【他方】と【一方】と【片方】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「他方」(読み方:たほう)と「一方」(読み方:いっぽう)と「片方」(読み方:かたほう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「他方」と「一方」と「片方」という言葉は、二つあるうちの一つという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




他方と一方と片方の違い

他方と一方と片方の意味の違い

他方と一方と片方の違いを分かりやすく言うと、他方は比較対象がある時に使い、一方は一つに偏る時にも使い、片方は二つのうちの一つを表す時のみ使うという違いです。

他方と一方と片方の使い方の違い

他方という言葉は、「一方が豪華で他方が質素である」「一方の人は徐々に年を取り、他方の人は急に老けたようになる」などの使い方で、二つのもののもう一方を意味します。

一方という言葉は、「一方、彼はその時遊んでいた。」「一方的な条件が提示された」などの使い方で、二つ存在するうちのもう一つを意味します。

片方という言葉は、「片方の目が充血している」「片方の意見ばかり聞こえてくる」などの使い方で、対になっているものの一つを意味します。

他方と一方と片方の使い分け方

一方と片方は同じように使われますが、前者は「一方通行」のように方向を指し示したり、「痩せる一方」のようにその方面に偏ることを表したり、「口が悪い一方、甘えたなところがある」のように同時にそういった性質があることを表す使い方ができます。

しかし、片方には、靴や箸など二つで一つの物に対してや、対立する二つの立場などに対してしか使うことができず、「片方通行」「痩せる片方」であったり、接続助詞のように使うことはできません。

また、他方という言葉は、「一方は左、他方は右へと進む」「彼は口が悪いが、他方甘えたなところがある」のように文章や会話の中で出てきた何かを比較対象とする使い方をします。後者の例文の他方は一方という言葉に置き換えることができます。

他方と一方は、ある事柄を別の方向から見た時に同じように使われる言葉ですが、名詞の場合、前者は対比する対象が必要です。その点、一方は一つに偏ることを表すことができますが、「痩せる一方」を「痩せる他方」のように置き換えることはできません。

そのため、これら三つの言葉を使われ方や意味が多い順番に並べると、一方>他方>片方となります。

これが、他方、一方、片方の明確な違いです。

他方の意味

他方とは

他方とは、二つのもののもう一方を意味しています。

他方の読み方

他方は「たほう」という読み方をしますが、「たかた」「ほかかた」などの読み方はしません。

表現方法は「他方では」「他方で」「他方において」

「他方では」「他方で」「他方において」などが、他方を使った一般的な言い回しです。

他方の使い方

他方を使った表現として、「一方は戦い、他方は隠れた」「一方の答えから他方の答えを導き出す」「現在読んでいる文書と他方の文書は筆者が同じだ」などがあります。どの例文も、先に別の対象があり、それと対比させる使い方をしています。

また、「他方、労働者からの搾取は続いていた」「他方で、情報量が多いためなかなかほしいものが見当たらない」などのように、接続詞「しかし」と同じような使い方をして、他の方面から見た場合の話に繋げることができます。

これらの使い方は、本や論文などの書物で使われるのはもちろん、ビジネスシーンでも使われます。日常生活で使うには固い言葉ではありますが、使うことはできます。

ただし、比較対象を先に提示している場合に使うことができる言葉であるため、ビジネスシーンにおいては意識して使う必要があります。

他方の類語

他方の類語・類義語としては、反対の面や他の面から見た場合のことを意味する「反面」があります。

一方の意味

一方とは

一方とは、二つあるうちの一つを意味しています。

その他にも、「一方は駅に向かう道だと教わった」などのように一つの方面や方向を意味したり、「周囲は混乱する一方だ」などのようにその状態になるばかり、そうなるだけということも意味します。

また、「我慢強い一方、一度泣くと止まらなくなる」など、その反面といった接続助詞のような働きをしたり、「彼は黙々と宿題を進めた。一方、彼の弟は遊んでいた」など、もう一つについて言うと、話は変わってといった接続詞としての働きもします。

一方の読み方

一方は「いっぽう」という読み方をしますが、「ひとかた」と読むこともできる言葉です。この場合もう一つのものを表すのではなく、もう一人の人を意味したり、程度が普通である様子を意味するため、「いっぽう」と読む時とは意味が異なります。

