【喚起】と【換気】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「かんき」という読み方の「喚起」と「換気」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「喚起」と「換気」という言葉は同音の言葉ですが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。




喚起と換気の違い

喚起と換気の意味の違い

喚起と換気の違いを分かりやすく言うと、喚起は相手に呼び掛けることを表現する時に使い、換気は空気を入れ替えることを表現する時に使うという違いです。

喚起と換気の使い方の違い

一つ目の喚起を使った分かりやすい例としては、「ここ最近の物騒な事件に関して生徒たちに注意を喚起する」「久しぶりに聞いた曲が自分の思い出を喚起してくれる」「需要喚起のための策を講じる必要がある」などがあります。

二つ目の換気を使った分かりやすい例としては、「換気扇の掃除をこまめにしておく必要がある」「部屋の換気を行わなければ脳に酸素が行かずに眠気を催す」「計画換気で使われる給気口がインテリアに合わずとも塞がないようにする必要がある」などがあります。

喚起と換気の使い分け方

喚起の喚という漢字は、大声で叫ぶことや声を掛けて遠くのものを呼び寄せることを意味しますが、実際に声に出して招くわけではない呼び出しに対しても使われます。そのため、相手に何かを訴える場合に、喚起という言葉は多く使われています。

一方の換気の換という漢字には、他のものに取り換える、何かと入れ替わるという意味があります。空気を新しいものに取り換えることを意味する換気という言葉は、この意味以外に使われることはありません。

漢字の部首からもわかるように、喚起は口を開くことなどで呼び掛けることを表しますが、換気は手で新しいものに取り換えることを表すため、これら二つの言葉の意味は大きく異なります。

喚起と換気の英語表記の違い

喚起を英語にすると「rouse」「evoke」「awaken」などとなり、例えば上記の「相手の注意を喚起する」を英語にすると「attract another person’s attention」となります。

一方、換気を英語にすると「ventilate」「ventilation」となり、例えば上記の「換気扇」を英語にすると「a ventilating fan」となります。

喚起の意味

喚起とは

喚起とは、呼び起こすことを意味しています。

表現方法は「喚起する」「喚起します」「喚起を促す」

「喚起する」「喚起します」「喚起を促す」などが、喚起を使った一般的な言い回しです。

喚起の使い方

喚起を使った分かりやすい例としては、「車の走行中に注意喚起してくれるシステムが鳴り響く」「旅行や外食需要を喚起するための施策にあやかる」「学習意欲を喚起させるような授業ができるのが理想だ」などがあります。

その他にも、「イメージの喚起力はその作品が持つ魅力でもある」「消費喚起政策のために還元キャンペーンなどが行われている」「興味喚起度が高いSNSでは毎日様々な広告を見かける」などがあります。

「注意喚起」の意味

喚起を使った表現で多く見受けられる「注意喚起」という言葉は、注意するよう呼び掛けるという意味を持ちますが、注意という言葉以外を伴う場合は内なるものが呼び起こされることを意味します。

そのため、「需要の喚起」「意欲を喚起する」「イメージの喚起力」「興味喚起」などの表現は、内なる感情などは、声や音などを出して相手に呼び掛けをするという行為に限りません。

「情動喚起」や「記憶喚起」などの使い方もあり、どの使い方でもビジネスシーンや論文など文語的に使われるものの、日常生活においては「注意喚起」以外の表現はあまり使われていません。

喚起の類語

喚起の類語・類義語としては、危険を予告し警戒するよう促すものを意味する「警鐘」、声を掛けたり拍手を送って選手などを励ますことを意味する「応援」、声を出して応援することを意味する「声援」などがあります。

換気の意味

換気とは

換気とは、建物内などの空気を排出して外の空気と入れ替えることを意味しています。

表現方法は「換気する」「換気をする」「換気を行う」

「換気する」「換気をする」「換気を行う」などが、換気を使った一般的な言い回しです。

換気の使い方

換気を使った分かりやすい例としては、「今日では保健換気が職場でもまめに行なわれているがその時だけは寒くてデスクから批難する」「部屋の換気扇が壊れていたために空気が籠っていた」「換気口から虫が侵入していたようだ」などがあります。

その他にも、「長い間換気行われていなかったからか空気がよどんでいる」「大掃除では換気用の小さな窓の周りの掃除も忘れないようにする」「冬は寒いために換気を怠りがちが」などがあります。

「保健換気」の意味

上記例文の「保健換気」とは、その部屋にいる者の健康や快適さなどのために行う換気をまとめて言ったもので、病原体などの拡散防止目的や臭いや熱などの排出目的などがこれに該当します。

