似た意味を持つ「はしたない」と「だらしない」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「はしたない」と「だらしない」という言葉は、どちらも動作や服装などが相手に不快感を与えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「はしたない」と「だらしない」の違い
「はしたない」と「だらしない」の意味の違い
「はしたない」と「だらしない」の違いを分かりやすく言うと、「はしたない」とは下品というニュアンスが強い、「だらしない」とは怠けているというニュアンスが強いという違いです。
「はしたない」と「だらしない」の使い方の違い
一つ目の「はしたない」を使った分かりやすい例としては、「はしたない言葉遣いは辞めなさい」「若い娘が足を開くなんてはしたない」「はしたない行動はしないように気をつけよう」「あなたの笑い方ははしたない」などがあります。
二つ目の「だらしない」を使った分かりやすい例としては、「犬がだらしない格好で寝ている」「時間にだらしない人とは遊びたくありません」「若いのにこのくらいでへばるなんてだらしないぞ」「彼女の仕事ぶりはだらしない」などがあります。
「はしたない」と「だらしない」の使い分け方
「はしたない」と「だらしない」はどちらも動作や服装などが相手に不快感を与えることを意味しています。あえて違いを挙げるならば、「はしたない」は下品というニュアンスが強く、「だらしない」は怠けているというニュアンスが強いということです。
「はしたない」と「だらしない」の英語表記の違い
「はしたない」を英語にすると「vulgar」「low」「shameful」となり、例えば上記の「あなたの笑い方ははしたない」を英語にすると「You laugh in a vulgar way」となります。
一方、「だらしない」を英語にすると「slovenly」「untidy」「sloppy」「loose」となり、例えば上記の「彼女の仕事ぶりはだらしない」を英語にすると「She works in a slipshod way」となります。
「はしたない」の意味
「はしたない」とは
「はしたない」とは、人の動作や言動が世間一般の作法からはずれ下品であることを意味しています。
表現方法は「はしたない人」「はしたない格好」「はしたない女性」
「はしたない人」「はしたない格好」「はしたない女性」などが、「はしたない」を使った一般的な言い回しになります。
「はしたない」の使い方
「はしたない」を使った分かりやすい例としては、「若い女性が胡坐をかくなんてはしたない」「そんなはしたない格好は辞めなさい」「些細なことではしたなく争っている」「良い年してはしたない言葉遣いは辞めよう」などがあります。
「はしたない」は人の動作や言動が世間一般の作法からはずれ下品であるというマイナスなイメージで使う言葉になります。「若い女性が胡坐をかくなんてはしたない」のように、女性の動作に対して使うことが多いのが特徴です。
「はしたない」の類語
「はしたない」の類語・類義語としては、見た感じが不愉快であることを意味する「見苦しい」、見た目に悪いことを意味する「みっともない」、下品で卑しいことを意味する「下劣」などがあります。
「だらしない」の意味
「だらしない」とは
「だらしない」とは、きちんとしてないことを意味しています。その他にも、節度がないことや根性がないことの意味も持っています。
表現方法は「だらしない人」「だらしない服装」「だらしない女」
「だらしない人」「だらしない服装」「だらしない女」「だらしない夫」などが、「だらしない」を使った一般的な言い回しになります。
「だらしない」の使い方
「だらしない格好は辞めなさいと叱られた」「だらしない格好で椅子にする座る」などの文中で使われている「だらしない」は、「きちんとしてないこと」の意味で使われています。
一方、「お金にだらしない人は嫌いです」「このくらいで諦めるなんてだらしない」「彼女は自分の子供のこととなると全くだらしない」などの文中で使われている「だらしない」は、「節度がないことや根性がないこと」の意味で使われています。
「だらしない」はきちんとしてないこと、節度がないこと、根性がないことの複数の意味を持つ、マイナスなイメージで使われる言葉です。
「だらしない」の語源
「だらしない」の語源は、人の行いや物事の状態などに締まりがないことを意味する「しだらない」の音節が入れ替わったことです。
「だらしない」の対義語
「だらしない」の対義語・反対語としては、律や道徳に厳しく不正や怠慢を許さないことを意味する「厳格」があります。
「だらしない」の類語
「だらしない」の類語・類義語としては、情けないほど意気地がないことを意味する「不甲斐ない」、態度や気性が柔弱であることを意味する「女々しい」、締まりのないことを意味する「底抜け」などがあります。
「はしたない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人の動作や言動が世間一般の作法からはずれ下品であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、マイナスなイメージで使われることが多いです。
「だらしない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、きちんとしてないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、節度がないことや根性がないことを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「だらしない」はきちんとしてないこと、例文3と例文4の「だらしない」は節度がないこと、例文5の「だらしない」は根性がないことの意味で使っています。
「はしたない」と「だらしない」はどちらも動作や服装などが相手に不快感を与えることを表しています。どちらの言葉を使うか迷った場合、下品という意味合いが強い時は「はしたない」を、怠けていたり清潔がないという意味合いが強い時は「だらしない」を使うと覚えておきましょう。