【諜報員】と【工作員】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「諜報員」(読み方:ちょうほういん)と「工作員」(読み方:こうさくいん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「諜報員」と「工作員」という言葉は、どちらも「スパイ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




諜報員と工作員の違い

「諜報員」と「工作員」の意味の違い

諜報員と工作員の違いを分かりやすく言うと、諜報員とは秘密裏に敵の情報収集にあたる人、工作員とは秘密裏の情報収集だけでなく他の活動も行う人という違いです。

「諜報員」と「工作員」の使い方の違い

一つ目の諜報員を使った分かりやすい例としては、「元CIA諜報員だと噂されている英語教師がいます」「私は秘密諜報員としてスパイ活動をしていた」「諜報員の歴史は古く、中世には存在していました」などがあります。

二つ目の工作員を使った分かりやすい例としては、「私は政治工作員として入国しました」「他国で工作員の教育係をさせられました」「工作員に拉致された日本人は現在も不明です」「ネットを荒らす工作員が許せません」などがあります。

「諜報員」と「工作員」の使い分け方

諜報員と工作員という言葉は、どちらも内密に相手の秘密や内情を探ることを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

諜報員とは、ひそかにある人物や国の内情などを探るスパイ活動をする人を意味します。諜報員は政府や特定の組織に雇われて活動しており、ある目的のために情報を収集および分析することが主な任務です。

工作員とは、ひそかに敵情などのあたったり、他国への働きかけを行ったり、あるいはスパイ活動の防止などの活動を内密に行なう人を意味します。ある目的達成のため、計画的に何かしらの活動をすることが主な任務です。

つまり、二つの言葉はスパイ活動をする人を意味しますが、諜報員よりも工作員の方が活動の幅が広いことを表しています。

「諜報員」と「工作員」の英語表記の違い

諜報員も工作員も英語にすると「spy」「agent」「operations officer」となり、例えば上記の「CIA諜報員」を英語にすると「CIA agent」となります。

諜報員の意味

「諜報員」とは

諜報員とは、諜報活動をする人を意味しています。

「諜報員」の読み方

諜報員の読み方は「ちょうほういん」です。誤って「ぼうほういん」「ちょうぼういん」などと読まないようにしましょう。

「諜報員」の使い方

諜報員を使った分かりやすい例としては、「裏で政府機関の諜報員が活躍している」「諜報員の訓練に利用しているボードゲームがある」「諜報員とスパイでは役割が違います」「現場諜報員に見つからないようにする」などがあります。

その他にも、「曽祖父は旧日本軍の諜報員でした」「CIAが諜報員の求人広告を出しました」「諜報員時代の年収は現在の2倍でした」「元諜報員アレックスの話が映画化されました」「諜報員が活躍するおすすめのアニメはありますか」などがあります。

諜報員の「諜報」は、相手の様子をひそかに探って知らせることです。ある組織を構成する人を表す「員」と組み合わさり、諜報員とは、敵国や競争相手などの機密の情報をひそかに調べ、探り出す人を意味します。

「CIA諜報員」の意味

諜報員を用いた日本語には「CIA諜報員」があります。アメリカ合衆国の対外情報機関である米国中央情報局(CIA)に雇われている諜報員のことであり、他国の国家秘密の探索や情報収集、あるいは反米的団体の監視などが主な任務とされています。

「諜報員」の類語

諜報員の類語・類義語としては、敵の内情などをひそかに探る者を意味する「諜者」、交戦国に対するスパイ活動を行う機関を意味する「諜報機関」、敵の機密や内情をさぐることを意味する「探偵」、相手や敵のようすをひそかに探る人を意味する「スパイ」などがあります。

工作員の意味

「工作員」とは

工作員とは、諜報活動など、隠密裏の活動をする人を意味しています。

「工作員」の使い方

工作員を使った分かりやすい例としては、「工作員の任務は多種多様にあります」「日本を狙う工作員の特徴を教えてください」「その工作員は中国語を話していました」「工作員は日常的にインターネットを活用しています」などがあります。

その他にも、「北朝鮮工作員は韓国に亡命しました」「英語が話せない工作員なんていないだろう」「工作員になるには心技体を鍛えることです」「映画の工作員は大抵カッコイイ俳優です」「工作員は地味な服装をしています」などがあります。

