
退席と離席と中座の使い方の違い
退席という言葉は、「所用のため退席させて頂きます」「大事なパーティを退席しなければならず残念な気持ちだ」などの使い方で、席かた立ち去ることを意味します。
離席という言葉は、「離席している間に電話が掛かってきたようだ」「離席をしらせるために卓上のカレンダーに付箋を貼る」などの使い方で、一時的に席を外すことを意味します。
中座という言葉は、「新郎新婦の中座の時間にゲストもお手洗いなどを済ます」「中座させて頂きたく思います」などの使い方で、会合や談話などの途中で席を外すことを意味します。
退席と離席と中座の使い分け方
どれも席を外すことを意味しますが、退席という言葉は立ち去り戻ってこないことを表し、離席は席を一時的に離れて戻ってくることを表します。
一方、中座は席を外して戻ってくるか否かという意味合いは含んでいません。そのため、席を外して戻ってくる確証が高い順に並べると、離席>中座>退席となります。
また、ビジネス用語として他の業務のために席を外す時には離席を使い、それ以外で席を外す時や、会合や会食時に席を外す時には中座を使うとされています。
これらが、退席、離席、中座の明確な違いです。
退席の意味
退席とは
退席とは、その席から立ち去ることを意味しています。
本来は席を外して戻ってこないことを意味する言葉ですが、今日では、音声通話やビデオ通話アプリにあるステータス表示で、一時的な離席を「退席中」と表すアプリがあることから、退席という言葉に一時的離席を含む扱いがされていることがあります。
表現方法は「途中退席頂いても構いません」「ご退席をお願いします」
退席を使った表現として、「途中退席頂いても構いません」「ご退席をお願いします」「退席とさせて頂きます」などがあります。これらの表現はビジネス上で使われるだけでなく、接客業において使われることがあります。
退席の対義語
退席の対義語・反対語としては、会合や学校の授業などに出ることを意味する「出席」があります。
退席の類語
退席の類語・類義語としては、今までいた場所から退いて出ることを意味する「退出」、その集まりなどの席から去ることを意味する「退座」、許しを得て貴人のもとから退去することを意味する「罷る」(読み方:まかる)があります。
離席の意味
離席とは
離席とは、自分の席を離れることを意味しています。
ビジネス用語として使われる時には、他の業務のために一時的に席を外すことを意味しますが、今日ではネット用語としてビジネス以外の作業やゲームなどの途中に席を少し外すことにも使われています。
表現方法は「離席いたします」「離席率を下げる」「離席しております」
離席を使った表現として、「離席いたします」「離席率を下げる」「離席しております」「離席中に先輩が対応してくれた」「離席時、周囲にその旨を伝える」などがあります。
どれもビジネス上で使われる表現ですが、「席を外しております」などの言葉が使われることも多いです。
また、離席率は、パソコンの前に向かっていない時間を指す言葉です。テレワークではそういった離席などの状況を可視化するために、ビデオ通話を繋ぎながら仕事をする企業もあります。
「離席中です」は電話対応で使わない方がいい
電話対応で「離席中です」という表現を使う方がいますが、この表現もビジネスシーンで使用するのは微妙な表現とされており、「席を外しております」と表現した方が良いでしょう。
離席の対義語
離席の対義語・反対語としては、席に着くことや座ることを意味する「着席」、職場の自分の席についていることを意味する「在席」があります。
離席の類語
離席の類語・類義語としては、本来いるべき場所にいないことを意味する「不在」があります。
中座の意味
中座とは
中座とは、会合や談話などの途中で席を外すことを意味しています。
中座の読み方
中座は「ちゅうざ」という読み方をしますが、「なかざ」という読み方をすると大阪市にあった劇場や、落語などで始めの方に行う前座と最後に行う真打の間に位置する階級を指します。
表現方法は「中座することを許された」「中座させて頂きます」「ご両親と中座して頂く」
中座を使った表現として、「中座することを許された」「中座させて頂きます」「ご両親と中座して頂く」「中座して外に出る」があります。
中座は結婚式で使われることが多い
今日では、会議や会談などの話し合いの場から席を外すことを表すビジネス用語として使われるよりも、結婚式でのお色直しのように新郎新婦の一時的退場を指して使われることが多い言葉です。
中座の対義語
中座の対義語・反対語としては、決められた時間に遅れることを意味する「遅参」があります。
退席の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その席から立ち去ることを意味する時などが挙げられます。
例文3は、リモートワークの増加に伴い使用者が増えている、音声通話やビデオ通話をすることが出来る通話アプリに搭載されている機能です。
離席の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一時的に席を外すことを意味する時などが挙げられます。
席を外して戻ってくることを前提に話す場合に使われるため、戻ってこない意味を含む退席に置き換えて使うことはできません。
中座の例文
この言葉がよく使われる場面としては、途中で席を外すことを意味する時などが挙げられます。
例文2のように、席を外した場合戻ってこない場合も中座を使うことが出来ます。
退席と離席と中座どれを使うか迷った場合は、席を外して戻らないことを表す場合は「退席」を、一時的に席を外し必ず戻ることを表す場合は「離席」を、席を外して戻るかは定かではないことを表す場合は「中座」を使うと覚えておけば間違いありません。