似た意味を持つ「死んだ」(読み方:しんだ)と「亡くなった」(読み方:なくなった)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「死んだ」と「亡くなった」という言葉は、どちらも命がなくなることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「死んだ」と「亡くなった」の違い
「死んだ」と「亡くなった」の意味の違い
「死んだ」と「亡くなった」の違いを分かりやすく言うと、「死んだ」よりも「亡くなった」の方が丁寧な表現という違いです。
「死んだ」と「亡くなった」の使い方の違い
一つ目の「死んだ」を使った分かりやすい例としては、「飼っていた猫が寿命で死んだ」「彼女はぴくりとも動かないので死んだのだろう」「外敵から身を守るために死んだふりをしている」「彼は娘は死んだものだと諦めました」などがあります。
二つ目の「亡くなった」を使った分かりやすい例としては、「身内が亡くなった人にお悔やみの言葉をかける」「友人の親が亡くなったらしいです」「亡くなった親族に対して忌み言葉を使ってはいけません」などがあります。
「死んだ」と「亡くなった」の使い分け方
「死んだ」と「亡くなった」はどちらも命がなくなることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「死んだ」よりも「亡くなった」の方が丁寧な表現という点です。
ただし、あくまで丁寧なだけで、「亡くなった」が「死んだ」の敬語表現というわけではありません。しいて言うならば、婉曲的な表現と言えるでしょう。婉曲的とは、言いまわしが穏やかでかど立たないことを意味しています。
「死んだ」と「亡くなった」の英語表記の違い
「死んだ」も「亡くなった」も英語にすると「dead」「the late」となり、例えば上記の「彼は娘は死んだものだと諦めました」を英語にすると「He gave his daughter up for dead」となります。
「死んだ」の意味
「死んだ」とは
「死んだ」とは、命がなくなることを意味しています。
「死んだ」の使い方
「死んだ」を使った分かりやすい例としては、「成長しなければ死んだも同然だろう」「彼は交通事故に巻き込まれて死んだ」「ずっと連絡が取れなかったので彼女は死んだとばかり思っていました」「大地震によって何千万人の人が死んだ」などがあります。
「死んだ」は命がなくなることを意味する「死ぬ」の連用形である「死に」の撥音便形に助動詞「だ」が付いた言葉です。
「死んだ」は人だけではなく、「飼っていた犬が死んだ」のように、動物に対して使うこともできます。
また、具体的に「死んだ」場合だけではなく、「この仕事が続けられないのであれば死んだも同然だ」などのように、抽象的なものに対しても用いることが可能です。
「死んだ」の対義語
「死んだ」の対義語・反対語としては、人間や動物などが生命があり活動できる状態にあることを意味する「生きる」があります。
「死んだ」の類語
「死んだ」の類語・類義語としては、人が死ぬことを意味する「死亡」、永遠の眠りにつくことを意味する「永眠」などがあります。
「亡くなった」の意味
「亡くなった」とは
「亡くなった」とは、人が死ぬの婉曲的な言い方のことを意味しています。
表現方法は「亡くなった人」「身内が亡くなった」
「亡くなった人」「身内が亡くなった」などが「亡くなった」を使った一般的な言い回しになります。
「亡くなった」の使い方
「亡くなった」を使った分かりやすい例としては、「恩師が亡くなったという知らせが届きました」「友人が亡くなったことを先日伝えられました」「祖父は私が小学生の頃に亡くなった」「親族が亡くなった人にお悔やみの言葉をかける」などがあります。
「亡くなった」は人が死ぬの婉曲的な言い方のことを意味する言葉です。婉曲的な表現なので、死ぬことを露骨にいうのを避けた丁寧な言い方になります。
「亡くなった」は敬語ではない
ただし、丁寧な言い方なだけで、「死んだ」の敬語表現ではないと覚えておきましょう。
「亡くなった」は丁寧な表現なので、「身内が亡くなったのでお休みをいただきます」のように、ビジネスシーンにおいても使うことができます。
「亡くなった」の類語
「亡くなった」の類語・類義語としては、 死ぬことを婉曲にいうことを意味する「他界」、死ぬことを意味する「没する」、他人を敬ってその死をいうことを意味する「逝去」、死ぬことを意味する「果てる」などがあります。
「死んだ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、命がなくなることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「死んだ」はマイナスなイメージで使う言葉です。
「亡くなった」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人が死ぬの婉曲的な言い方のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「亡くなった」はマイナスなイメージで使う言葉です。
「死んだ」と「亡くなった」はどちらも命がなくなることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「死んだ」よりも「亡くなった」の方が丁寧な表現と覚えておきましょう。