【異端児】と【風雲児】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「異端児」(読み方:いたんじ)と「風雲児」(読み方:ふううんじ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「異端児」と「風雲児」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




異端児と風雲児の違い

異端児と風雲児の意味の違い

異端児と風雲児の違いを分かりやすく言うと、異端児とは変わり者を表し、風雲児とは成功者を表すという違いです。

異端児と風雲児の使い方の違い

一つ目の異端児を使った分かりやすい例としては、「ネット界の異端児がシリコンバレーを批判する」「あいつはチームワークを乱す異端児だ」「球界の異端児として注目を集める」「僕は優秀な兄弟のなかで異端児だった」などがあります。

二つ目の風雲児を使った分かりやすい例としては、「彼こそが不動産業界の風雲児だ」「彼らはネット社会の風雲児たちだ」「流通業界の風雲児は波瀾万丈の人生であった」「新宿にラーメン界の風雲児の呼ばれる男がいる」などがあります。

異端児と風雲児の使い分け方

異端児と風雲児という言葉は、「〇〇業界の異端児」「〇〇業界の風雲児」のように、似た表現をする言葉ですが、意味や使い方には違いがあります。

異端児とは、ある分野の主流から外れ他と違う存在とみられている人を意味します。「〇〇業界の異端児」とは、ある業界において主流に属さずに特異な存在の変わり者であることを表します。周囲に理解されなかったり、チームワークを乱したりするため、マイナスイメージのある言葉です。

風雲児とは、時流やチャンスに乗じて目覚ましい活躍した人を意味します。「〇〇業界の風雲児」とは、業界の動きや変化を利用して頭角をあらわす者のことです。その分野において大いに手腕をふるう成功者を表すため、プラスイメージのある言葉です。

異端児と風雲児の英語表記の違い

異端児を英語にすると「nonconformist」「maverick」となり、例えば上記の「ネット界の異端児」を英語にすると「internet maverick」となります。

一方、風雲児を英語にすると「lucky adventurer」「soldier of fortune」となり、例えば上記の「業界の風雲児」を英語にすると「lucky adventurer of the business world」となります。

異端児の意味

異端児とは

異端児とは、ある分野で、正統から外れ特異な存在とみられている人を意味しています。

異端児の使い方

異端児を使った分かりやすい例としては、「異端児扱いされやすい人には特徴がある」「異端児が先駆者となる」「強気な性格から異端児と見られてきた」「異端児と言われる有名人がいます」「ハウスダンスの異端児と呼ばれている」などがあります。

その他にも、「不動産業界に風穴をあける異端児である」「戦国時代の異端児と言えば織田信長だろう」「バレエ界の異端児と呼ばれた男だ」「風変わりな性格で異端児扱いされる」「映画界の異端児と呼ばれる兄弟がいる」などがあります。

異端児という言葉の「異端」とは、もともと宗教用語で、正統信仰とは異なる立場をとる宗教や宗派を意味しました。転じて、時代や集団のなかで正統とされる考えや立場から外れていることの意味します。「児」とは、子供の意味だけでなく、ある運命を持って生まれてきた者の意味もあります。

異端児は会社組織で自由奔放に行動する人

異端児とは、ある分野において正統から外れ、他と違っている存在とみられている人を意味します。社会的な常識などを無視して、自由奔放に行動する人に対して使われる言葉です。

異端児の対義語

異端児の対義語・反対語としては、平凡な人や普通の人を意味する「凡夫」、ただの人や普通の人を意味する「平人」、才能や考え方などが普通の人や並みの人を意味する「常人」などがあります。

異端児の類語

異端児の類語・類義語としては、性質や言動などが一般の人と違っている人を意味する「変わり者」、普通の人とは変わったところのある人を意味する「変物」、性格や言行が普通とは異なっている人を意味する「奇人」、道理に背く考えをもつ者を意味する「外道」などがあります。

風雲児の意味

風雲児とは

風雲児とは、社会の変動などに乗じて活躍する英雄的人物を意味しています。

表現方法は「時代の風雲児」「〇〇業界の風雲児」「〇〇ブームの風雲児」

一般的には「時代の風雲児」「〇〇業界の風雲児」「〇〇ブームの風雲児」のように使われ、社会やある分野において先に立って導くような人を表します。

風雲児の使い方

風雲児を使った分かりやすい例としては、「IT業界に革命をおこした風雲児である」「彼はツイッターで人気を博す風雲児です」「一躍ファッション界の風雲児になったモデル」「かつて風雲児と呼ばれていた人物が新宿にいます」などがあります。

