似た意味を持つ「ベストプラクティス」と「グッドプラクティス」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ベストプラクティス」と「グッドプラクティス」という言葉は、「良い手法」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ベストプラクティスとグッドプラクティスの違い
ベストプラクティスとグッドプラクティスの意味の違い
ベストプラクティスとグッドプラクティスの違いを分かりやすく言うと、ベストプラクティスの方がグッドプラクティスよりも良い手法や取り組みである時に使うという違いです。
ベストプラクティスとグッドプラクティスの使い方の違い
一つ目のベストプラクティスを使った分かりやすい例としては、「簡単なベストプラクティスに行きつくまでに試行錯誤した」「ベストプラクティスに至るのもまだ難しい」「過去のベストプラクティスを参考にするのが近道だろう」などがあります。
二つ目のグッドプラクティスを使った分かりやすい例としては、「お互いにグッドプラクティスを共有する」「グッドプラクティス事例集を参考にする」「グッドプラクティスとして紹介されているものでも出来ることから始める」などがあります。
ベストプラクティスとグッドプラクティスの使い分け方
ベストプラクティスとグッドプラクティスはどちらも、良い手法や取り組みを意味する言葉ですが、使い方が若干異なります。
ベストプラクティスは、最善の方法や最良の取り組みを表します。その他にも、上記例文の「ベストプラクティスに至る」などのように「業界標準」を表したり、「過去のベストプラクティス」などのように「成功事例」を表すこともあります。
一方のグッドプラクティスは、優れた取り組みを表します。上記例文の「グッドプラクティスを共有」「グッドプラクティス事例集」「グッドプラクティスとして紹介」などのように、教育に関する取り組みや働く人のための取り組みを指す言葉として用いられます。
つまり、ベストプラクティスの方がグッドプラクティスよりも良い手法であるという違いがあります。
ベストプラクティスとグッドプラクティスの英語表記の違い
ベストプラクティスを英語にすると「best practice」となり、例えば上記の「簡単なベストプラクティス」を英語にすると「simple best practices」となります。
一方、グッドプラクティスを英語にすると「good practice」となり、例えば上記の「グッドプラクティスを共有する」を英語にすると「share good practices」となります。
ベストプラクティスの意味
ベストプラクティスとは
ベストプラクティスとは、最善の方法や最良の取り組みを意味しています。
その他にも、業界標準や成功事例を意味する言葉として使われることがあります。
ベストプラクティスの使い方
「とあるベストプラクティス賞は付加価値的な支援を行う事務所に対して送られるそうだ」「他社のベストプラクティスを参考に自分たちのやり方を見出す」などの文中で使われているベストプラクティスは、「最善の方法」の意味で使われています。
一方、「未だにベストプラクティスに届いてはいない」などの文中で使われているベストプラクティスは「業界標準」の意味で使われ、「弊社のベストプラクティス集を読む」などの文中で使われているベストプラクティスは「成功事例」の意味で使われています。
ベストプラクティスは英語で「best practice」と表記され、「最善」「最良」を意味する「best」と「実行」「実践」「手腕」「慣習」を意味する「practice」を組み合わせた言葉です。「最善慣行」「最良慣行」とも呼ばれています。
その他にも、目標に至るまでの方法として最も効率のよい手法や最善である取り組みを表しますが、「業界標準」「成功事例」を意味する言葉として使われることもあります。
表現方法は「ベストプラクティス賞」「ベストプラクティスアワード」
上記例文の「ベストプラクティス賞」とは、実際に成果や効果を出している最善の方法や最良の事例に対して送られる賞を指す言葉で、各種業界によって審査基準は異なります。「ベストプラクティスアワード」と呼ばれることもあります。
ベストプラクティスの類語
ベストプラクティスの類語・類義語としては、最も該当の任務や仕事に適していることを意味する「最適任」、仕事をするにあたって最適である様子を意味する「最良適合」、物事を成功させるために最も効果的な方法や法則を意味する「成功の秘訣」などがあります。
グッドプラクティスの意味
グッドプラクティスとは
グッドプラクティスとは、優れた取り組みを意味しています。
グッドプラクティスの使い方
グッドプラクティスを使った分かりやすい例としては、「グッドプラクティスを支えるために対応が進められている」「グッドプラクティスは大学生教育に関するものだ」「グッドプラクティスを推し進めることは社会にも良い影響がきっとある」などがあります。
その他にも、「過去のグッドプラクティスに学んで事業改善を行う」「グッドプラクティス事例を分野ごとに分けて紹介してくれる文書だった」「働き方改革におけるグッドプラクティスはまずは休暇日数から見つめ直すべきだろう」などがあります。
グッドプラクティスは英語で「good practice」と表記され、「良い」「優秀」「立派な」を意味する「good」と「practice」を組み合わせた言葉です。教育分野からビジネスシーンまで幅広く使われており、「GP」と省略して用いられることもあります。
文部科学省は大学教育改革を進めるにあたって、実際に行われている優れた取り組みを支援したり、他の大学にも取り組みを共有することによって改革を促しており、これを「グッドプラクティス」と呼んでいます。
グッドプラクティスの対義語
グッドプラクティスの対義語・反対語としては、正すべき慣行や慣例を意味する「バッドプラクティス」があります。
グッドプラクティスの類語
グッドプラクティスの類語・類義語としては、体験などに基づく事実によって結論付けられた様子を意味する「実証済み」、他社の優れた事例を分析することで自社の作業効率などを改善する手法を意味する「ベンチマーケティング」などがあります。
ベストプラクティスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、最善の方法や最良の取り組みを意味する時などが挙げられます。
例文4のベストプラクティスは「業界標準」を表す言葉として使われ、例文5は「成功事例」を表す言葉として使われています。
グッドプラクティスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、優れた取り組みを意味する時などが挙げられます。
例文1や例文5のように大学教育において用いられることもあれば、ビジネスシーンなどにおいて用いられることもあります。
ベストプラクティスとグッドプラクティスは、どちらも「良い手法」を表します。どちらを使うか迷った場合は、「ベストプラクティス」の方が「グッドプラクティス」よりも良い手法や取り組みであると覚えておけば間違いありません。