似た意味を持つ「習慣」(読み方:しゅうかん)と「ルーティン」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分けを参考にしてみてください。
「習慣」と「ルーティン」という言葉は、どちらも毎日のように繰り返される、定着した行動を意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
習慣とルーティンの違い
習慣とルーティンの意味の違い
習慣とルーティーンの違いを分かりやすく言うと、習慣というのは、生活の中で定着している行動を意味していて、ルーティンというのは、仕事の中で定着している行動を意味しているという違いです。
習慣とルーティンの使い分け方
習慣もルーティーンも、毎日のように繰り返される、定番となった行動のことを意味していますが、「どこで」定着しているかが異なります。「生活習慣」と「ルーティンワーク」という言葉を思い出してみれば、実は違いが分かるようになっています。
例えば引退したある野球選手は、毎朝カレーを食べていたそうです。これは生活の中で定着した「習慣」です。また彼は、打席に立つ際に毎回同じポーズを取っていました。これは仕事で定着している「ルーティン」です。「打席でのルーティン」と言われていました。
習慣の意味
習慣とは
習慣とは、生活の中で定着している、毎日のように繰り返される行動を意味しています。
表現方法は「習慣になる」「習慣づける」「習慣化」
「習慣になる」「習慣づける」「習慣化」などが、習慣を使った一般的な言い回しです。
習慣の使い方
例えば、「早寝早起きを習慣づける」などのように使われます。
また、朝起きたらまず歯を磨いて顔を洗うことを「社会的な習慣」と言うことが出来ます。このように、社会の中で一般的に行われる「ならわし」も習慣という言葉で表現します。
また心理学では、反復によって後天的に獲得され固定化された行動様式のことを意味します。早寝早起きのようなものよりも、もっと素朴に、例えば話し方がはきはきしているとか、猫背で歩くなどのような、いわゆる「癖」のことを心理学では習慣と言います。
習慣の習も慣も、どちらも「ならう」ことを意味する言葉ですが、習という字には、反復して身に付けるという意味合いがあります。学習や練習という言葉にも、一朝一夕ではいかず、反復を必要とするという意味合いがあります。
習慣と慣習の混同に注意
なお、習慣と混同される言葉として「慣習」(読み方:かんしゅう)があります。
「習慣」の方は、個人的な物事にも社会的な物事にも使われます。「腹八分目を習慣づける」や「クールビズも習慣化が始まった」などの使い方を考えてみて下さい。
「慣習」の方は、社会的な物事に対してのみ使うことが出来ます。そして、ルールとしていっそう強制力があるという意味合いが強いです。「村のしきたり/ならわり」というのは、慣習と同じ意味です。また「慣習法」という言葉も覚えておくといいでしょう。
習慣の類語
習慣の類語・類義語としては、毎日することを決めている行動を意味する「日課」、古くからの習わしを意味する「慣行」、癖のようになっている行動を意味していて、特に現代では悪いことに用いられる「常習」などがあります。
ルーティンの意味
ルーティンとは
ルーティンとは、仕事の中で定着している、毎日のように繰り返される行動を意味しています。
表現方法は「ルーティンを決める」「ルーティンをこなす」「ルーティン化する」
「ルーティンを決める」「ルーティンをこなす」「ルーティン化する」などが、ルーティンを使った一般的な言い回しです。
ルーティンの使い方
「ルーティンワーク」という言葉を思い出せば、ルーティンが仕事と結びつくことが分かるようになります。
例えば「業務のルーティン化」というのは、仕事の効率化や時間短縮などのために、毎日の業務で何をどうやるかを定めることです。また、アスリートが精神を集中させるためにポーズを取ったりすることがありますが、それをルーティンと表現することも普通です。
ちなみにルーティンは英語をカタカナ表記したものなので、ルーティーンやルーチンなどと書かれることがあります。
ルーティンの類語
ルーティン(routine)の類語・類義語としては、パターン(pattern)、数学などの公式(fomula)、方法(method)などがあります。ルーティンワークと言えば、パターン化され、公式や方法のように伝達が出来るようになっている業務のことです。
習慣の例文
この言葉がよく使われる場面としては、生活の中で自然と身に付けている行動を表現したい時などが挙げられます。「生活習慣を身に着ける」や「生活習慣を改善する」は、意図的なものですが、自然と行動できるように反復練習することを始めるという意味です。
習慣とルーティンは似ていますが、そこまで使い分けに迷う言葉ではありません。むしろ、習慣と慣習の方が、はっきりとした区別がなく、迷わされます。習慣は自然に慣れていることで、慣習はルールによって慣れていることと考えることが、一応の目安になります。
ルーティンの例文
この言葉がよく使われる場面としては、仕事の中で繰り返される同一の行動を表現したい時などが挙げられます。スポーツ選手のルーティンは、例文1にある精神統一のような明確な意図をもって行われています。
日常の仕事の中では、明確な意図をもってルーティン化が行われる場合もありますが、例文3や4のように、自然と行われてきた「慣行」の意味になる場合も多いです。
そしてその場合、ルーティンは退屈なものになることもあります。英語の類語辞典によると「退屈な(boring)」の意味があります。ルーティンは外来語なので、どんな意味合いが込められているか深く知りたい時には、英英辞書などで調べるようにすると良いです。