その他にも、「幕末の風雲児たちが日本を変えた」「時代の風雲児たちはSNSを使いこなしている」「ネット通販の風雲児が通信業界に進出する」「戦後復興の風雲児と言われた男がいる」などがあります。

風雲児という言葉の「風雲」とは、強風が吹く前兆とされる雲や、事の起こりそうな情勢を表します。転じて、竜が風と雲とを得て天に昇るように英雄や豪傑が頭角を現すチャンスを意味します。風雲児とは、時流をとらえて才能をあらわし、目ざましい活動をする人を意味する言葉です。

風雲児の対義語

風雲児の対義語・反対語としては、普通の人を意味する「凡人」、普通の人や尋常の人を意味する「只者」、特別の身分や地位をもたない人を意味する「一般人」などがあります。

風雲児の類語

風雲児の類語・類義語としては、革命をもたらすような新しい仕事や事業を成し遂げる人を意味する「革命児」、敬慕の的となる人物や英雄を意味する「ヒーロー」、世にもてはやされる人や人気者を意味する「寵児」などがあります。

異端児の例文

1.日本料理界の異端児と言われる料理人は、酸味が特徴の料理を得意としている。
2.各界で異端児と呼ばれる有名人は、それぞれ個性が光っていて素敵だと思う。
3.90年代のバンドブームを異端児として牽引した兄弟は、今どのような暮らしをしているのだろうか。
4.家族のなかで性格や考え方が一人異なる異端児の僕は、耐え切れず家を出る決心をした。
5.現在はバラエティ専門である芸能人が、異端児だったアイドル時代を振り返った。
6.いつでも時代が閉塞しているときには異端児が必ず現れて、既得権益者たちに挑戦状をたたきつけるものだが、今の日本ではあまり勢いのあるものがいない。
7.高校生の頃はとてもコミュ障だったし、もともと風変わりな性格だったのでクラスメイトから異端児扱いされて、つねにひとりぼっちな学校生活を送っていた。
8.わたしのやっていることは業界では異端児そのものだったので、先輩たちからは散々嫌がらせを受けたりいじめられたりもしたが、今こうして評価されてうれしく思っている。
9.三人娘の中の次女は我が家の異端児であり、何かと長女と三女に対抗意識を燃やしていつも喧嘩になってしまうので、親としても困っているところだ。
10.父親は公務員だったのでわたしのような異端児を認めてくれることないと思っていたが、晩年はわたしのことを周りに自慢げに話していたと母親から聞いて目頭が熱くなってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、社会的な常識などを無視して奔放に生きる人を表現したい時などが挙げられます。

異端児という言葉は、基本的にはマイナスイメージのある言葉ですが、例文2のように良い意味で使われることもあります。ただし、風雲児のように成功者を表すものではありません。

風雲児の例文

1.テイクアウトが主流のご時勢に乗って、容器開発で一儲けした風雲児がいる。
2.シネマ界における風雲児の最後の作品になる映画が皮切りとなり、映画館は大行列を作っている。
3.グルメブームの風雲児がお勧めするお取り寄せは、間違いないので贈答用に打ってつけだろう。
4.エンタメ業界の風雲児であるツイッターは、最新の情報を得るために毎日チェックしている。
5.かつて兜町の風雲児と呼ばれ、相場師として巨万の富を築いた男が逮捕された。
6.テレビである男性グループがtiktokで若者たちに人気を博している風雲児だと紹介されていたが、わたしにはなぜこれがウケているのかさっぱり理解できなかった。
7.ラーメン業界の風雲児が作ったラーメンスープには、いままでの常識を覆す食材が使われており、辛口の美食家たちもさすがに驚きを隠せなかったようだ。
8.彼らはかつてはネット社会の風雲児だともてはやされたものだが、あやしいネットコンサル事業を始めたところから徐々に人々の支持を失っていったのだった。
9.ただの高校生だった彼女が一躍ファッション界の風雲児になったことはいい面もあるが、人間関係では周りからの見る目が変わってしまったと嘆いていた。
10.平成生まれの令和の風雲児たちはデジタルデバイスを使いこなし、従来の枠にはまらない行動様式で、我々大人たちをひょいと乗り越えようとしている。

この言葉がよく使われる場面としては、社会の変動などに乗じて活躍する英雄的人物を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、風雲児という言葉は、時流に乗って活躍する人や、ある分野における先導者を表します。例文3から5のように、「〇〇の風雲児」の言い回しで使われることが多い言葉です。

異端児と風雲児という言葉は、似ていても意味は異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、変わり者を表現したい時は「異端児」を、成功者を表現したい時は「風雲児」を使うようにしましょう。

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