同じ「ひしめく」という読み方の「犇く」と「犇めく」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「犇く」と「犇めく」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの書き方によって使い方には少し違いがあります。
「犇く」と「犇めく」の違い
「犇く」と「犇めく」の意味の違い
「犇く」と「犇めく」の違いを分かりやすく言うと、「犇く」とは辞書に載ってない、「犇めく」とは辞書に載っているという違いです。
「犇く」と「犇めく」の使い方の違い
一つ目の「犇く」を使った分かりやすい例としては、「強豪が犇く関東大会に挑むことになりました」「この辺りは昔から様々な飲食店が犇いている」「通勤ラッシュの時間帯は駅に多くの人が犇いている」などがあります。
二つ目の「犇めく」を使った分かりやすい例としては、「強豪が犇めく関西大会への出場権を獲得した」「いつの間にか辺りには足の踏み場がないくらい人が犇めいている」「会場の入り口はファンで犇めいている」などがあります。
「犇く」と「犇めく」の使い分け方
「犇く」と「犇めく」は送り仮名が違うだけで、どちらも大勢の人が隙間なく一か所に集まるという同じ意味を持つ言葉になっています。あえて違いを挙げるならば、「犇く」は辞書に載っていないのに対して、「犇めく」は辞書に載っているという点です。
ただし、「犇く」や「犇めく」の「犇」という漢字が常用漢字表に記載されていないため、法令や新聞などの公用文では使用できません。そのため、公的な書類などに記載する際には平仮名の「ひしめく」を使う方が良いでしょう。
常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。現行の常用漢字表は、2010年11月30日に平成22年内閣告示第2号として告示され、2136字で成り立っています。
「犇く」と「犇めく」の英語表記の違い
「犇く」も「犇めく」も英語にすると「jostle」「throng」となり、例えば上記の「会場の入り口はファンで犇めいている」を英語にすると「The fans were jostling at the entrance of the venue」となります。
「犇く」の意味
「犇く」とは
「犇く」とは、大勢の人が隙間なく一か所に集まることを意味しています。その他にも、ぎしぎしと音がすることの意味も持っています。
「犇く」の使い方
「犇く」を使った分かりやすい例としては、「事件があったビルの周りには野次馬が犇いている」「有名人を一目見ようと多くの人が犇いている」「今日は優勝がかかった試合なのでスタジアムには大勢のファンが犇いている」などがあります。
「犇く」は二つの意味を持つ言葉ですが、現代で一般的に使われているのは大勢の人が隙間なく一か所に集まることの意味になります。ぎしぎしと音がすることの意味は古語としては使われていたのですが、現代ではほとんど使われていません。
「犇く」の由来
「犇く」の由来は、群れている牛が驚かされて一斉に走り出すことです。そのため、牛という漢字を三つ重ねて成り立っています。
「犇く」の類語
「犇く」の類語・類義語としては、互いに押すことを意味する「押し合う」があります。
「犇めく」の意味
「犇めく」とは
「犇めく」とは、大勢の人が隙間なく一か所に集まることを意味しています。その他にも、ぎしぎしと音がすることの意味も持っています。
「犇めく」の使い方
「犇めく」を使った分かりやすい例としては、「強豪が犇めく兵庫県大会の頂点に立つのはどの高校だろうか」「人気アイドルのコンサートが開催されるらしく会場の周りは人が犇めいている」「ここ一帯は犇めくようにタワーマンションが建っている」などがあります。
「犇めく」は二つの意味を持つ言葉ですが、現代で一般的に使われているのは大勢の人が隙間なく一か所に集まることの意味になります。ぎしぎしと音がすることの意味は古語としては使われていたのですが、現代ではほとんど使われていません。
「犇めく」の由来
「犇めく」の由来は、群れている牛が驚かされて一斉に走り出すことです。そのため、牛という漢字を三つ重ねて成り立っています。
「犇めく」の類語
「犇めく」の類語・類義語としては、大勢の人が一か所に集まって押し合うようにすることを意味する「犇めき合う」、双方が入り乱れ押し合って争うことを意味する「揉み合う」などがあります。
「犇く」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大勢の人が隙間なく一か所に集まることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ぎしぎしと音がすることを表現したい時にも使います。
上記の例文のように大勢の人が隙間なく一か所に集まることの意味で使うのが一般的です。
「犇めく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大勢の人が隙間なく一か所に集まることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ぎしぎしと音がすることを表現したい時にも使います。
上記の例文のように大勢の人が隙間なく一か所に集まることの意味で使うのが一般的です。
「犇く」と「犇めく」どちらを使うか迷った場合は、「犇く」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「犇めく」を使うようにしましょう。ただし、「犇」という漢字は常用漢字表に載っていない言葉なので、公的な書類では「ひしめく」を使うのが無難です。