工作員の「工作」は、ある目的を達するために、前もって他に働きかけたり計画をめぐらしたりして下準備することを表します。ある仕事に携わる人を表す「員」と結び付き、工作員とは、情報の収集や他国への働きかけ、あるいはスパイ活動の防止などの活動をひそかに行なう人を意味します。

「工作員」はネットスラングで使うこともある

工作員という言葉は、一般的にはスパイを指しますが、ネットスラングにもなっています。インターネットの世界における工作員は、第三者または一般人を装って書き込みをすることにより、特定の商品などを故意に宣伝したり、逆に誹謗中傷したりすることで何らかの利益を得る人物のことです。

「工作員」の類語

工作員の類語・類義語としては、敵方の様子をひそかに探る者を意味する「間者」、ひそかに敵のようすを探って味方に報告する者を意味する「間諜」、秘密や内情などをひそかに探る人を意味する「密偵」、戦国時代に情報活動に従った下級武士を意味する「隠密」などがあります。

諜報員の例文

1.諜報員に一番向いている人は、目立たずに周りに溶け込める人だと聞いたことがあります。
2.米国の諜報員の年収を調べてみたら、意外とそれほど高いわけではないことが分かりました。
3.実在した諜報員の話を元に描かれたこのスパイ映画は、スリル満点の展開で誰もが心を揺さぶられるはずです。
4.戦後、アメリカから派遣された特殊諜報員は日本の戦争犯罪を暴きました。
5.諜報員のなり方をネットで検索しているが、どれも信ぴょう性に欠ける情報ばかりだ。
6.諜報員たちは敵対国の政治・軍事・経済に関する情報を収集するため、様々な工作活動を行い、国際社会の暗部で静かに戦いを繰り広げている。
7.長年の経験を持つ諜報員は、状況に応じて様々な人物に扮装し、巧妙な演技で相手を欺き、ターゲットとなる人物に接近する。
8.諜報員たちは、常に危険と隣り合わせであり、任務遂行のために様々な困難に直面している。
9.万年平社員である私が、重要な任務を任された諜報員だと言っても、誰も信じてくれないだろう。
10.諜報員となった彼の赴任先は東ドイツで、西側諸国の動向を探っていたが、その後ベルリンの壁が崩壊した。

この言葉がよく使われる場面としては、政府や他の組織に雇われて、秘密裏に敵や競争相手の情報を得る人を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある諜報員とスパイという言葉の違いは、諜報員はスパイ活動を行う人のみを意味しますが、スパイは人だけでなく、そのような活動そのものを指すこともある点です。

工作員の例文

1.戦後、いくつかの国の工作員が日本に出入国を繰り返していたことが分かっています。
2.韓国の要人が、北朝鮮の工作員と接触したとして逮捕されました。
3.ひとくちにスパイや工作員と言っても、任務の内容や活動する役割はさまざまです。
4.工作員は他国の情報を集めたり、逆にそれを防いだりするのことが仕事です。
5.国のために働きたいと考えているのですが、工作員になるにはどうしたらいいですか。
6.暴動が起こった背景には情報部の工作員が紛れ込んで暴動を大きくしていたことが分かっている。
7.地下工作員たちは男を仲間に入れようとしたらしいが、頑なに拒否していたというから、トラブルがあったのかも知れない。
8.近年、各国の工作員による情報収集活動が活発化しており、国際社会に緊張感が高まっています。
9.拘束された工作員は、他国の政府機関への侵入を試みていた疑いがあり、両国間で緊張が高まっています。
10.先日、ある国の元工作員が、長年続けてきた活動内容を暴露する内容の書籍を出版しました。

この言葉がよく使われる場面としては、情報を集める活動や特殊任務などをこなす人を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある工作員とスパイという言葉の違いは、工作員はスパイ活動を行う人のみを意味しますが、スパイは人だけでなく活動そのものも表す点にあります。

諜報員と工作員という言葉は、どちらも「スパイ」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、敵情の情報収集にあたる人を表現したい時は「諜報員」を、敵情の情報収集だけでなく他の活動も行う人を表現したい時は「工作員」を使うようにしましょう。

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