一般的に「ひとかた」として読まれることは少なく、「いっぽう」として読まれることがほとんどです。

日常生活からビジネスシーンまで様々な場面で使われ、テレビのナレーションなどでも「一方その頃」という表現が使われることも多くあります。

表現方法は「増える一方」「一方で」「一方通行」

「増える一方」「一方で」「一方通行」などが、一方を使った一般的な言い回しです。

一方の対義語

一方の対義語・反対語としては、関係するものの両方を意味する「双方」があります。

一方の類語

一方の類語・類義語としては、特に変わったところがなく普通であることを意味する「正常」、特別ではなく普通であることを意味する「尋常」があります。

片方の意味

片方とは

片方とは、対になっているものの一つを意味しています。

表現方法は「片方だけ」「目の片方」「片方の鼻」

「片方だけ」「目の片方」「片方の鼻」などが、片方を使った一般的な言い回しです。

片方の使い方

例えば、「片方の箸を落とした」「靴の片方を履き間違えた」「片方の鼻が詰まっている」「目の片方から涙が止まらない」など、元から二つで一つとして扱われているものに対して多く使われる言葉です。

その他にも、「片方にまとめて置かれている」「片方だけから紐が垂れている」など、片側を意味する時や、「片方の立場だけを考えてはいけない」「片方から聞いたならもう片方の意見も聞く」など、対立する二つの立場を意味する時にも使います。

口語的に使われることが多く、日常生活内でよく使われますが、ビジネスシーンにおいて目上の人や取引相手などに対して片方という言葉を使う際には、他方や一方という言葉に置き換えて使われることがあります。

「片っ方」の意味

「片っ方」(読み方:かたっぽう)という表現は、片方をさらに口語的にくだけた言い方をしたものです。

片方の対義語

片方の対義語・反対語としては、二つの方向や方面を意味する「両方」があります。

片方の類語

片方の類語・類義語としては、二つのうちの一方を意味する「片一方」、色々な性質や特色などがあるうちの一つを意味する「側面」があります。

他方の例文

1.一番上の息子が上京して、他方はまだ実家にいるが、きっと高校卒業を機に飛び出すのだろう。
2.エスカレーターでは片方に寄って他方を空けるが、大阪と東京で空ける方が逆であることを旅行の時いつも忘れる。
3.他方、今すぐに影響があるわけではない対策方法ももちろん存在する。
4.社食の「本日の定食」はいつも二種類で、一方が和食、他方が洋食なのだが、今日は何故か二つとも中華だった。
5.あるクラスメイトはいじめで先生に叱られていたが、事情を聴いてみると両親に虐待されていることがわかり、彼は一方では加害者と言えるが、他方では被害者とも言えるのである。
6.地球は一つだというのに、きれいな飲み水を確保するのにも苦労する地域があると思えば、他方では湯水のごとく水を使っている地域もあるのだからね。

この言葉がよく使われる場面としては、二つのもののもう一方を意味する時などが挙げられます。

基本的には例文1や例文2のように対比する単語や文章が先に出ている時に使われます。

一方の例文

1.一方通行の道路標識を確認して、Uターンせざるを得なかった。
2.一方口だけでなくたくさんの意見を聞いて、それを総合して答えを出したい。
3.彼はいつもこちらを気にせず一方的に話し掛けてくるため、半分くらい何を聞いたのか忘れる。
4.不摂生と自粛生活が相まって、私の体重は増える一方で全く減る気配がない。給料もこれほど増える一方だといいのになぁ。
5.上司が急な用事で現場にいなくなったものだから、わたしたち新人は混乱する一方であったが、お互いに話し合ってうまく仕事を回せるように努力した。
6.職場では重要なプロジェクトでトラブルが発生していたが、一方その頃、わたしは部下たちが忙殺されているとも知らずに久しぶりのバカンスを楽しんでいたのだった。

この言葉がよく使われる場面としては、二つあるうちの一つを意味する時などが挙げられます。

例文2の「一方口」とは、二人のうちの一人だけの言い分を意味する言葉です。

例文3の「一方的」とは、相手を考慮しないで自分の側の都合だけによる様子を意味する言葉です。

片方の例文

1.手袋の片方を歩いている時に落としてしまったらしく、後ろを歩いていた人が拾ってくれた。
2.カレンダーが片方に傾いていたため、予定を書き込む時に傾きを直した。
3.走っている時に片方の靴が脱げたため、目の前でバスが走って行ってしまった。
4.娘を自転車で幼稚園に送る途中、手袋を片方落としてしまい見つからず諦めていたら、1週間後塀の上に置かれてるのを発見した。
5.探偵は彼の顔をじっとみつめていつくかの質問をしたが、それもこれも彼が嘘をついていると片方の耳がピクっと動くのは本当なのかを確かめようとしたのだ。
6.高校生のカップルがイヤホンを片方ずつ共有して音楽を聴いている姿を見ると、恋人いない歴がそのまま年齢になるわたしの嫉妬心が沸々と湧いてきてしまうのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、対になっているものの一つを意味する時などが挙げられます。

どの例文の片方という言葉も、一方や他方に置き換えて使うことができます。

他方と一方と片方どれを使うか迷った場合は、比較対象がある場合は「他方」を、一つに偏ることを表す場合は「一方」を、二つのうちの一つを表す場合は「片方」を使うと覚えておけば間違いありません。

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