似た意味を持つ「煮る」(読み方:にる)と「茹でる」(読み方:ゆでる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「煮る」と「茹でる」という言葉は、どちらも食材を熱湯で加熱する調理法を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「煮る」と「茹でる」の違い
「煮る」と「茹でる」の意味の違い
「煮る」と「茹でる」の違いを分かりやすく言うと、「煮る」は味をつけながら加熱すること、「茹でる」は味をつけずにお湯だけで加熱することという違いです。
「煮る」と「茹でる」の使い方の違い
一つ目の「煮る」を使った分かりやすい例としては、「シチューはコトコトと煮ることでとろみが出ます」「トマトソースで鶏肉を煮るのが我が家の定番です」「味噌で魚を煮ると独特の風味が加わる」「肉じゃがをだし汁で煮る」などがあります。
二つ目の「茹でる」を使った分かりやすい例としては、「野菜を茹でると色鮮やかになります」「うどんを茹でる時間は袋の表示を守ることが大切です」「鶏肉を茹でてサラダチキンを作りました」「ほうれん草を茹でる」などがあります。
「煮る」と「茹でる」の使い分け方
「煮る」と「茹でる」はどちらも食材を熱湯で加熱する調理法を意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「煮る」は「野菜をだし汁と一緒に煮ると味がしみ込んで美味しくなる」のように、調味料やだしなどの味をつけた液体で、食材に味を含ませながら加熱する調理に対して使う言葉になります。
一方、「茹でる」は「パスタはたっぷりのお湯で茹でるのがポイント」のように、基本的に水やお湯だけで、味をつけずに加熱する調理に使われる言葉です。
つまり、味をつけながら加熱するのが「煮る」、味をつけずにお湯だけで加熱するのが「茹でる」と覚えておきましょう。
「煮る」と「茹でる」の英語表記の違い
「煮る」を英語にすると「「simmer」「boil with seasoning」となり、例えば上記の「肉じゃがをだし汁で煮る」を英語にすると「Simmer the meat and potatoes in broth」となります。
一方、「茹でる」を英語にすると「boil」となり、例えば上記の「ほうれん草を茹でる」を英語にすると「Boil the spinach」となります。
「煮る」の意味
「煮る」とは
「煮る」とは、水などの中に食物を入れ火にかけて熱を通すことを意味しています。
表現方法は「煮る料理」「煮るメリット」
「煮る料理」「煮るメリット」などが、「煮る」を使った一般的な言い回しになります。
「煮る」の使い方
「煮る」を使った分かりやすい例としては、「カレーは一度煮てから一晩寝かせるとさらに美味しくなります」「豚の角煮を甘辛いタレでじっくり煮る」「厚揚げと大根を一緒に煮ると相性がいいです」「野菜を煮るとスープに自然な甘みが出る」などがあります。
「煮る」は食材を液体の中に入れて加熱し、火を通したり味をしみ込ませたりする調理法を指す言葉です。ただ火を通すのではなく、水や出汁、調味料などの液体で食材を温めながら火を通し、味付けをしていく調理方法になります。
「煮る」の特徴
「煮る」は食材に含まれる成分が液体に溶け出すと同時に、液体の味もまた食材に移っていく、いわば味の交換が起こる調理方法です。家庭料理ではもちろん、和食の基本的な技法としても広く使われています。
また、「煮る」という言葉には単に加熱するだけでなく、じっくりと手をかけるや時間をかけて仕上げるといった、丁寧な工程を連想させるニュアンスも含まれていると覚えておきましょう。
「煮る」の類語
「煮る」の類語・類義語としては、いろいろな材料をまぜて煮ることを意味する「煮込む」、 米などの穀物を煮て食べられるようにすることを意味する「炊く」などがあります。
「茹でる」の意味
「茹でる」とは
「茹でる」とは、熱湯に入れて煮ることを意味しています。
表現方法は「茹でる料理」「茹でるメリット」
「茹でる料理」「茹でるメリット」などが、「茹でる」を使った一般的な言い回しになります。
「茹でる」の使い方
「茹でる」を使った分かりやすい例としては、「じゃがいもを茹でてポテトサラダにする」「茹でる前に麺をほぐしておくと絡みにくいです」「落花生を塩水で茹でると甘みが増すと言われています」「枝豆は塩水で茹でると風味が引き立ちます」などがあります。
「茹でる」は食材を熱湯の中に入れて火を通す調理法を表す言葉です。簡単に言うならば、水を沸騰させた中に食材を入れ、比較的短時間で中まで熱を通す加熱方法のことを指します。
「茹でる」という調理法は、食材の表面から内側へとまんべんなく火を通すことができ、素材を柔らかくしたり、下ごしらえとして使われたりする場面が多いです。特に野菜や麺類では、風味や彩りを生かすためにも大切な工程とされています。
「茹でる」の特徴
「茹でる」は調味料を加えず、基本的にはお湯だけで加熱するというのが「茹でる」の大きな特徴です。これにより、素材本来の味や食感を保ちながら、アクや余分な脂を取り除くこともできます。
「茹でる」の類語
「茹でる」の類語・類義語としては、野菜などの灰汁を除くためにさっとゆでることを意味する「湯掻く」があります。
「煮る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、水などの中に食物を入れ火にかけて熱を通すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「煮る」は味をつけながら加熱することを表現したい時に使う言葉です。
「茹でる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、熱湯に入れて煮ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「茹でる」は味をつけずにお湯だけで加熱することを表現したい時に使う言葉です。
「煮る」と「茹でる」はどちらも食材を熱湯で加熱する調理法を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、味をつけながら加熱することを表現したい時は「煮る」を、味をつけずにお湯だけで加熱することを表現したい時は「茹でる」を使うと覚えておきましょう。