【和牛】と【国産牛】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「和牛」(読み方:わぎゅう)と「国産牛」(読み方:こくさんぎゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「和牛」と「国産牛」という言葉は、どちらも「日本の牛」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




和牛と国産牛の違い

和牛と国産牛の違いを分かりやすく言うと、和牛とは日本在来である牛の品種、国産牛とは日本で飼育された牛という違いです。

一つ目の和牛を使った分かりやすい例としては、「黒毛和種​は和牛の90%を占めています」「和牛の飼育期間は約3年と言われています」「和牛人気ランキング一位は近江牛に違いない」「霜降り和牛のサーロインステーキをいただきました」などがあります。

二つ目の国産牛を使った分かりやすい例としては、「あの店は輸入牛を国産牛と偽って売っていた」「国産牛の焼肉食べ放題に行きたいです」「国産牛を使用したランチ定食を注文しました」などがあります。

和牛と国産牛という言葉は、どちらも日本に由来する肉牛を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

和牛とは、日本の在来種をもとに飼育された食肉専用の牛を意味します。具体的には、「黒毛和種」「褐毛和種」「無角和種」「日本短角種」の4品種と、それらを掛け合わせた交雑種が「和牛」と呼ばれています。必ずしも日本国内で飼育しているとは限りません。

国産牛とは、基本的に日本で飼育された牛を意味します。生まれてから出荷されるまでの間で、一番長く育てられたのが日本である牛です。そのため、外国由来の品種であっても、外国で生まれた牛であっても、日本での飼育期間が長ければ「国産牛」になります。

つまり、和牛は品種により定義されるものであり、国産牛は飼育地で定義されるものです。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

和牛を英語にすると「Wagyu」「Japanese cattle」となり、例えば上記の「和牛の90%を占める」を英語にすると「accounts for 90% of wagyu」となります。

一方、国産牛を英語にすると「domestic beef」「domestic cattle」となり、例えば上記の「輸入牛肉を国産牛肉と偽る」を英語にすると「label imported beef as domestic beef」となります。

和牛の意味

和牛とは、家畜の牛で、日本在来の品種を意味しています。

和牛を使った分かりやすい例としては、「欧米でも和牛は非常に人気が高いです」「黒毛和牛のホルモンが大好物です」「農水省は和牛肉需要拡大緊急対策事業を推進しています」「和牛の神様と呼ばれている畜産家がいます」などがあります。

その他にも、「和牛の特徴は柔らかい触感と脂の旨味です」「ふるさと納税で黒毛和牛の返礼品を受け取りました」「一番好きな和牛のブランドは松阪牛です」「私は三大和牛のなかでも神戸ビーフが好きです」などがあります。

和牛とは、日本の在来種の牛を意味しますが、広義には在来種に外国種を交配した改良種も含めます。明治・大正時代から欧米の品種を導入して改良された肉用種として、黒毛和種(黒毛和牛)・褐毛和種・無角和種・日本短角種があります。

国内で肥育されている和牛の90%以上が黒毛和種です。黒毛和種はもともと役牛えでしたが、肉質がよく美味なため肉牛として各地で飼育されるようになりました。黒毛和種には、神戸牛・松阪牛・近江牛・米沢牛などがあります。

和牛の対義語・反対語としては、アンガス州の在来牛を改良した肉専用種を意味する「アンガス牛」などがあります。

和牛の類語・類義語としては、食肉を得る目的で飼育される牛を意味する「肉牛」、乳をとることを目的として飼育される牛を意味する「乳牛」、肉質の優れた素牛に濃厚飼料を多く与え長期間肥育した牛を意味する「銘柄牛」などがあります。

国産牛の意味

国産牛とは、国内で飼育された牛を意味しています。

国産牛を使った分かりやすい例としては、「焼肉屋で国産牛コースを堪能する」「締めの前に国産牛タンを注文しました」「お中元に国産牛すじカレーを贈りました」「見た目だけでは国産牛と和牛の違いはわかりません」などがあります。

その他にも、「国産牛の相場は年々上がっています」「国産牛はA4ランクが好みです」「購入した国産牛の個体識別番号を検索する」「国産牛の人気ランキングをチェックする」「ホルスタインは国産牛の約半分を占めています」などがあります。

国産牛とは、国内で飼育された牛を意味し、日本においては日本国内で長く育てられた牛を指します。品種や出生地に関わらず、飼育期間が最も長い場所が日本である牛が「国産牛」となり、たとえ外国生まれの牛であっても国産牛と表示することができます。

国産牛には、和牛以外の牛も含まれます。例えば、ホルスタインなどの乳用種のオスや,搾乳を終えたメスなども「国産牛」になります。日本で飼育する国産牛のうち和牛が占める割合は、全体のおよそ4割程度です。

国産牛の対義語・反対語としては、外国で飼育された牛肉を意味する「輸入牛」、オーストラリア産の牛肉を意味する「オージービーフ」などがあります。

国産牛の類語・類義語としては、輸入品に対して自国で生産されたものを意味する「国産品」、日本国内で生産し収穫された米のことを意味する「国産米」、国産牛の個体識別のための情報の適正な管理を目的とした法律を意味する「牛トレーサビリティ法」などがあります。

和牛の例文

1.鹿児島で育てられた黒毛和牛のしゃぶしゃぶ用薄切りを、父の日のプレゼントとして贈りました。
2.今日は給料日なので、ちょっとリッチに炭火焼き和牛ハンバーグを注文しました。
3.職場で干された友人に、和牛のステーキをもてなして元気づけようと思います。
4.和牛は海外でWagyuとして広く流通しており、外国産のWagyuも増えています。
5.日本を訪れる外国人観光客にとって、ブランド和牛はとても人気な食材の一つです。

この言葉がよく使われる場面としては、日本固有の肉用種で、黒毛和種・褐毛赤毛和種・無角和種・日本短角種の4品種とそれらの交雑種を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「ブランド和牛」とは、銘柄ごとに定められたある一定の基準を満たした和牛を意味します。「松阪牛」「米沢牛」「前沢牛」などはその一つです。

国産牛の例文

1.激安通販サイトで国産牛をお手頃価格で買えたので、とても嬉しいです。
2.和牛と国産牛のどっちが美味しいのか、家族で食べ比べてみることにしました。
3.国産牛は和牛よりも幅広い種類があり、その多くはホルスタイン種です。
4.一昔前まで米国産牛肉はまずいと思っていましたが、最近は美味しくなったと感じます。
5.外国産牛肉の危険性を検証せずに輸入することは、消費者として断固反対です。

この言葉がよく使われる場面としては、食肉に用いられる牛のうち国内で生産されたものを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「米国産牛肉」とは、アメリカ合衆国を原産地とするか、またはアメリカ合衆国で加工された牛肉のことです。

和牛と国産牛という言葉は、どちらも「日本の牛」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、日本在来である牛の品種を表現したい時は「和牛」を、日本で飼育された牛を表現したい時は「国産牛」を使うようにしましょう。

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