似た意味を持つ「入れ違い」(読み方:いれちがい)と「行き違い」(読み方:いきちがい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「入れ違い」と「行き違い」という言葉は、どちらも場所や時間などのちょっとしたずれのために互いに会えないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「入れ違い」と「行き違い」の違い
「入れ違い」と「行き違い」の意味の違い
「入れ違い」と「行き違い」の違いを分かりやすく言うと、「入れ違い」とは同じ場所で時間差が生じて互いに会えないこと、「行き違い」とは場所や時間のずれで互いに会えないことという違いです。
「入れ違い」と「行き違い」の使い方の違い
一つ目の「入れ違い」を使った分かりやすい例としては、「部長が外出したのと入れ違いで人が訪ねてきた」「兄の卒業と入れ違いで弟が入学する」「この場所で約束していたのに入れ違いになってしまった」「私たち丁度入れ違いだね」などがあります。
二つ目の「行き違い」を使った分かりやすい例としては、「電話が行き違いになってしまった」「彼との感情の行き違いが生じる」「両親と意見の行き違いがあった」などがあります。
「入れ違い」と「行き違い」の使い分け方
「入れ違い」と「行き違い」はどちらも場所や時間などのちょっとしたずれのために互いに会えないことを意味する共通点がありますが、使い方に少し違いあります。
「入れ違い」は同じ場所で出入りに時間差が生じて互いに会えない場合に使うのに対して、「行き違い」は場所や時間のずれで互いに会えないことを意味しています。
「入れ違い」は同じ場所で一方が入ってきたが、もう一方が出て行って会えないことのイメージで、「行き違い」はお互いの場所や時間がずれていて会えないことをイメージすれば分かりやすいでしょう。
また、「入れ違い」は間違って入れること、「行き違い」は意志が上手く通じないでくい違いが生じることという意味を持っているのも違いの一つです。
「入れ違い」と「行き違い」の英語表記の違い
「入れ違い」を英語にすると「pass each other」「missed each other」となり、例えば上記の「私たち丁度入れ違いだね」を英語にすると「We just missed each other」となります。
一方、「行き違い」を英語にすると「disagreement」「missed each other」となり、例えば上記の「両親と意見の行き違いがあった」を英語にすると「I had a disagreement with one of my parents」となります。
「入れ違い」の意味
「入れ違い」とは
「入れ違い」とは、 一方が出たすぐあとに他方が入ることを意味しています。その他にも、間違って入れることの意味も持っています。
表現方法は「兄が卒業するのと入れ違い」「商品の入れ違い」
「兄が卒業するのと入れ違い」「商品の入れ違い」などが、「入れ違い」を使った一般的な言い回しになります。
「入れ違い」の使い方
「結局入れ違いで会うことが出来なかった」「姉の卒業と入れ違いで妹が入学する」などの文中で使われている「入れ違い」は、「一方が出たすぐあとに他方が入ること」の意味で使われています。
一方、「2冊の本の順番が入れ違いになっている」「原因が分からないが当選番号の入れ違いが起こってしまった」などの文中で使われている「入れ違い」は、「間違って入れること」の意味で使われています。
「入れ違い」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。
一つ目は、一方が出たすぐあとに他方が入ることを意味しており、あくまでも同じ場所で出入りがあり会えない場合に使うと覚えておきましょう。また、こちらの意味で使う場合は「入れ違いに」のように副詞的に使うことが多いです。
二つ目は、「自販機にコインの入れ違いの形跡があった」のように間違って入れることの意味で使っています。
「行き違い」の意味
「行き違い」とは
「行き違い」とは、場所や時間のずれで互いに会えないことを意味しています。その他にも、意志が上手く通じないでくい違いが生じることの意味も持っています。
「行き違い」の読み方
「行き違い」は「いきちがい」と「ゆきちがい」の二通りの読み方があり、どちらを使っても問題もありません。
表現方法は「行き違いがあり」「認識の行き違い」「行き違いが生じる」
「行き違いがあり」「認識の行き違い」「行き違いが生じる」などが、「行き違い」を使った一般的な言い回しになります。
「行き違い」の使い方
「彼女を追いかけたが行き違いで会えなかった」「行き違いになる可能性あるのでこの場を動かないことにした」などの文中で使われている「行き違い」は、「場所や時間のずれで互いに会えないこと」の意味で使われています。
一方、「彼女との感情の行き違いが生じたので分かれることにした」「両親と感情の行き違いがあり疎遠になっている」などの文中で使われている「行き違い」は、「意志が上手く通じないでくい違いが生じること」の意味で使われています。
「行き違い」は出会うはずの人が、お互いの場所や時間がずれていて会えない場合に使う言葉になります。またこれが転じて、実際に会う会わないではなく、意志が上手く通じないでくい違いが生じることの意味で使われるようになりました。
「行き違い」の類語
「行き違い」の類語・類義語としては、考え方や感じ方などに少し隔たりがあることを意味する「ずれ」、物事がうまく噛み合わないことを意味する「齟齬」、食い違うことを意味する「食い違い」、時間や位置などがずれて会えるはずが会えないことを意味する「すれ違い」などがあります。
「入れ違い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、 一方が出たすぐあとに他方が入ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、間違って入れることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「入れ違い」は一方が出たすぐあとに他方が入ることの意味で使っており、例文4と例文5の「入れ違い」は間違って入れることの意味で使っています。
「行き違い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、場所や時間のずれで互いに会えないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、意志が上手く通じないでくい違いが生じることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「行き違い」は場所や時間のずれで互いに会えないことの意味で使っており、例文3から例文5の「行き違い」は意志が上手く通じないでくい違いが生じることの意味で使っています。
「入れ違い」と「行き違い」どちらの言葉を使うか迷った場合、一方が出たすぐあとに他方が入ることを表現したい時には「入れ違い」を、場所や時間のずれで互いに会えないことを表現したい時は「行き違い」を使うと覚えておきましょう。