「換気扇」「換気口」の意味

「換気扇」は壁や窓に付けられるモーター器具で、羽を回転させて室内の空気を排出する役割を持ち、「換気口」は換気を行なうための空気の取り入れ口を指す言葉で、給気口とも呼ばれています。

換気の類語

換気の類語・類義語としては、建物内や容器の空気を外へ放出することを意味する「排気」、空気の流れをよくして新鮮な空気を通わせることを意味する「通風」があります。

換気の対義語

換気の対義語・反対語としては、一定の空間などに隙間なく満ちることを意味する「充満」があります。

喚起の例文

1.注意喚起を幾度となく行なってきたつもりだが、結局のところ当人がその注意を軽視してしまえばあまり効果があるとは言えないのが現状だ。
2.言葉の喚起力は不思議なもので、幸せという言葉だけで過去の良い思い出が脳内に浮かぶこともあるが、幸せは人それぞれである。
3.観光需要換気はありがたいが、割を食うことになるのは宿泊施設で働く人たちなのではないだろうかと考えてしまう。
4.様々な感情を喚起するようなマンガに出会って最終回を実際に迎えると、ツラい箇所もあったがもう一度最初から読み直したいという気持ちにもなれる。
5.発見や喜びもなく退屈な日々を送っていたが、ある一冊の本との出会いによってイメージを喚起させられた。
6.SNSなども駆使して世論を喚起し、LGBTに対する無関心や無理解、ハラスメントをより一般的な社会問題として訴えていきたいと思う。
7.昨今住んでいる地区で窃盗事件が多発しているので、町内の回覧板で注意喚起がなされているが心配している。
8.コロナの自粛期間が長引いたせいで牛乳が余っているとのことで、テレビや新聞では様々な消費喚起がなされている。
9.現政権は内需喚起のために様々な政策を打ち出していたが、思うように景気は回復していないので支持率もどんどん低下している。
10.高校の国語の授業は、お世辞にも学習意欲を喚起させるような授業とは言えず、退屈でしかなかったので私はいつも居眠りをしていた。

この言葉がよく使われる場面としては、呼び起こすことを意味する時などが挙げられます。

例文5の「イメージの喚起」は、絵画や音楽、文学作品などの素晴らしい表現によって感銘を受けることを意味する表現として使われています。

換気の例文

1.窓がない部屋は、その部屋のドアを開けるだけでなく、台所や浴室などの換気扇を使って空気を入れ替えることなどでも換気になる場合もある。
2.今日では計画的に換気が職場でも行なわれているが、寒い日のその時間だけは窓の近くにある自分のデスクから給湯室に一度退避せざるを得ない。
3.換気の悪い密閉空間で活動をしていたメンバー全員が流行りの病に感染したため、体調がすこぶる悪いわけではないものの自宅待機となった。
4.換気不足のせいで二酸化炭素濃度が高まるため、息苦しさや頭痛に繋がるのが分かっていたため、休憩時に必ず窓を開けて外の空気を吸うようにしている。
5.浴室の換気扇は入浴後4時間のみ付けていたが、初夏は湿気でじめじめとしているため少し長めに付けている。
6.夜に換気もせずストーブをつけっぱなしにしたまま居眠りすれば、一酸化炭素中毒の危険性もあるのだから気をつけなさい。
7.最近の住宅では24時間換気機能がついているので、窓を開けなくても空気の入れ替えがスムーズに行えるようになった。
8.年末の大掃除では換気扇の掃除をするのが一番大変で、こびりついた油汚れをいかに落とすかでいつも四苦八苦している。
9.このご時世だから常に換気をしたいところだが、重度の花粉症で窓を開けることができないので空気清浄機に頼りっきりです。
10.こまめに換気しているのに、どうしてカビが発生するのだろう。やはりサーキュレーターを買った方がいいのかな。

この言葉がよく使われる場面としては、建物内などの空気を排出して外の空気と入れ替えることを意味する時などが挙げられます。

例文2の「計画的な換気」に似た言葉に、換気計画や計画換気と呼ばれるものがありますが、この二つは必要とされる量の空気を取り入れ、部屋の空気を排出し続けるシステムを指すもので、人自らが計画的に換気を行なう行為とは異なります。

喚起と換気どちらを使うか迷った場合は、相手に呼び掛けることを表す場合には「喚起」を、空気を入れ替えることを表す場合は「換気」を使うと覚えておけば間違いありません。

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